ヒロインたちの聖書ものがたり キリスト教は女性をどう語ってきたか
- トランスンビュー (2020年10月6日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909753090
作品紹介・あらすじ
聖書に登場する女性たちは男性に比べると圧倒的に少ないですが、男性中心の古代社会で、歴史に翻弄され失意の人生を送った女性もいれば、機知と機転でたくましく生き延び祝福された人生を終えた女性もいる。そうしたヒロインたちの生身の姿を生き生きと描き直すことによって、聖書全体の流れを俯瞰しようというのが本書の試みです。
ヒロインたちは、夫に裏切られたり、屈強な男たちに武力で囲まれたり、若くして夫と死別したり、誠実な夫を権力者に殺されたりしました。また、若い側女への嫉妬、無理解な夫への義憤、女同士の競争、さらにはレイプと家族による沈黙の強要など、聖書は彼女たちの過酷な現実をそのままに語ります。しかし、それでも希望を失わず自らの人生に向き合い、絶望的な時代に、未来に信頼することをやめなかった女性たちがいたのです。本書はかのじょたちの視点で聖書のものがたりを語ります。
聖書に関心があるけれど、全体の流れがわからず、分厚くて読み通すことが難しいと思っている人にとっては、ヒロインたちのものがたりを通して聖書が伝えたいメッセージの輪郭が見えてくるでしょう。また、ある程度聖書になじんでいる方にとっては、聖書が提起する人間と社会にまつわる重い課題にあらためて対面する契機となることでしょう。
感想・レビュー・書評
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聖書全体をヒロインたち――エバ(イヴ)、イエスの母マリア、マグダラのマリア等――を中心に読み解く一冊。男性中心に描かれる聖書の物語に対して、著者は「このような読み方もできるのでは?」と興味深い解釈を示している。
聖書本文を読んだことが無くても全体の流れがなんとなく摑める構成がいい。一部の単語が「かれ」「かのじょ」のように平仮名表記にしている点が気になる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文献学的立場から聖書を解説してくれてる珍しい本。
登場人物と大まかな流れの解説があって読み易い。
女性をピックアップという試みも新鮮。
ただ、かんじをつかってなかったり、やや強引な推測が多くて…