ダムヤーク

  • RANGAI文庫
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本棚登録 : 165
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (132ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909743039

感想・レビュー・書評

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  • めちゃくちゃおもしろかった!
    ストーリーが「風が吹けば桶屋が儲かる」的にどんどん転がっていくんだけど、冷静にツッコミを入れる感じの文章がとにかく読んでておもしろい。

    まあまあ出てくる関西弁が、
    私にめちゃめちゃなじみのある大阪弁だったんだけど、著者は滋賀出身なのがナゾ…。
    短編の中で、ローザ・ヴェルヌが田舎町マルドレットから都会の大学に飛び出して、都会の大学で方言をいじられて「ほかすってなに?あっためるってこと?」と言われる。
    ほかすって、あっためるって意味っぽいかな〜?
    佐川さんゆわれたことあるんかな…

  • 超おもしれ〜
    短編で、どれも面白かったけど
    表題作ダムヤークの
    勤め先の工場がニューヨーク並みの
    人種のサラダボウル状態で言語の壁がサスケのファーストステージくらいやばかった。って表現は好き。
    本当、佐川恭一のお得意パターンのスタート地点から最終地点までの話の移り変わりが、めちゃくちゃ心地よい。これは断じて言うが脱線ではない!ゴールに向かうまでの素敵な寄り道とでも言おうか、トムヨークも笑えた。
    個人的にマルドレットの人々からライジング・フォースまでの終盤は読み終えるのが惜しく、わざとちょいちょい行きつ戻りつ読みました。
    最高!

  • 不条理、なのかな。
    吉田戦車じゃないんだから。
    佐川恭一さんの本としてはイマイチかな。

  • 軽薄で凡庸な人々を描きながら、ときおり文学や哲学の深い教養を垣間みせる。何かを成し遂げた人生でもなく、奇妙でつじつまが合わず、忘れたり忘れ去れらながら、しかし実際の人生ってそんなもんだよなという、不思議に納得してホンワカしてしまう読後感。
    いゃ〜、佐川恭一、クセになる。

  • みなさんほど良さがわからなかった。はちゃめちゃ。世にも奇妙な物語風。聖人の中尾くんって子だけいい子だなあと思った。聖人ってのがいちばん普通。

  • 唐突に時空が飛んだり、死んだり殺されたりする。
    「聖人」だけこの短編集の中ではちょっと異質でより現実的。

    p35、ダムヤークから引用
    “追い込まれた人間を励ますもの。.... それは同じ状況に陥っているしょぼい人間の存在だけです。”

    このしょぼい人間の解像度を上げたい。そういう目的に最適な一冊。

  • 佐川恭一はもっと評価されるべき

  • 将来に対する不安からか、私は人々はどのように日々を過ごしているか、またどうしてそれができているか疑問に思っています。
    ほとんどの映画やドラマ、小説では早送り、省略され映し出してはくれないような連続した日々をこの作品では見せてくれます。
    決して明るくなればかりではありませんが、そういうところも含めて満足のいく作品でした。

  • やっとなんかこの辺の人たちの面白さがわかってきた。ただ、うーん……放って置けないような感じあるよね。危ない面白さというのかな。ノーベル賞は…まあ、頑張ってください。

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著者プロフィール

滋賀県出身、京都大学文学部卒業。2012年『終わりなき不在』でデビュー。『無能男』(南の風社)、『ダムヤーク』(RANGAI文庫)、『舞踏会』(書肆侃侃房)、『シン・サークルクラッシャー麻紀』(破滅派)、『アドルムコ会全史』(代わりに読む人)、『清朝時代にタイムスリップしたので科挙ガチってみた』(集英社)など著書多数。2019年『踊る阿呆』で第2回阿波しらさぎ文学賞受賞。

「2023年 『終わりなき不在』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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