少女ティック 下弦の月は謎を照らす

著者 :
  • 行舟文化
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本棚登録 : 34
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909735058

作品紹介・あらすじ

童話みたいなミステリ。瑠奈が善良な女の子で、描かれる日常があまりにも健全すぎるので、酷い事件があたかも童話のように読めてしまう。勿論これは作者の企みなんだけれど、この童話テイストが何か愛おしい。
—— 作家 新井素子さん推薦!

ミステリ作家にして評論家でもある才媛が贈る
異色のガール・ミーツ・ミステリ!

ごく普通の小学生だったはずの片瀬瑠奈。ところが五年生に進級したばかりの春、彼女は老女に扮した謎の人物に連れ去られ、暗い部屋に監禁されてしまう。果たして犯人の正体とその目的は何か。そして、監禁場所はいったいどこなのか。瑠奈が連絡を取れる外部の人間は、携帯ゲームのすれ違い通信で出会った顔も知らない「フレンド」たちだけ。しかし、彼女はゲーム内でも何者かによって閉じ込められ……。「第一話 少女探偵の脱出劇」

保育園で毎日一緒に遊んでいた友達に久しぶりに会いたいと、古いはがきの消印を頼りにその引っ越し先を訪れた瑠奈。初めてのひとり旅を夏休みの自由研究にしてしまおうと意気込む瑠奈だったが、そこは出会う大人が女性ばかりの奇妙な町だった。「第二話 少女探偵の自由研究」

運動会直前の九月末、瑠奈は一年生の男の子から突如、「命を狙われている」と警告を受けた。女子トイレ内で死神が瑠奈のことを話していたという。心当たりなく困惑する瑠奈に対し、友達のくるみまで「この学校には死神がいる」と言い出して……。「第三話 少女探偵の運動会」

スマホ専用のアプリゲームのイベントのため、真冬の朝の公園に繰り出した瑠奈は、その近くにゲーマーを招き寄せるように旗が立てられた祠のあることに気づく。一方、祠のすぐ側に建つ古いアパートの一室で女性の凍死体が発見された。しかも、その部屋にいた不審な女性の姿を、瑠奈の兄が写真に収めていたという。「第四話 少女探偵と凍死体」

春夏秋冬、季節が巡るごとに巻き起こる事件を通じて、少女は一歩ずつ成長していく――。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙のイメージとは違い、監禁や殺人といった重いテーマを扱っていて、驚きでした。しかし、子供が視点なのか、文章が明るめな特徴なのか、そんなに重い気持ちにはなりませんでした。その辺のアンバランスさが後を引く面白さでした。

    全4話で、主人公・瑠奈(小学5年生)の1年間を春夏秋冬に分けて描かれていますが、1年間にしては濃密な経験をされています。各話ごとに完結された出来事があるのですが、表面的にはほっこりとした雰囲気を醸しています。

    第1話 少女探偵の脱出劇
    第2話 少女探偵の自由研究
    第3話 少女探偵の運動会
    第4話 少女探偵と凍死体

    上記を見ると、お茶目な感じの物語なのかと思いきや、よくよく読んでみると、ディープな内容を取り扱っていて、複雑な気持ちでした。小学生にしては重いです・・・。

    特に第3話のラストが衝撃的であり、ゾワリとした気持ちにさせてくれました。「続きは・・・?」とした気持ちはあるものの、表紙の綺麗さとは180度違った雰囲気にある意味恐怖を感じました。文章は綺麗だけど、中身はディープ。脳と心が一致していないかのように読了後は、終始不安定な気持ちになりました。

  • 天狼院書店の小説家養成ゼミ入門講座に参加中です。

    その講師、千澤のり子さんの著書なので読んでみました。
    面白い!一気に引き込まれ、読んでしまいました。

    20代のころから、小説を書いてみたいと思っていました。
    でも、何から始めたら良いかわからず…
    今回、小説家養成ゼミに参加。

    第一回を終え…
    細かいことまで設定して、小説を書くんですね~
    大丈夫か?私…。
    そして、小説はそんなに読んでいないぞ、私。

    千澤のり子先生、面白いです!
    もっと読んでみよう!

  • 2021/01/17読了

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著者プロフィール

東京都生まれ。専修大学卒業。羽住典子名義で評論家としても活動している。2007年に二階堂黎人との合作『ルームシェア 私立探偵・桐山真紀子』(宗形キメラ名義)を発表後、2009年に『マーダーゲーム』で単著デビュー。その他の著書に『シンフォニック・ロスト』『鵬藤高校天文部 君が見つけた星座』、共著に『人狼作家』『サイバーミステリ宣言!』『21世紀本格ミステリ映像大全』『平成ストライク』など。近著に『少女ティック 下弦の月は謎を照らす』。

「2022年 『暗黒10カラット 十歳たちの不連続短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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