竹本健治・選 変格ミステリ傑作選【戦前篇】 (行舟文庫 た 1-1)
- 行舟文化 (2021年8月28日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (712ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909735065
作品紹介・あらすじ
乱歩、横溝、夢野から谷崎、川端まで――戦前期に発表された、モダニズムと奇想に彩られた変格ミステリ短編の代表的傑作十五編を集成する、変格をこよなく愛する作家・竹本健治による珠玉のアンソロジー。同時代に隣国・中国で花開いたミステリ文化を象徴する短編・孫了紅「真偽の間」と、中国での変格ミステリの受容史の解説も併録。SNS上での「変格ミステリ作家クラブ」会員作家による各作・作家への「偏愛コメント」も。
◎収録短編=夏目漱石「趣味の遺伝」、谷崎潤一郎「白昼鬼語」、芥川龍之介「藪の中」、夢野久作「侏儒」、甲賀三郎「黒衣を纏う人」、地味井平造「魔」、渡辺温「父を失う話」、浜尾四郎「殺された天一坊」、江戸川乱歩「目羅博士の不思議な犯罪」、海野十三「俘囚」、小栗虫太郎「失楽園殺人事件」、木々高太郎「網膜脈視症」、川端康成「散りぬるを」、横溝正史「蔵の中」、久生十蘭「海豹島」、孫了紅「真偽の間」(収録順)
感想・レビュー・書評
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書店で表紙を見て即買い。『変格』って?と思いつつ、既読の物もあったがこの時代感もとても好みで楽しく読んだ。夏目漱石「趣味の遺伝」谷崎潤一郎「白昼鬼語」横溝正史「蔵の中」久生十蘭「海豹島」が好み。夢野久作、渡辺温、浜尾四郎、海野十三、木々高太郎も良かった。
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【収録作品】夏目漱石「趣味の遺伝」/谷崎潤一郎「白昼鬼語」/芥川龍之介「蔵の中」/夢野久作「侏儒」/甲賀三郎「黒衣を纏う人」/地味井平造「魔」/渡辺温「父を失う話」/浜尾四郎「殺された天一坊」/江戸川乱歩「目羅博士の不思議な犯罪」/海野十三「俘囚」/小栗虫太郎「失楽園殺人事件」/木々高太郎「網膜脈視症」/川端康成「散りぬるを」/横溝正史「蔵の中」/久生十蘭「海豹島」/孫了紅「真偽の間」
歯ごたえがありすぎて、ずいぶん時間がかかってしまった。 -
戦前の変格ミステリアンソロジー。変格というだけあって、どれもがとことん変な話。だけれど奇妙に魅かれます。現代の知識からしてみれば「そんな馬鹿な」「ありえない」のオンパレードなのですが。よくぞこのようなことを考えついて、大真面目にこんな作品にしちゃったのだなあ、ってことがとにかく凄い。奇想の詰まった絵空事を存分に楽しみたい一冊です。
何度読んでも江戸川乱歩「目羅博士の不思議な犯罪」は大好き。あまりに素敵な一作。月の綺麗な夜に窓辺でじっくり読み耽りたい一作です。
甲賀三郎「黒衣を纏う人」は変格ではあるけれど、けっこう本格でもあるのでは。奇妙な謎ではあるけれど、一番論理的に筋の通った物語ではありますね。
一番驚かされたのは海野十三「俘囚」。最高に馬鹿馬鹿しくってとんでもない話でした。これはもう笑っていいのか慄いていいのかがわかりません。だけれど語り手である彼女の身になってみれば、これほど恐ろしいことはありませんでした。 -
戦前の変格探偵小説アンソロジー。乱歩や久作、虫太郎、十蘭のような変格といえばという感じの作家から、甲賀三郎のようなどちらかという本格イメージの人、さらには漱石や芥川、谷崎、川端康成のような純文学の作家までラインナップは幅広い。
編者は竹本健治ということで、収録作は夢野久作は「侏儒」、乱歩は「目羅博士」と少しひねった感じではあるが何でこれ?ということもない絶妙のもの。とはいえ大半は既読なため新鮮味には欠ける。そういう意味ではおまけの「中国における変格ミステリの受容史」が一番興味深く読めた。 -
2022/02/02読了
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(借.新宿区立図書館)
戦前篇ということで時代の雰囲気が感じられる少々変わった作品を期待。確かに時代としてはエロ・グロ・ナンセンスなどや独特の暗さなど感じられるが、中には少々グロ度の大きい作品も。普段から変格ミステリを読みなれている人には良い刺激なのかもしれないが、今の私にはちょっときつかったかも。最後の中国作品一篇と受容史は興味のある人にはいいのだろう。あと漱石・谷崎・川端の作品が取られているのは興味深かった。
それと福岡市の行舟文化という出版社で出している行舟文庫というのがどういう背景で出版活動をしているのか気にはなった。
著者プロフィール
阿井幸作の作品






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> 【戦後篇I】なんですね。
ですね!少なくともⅡがある、、、
香山滋、中井英夫、山田風太郎。如何にもって感じが...
> 【戦後篇I】なんですね。
ですね!少なくともⅡがある、、、
香山滋、中井英夫、山田風太郎。如何にもって感じがします!
楽しみです!
楽しみです!
> 戦後篇I、豪華なラインナップですね。
フフフ
Ⅰを読む前から、Ⅱの構成が気になる猫でした、、、
> 戦後篇I、豪華なラインナップですね。
フフフ
Ⅰを読む前から、Ⅱの構成が気になる猫でした、、、