ミッドワイフの家

著者 :
  • 水窓出版
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本棚登録 : 10
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909758002

作品紹介・あらすじ

「性愛の対象としても、結婚の対象としても認められていない若い男など、どんな意味があるだろう? 娘たちが<友人>としてわたしを扱うことは、お前はどこへでも行って勝手にしろ、ということ以外ではあり得なかった。」(「炎に追われて」より)
異性への畏怖、憧れ、情欲という切実な問題にぶつかる若者の姿を繊細に表現し、男女の機微を丁寧に描写することで、感受性豊かなイメージが喚起される。鋭敏な<性>の物語。
第68回芥川賞候補作、三木卓第一小説集の復刊です。(表題作他二編収録)

感想・レビュー・書評

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  • 初版が約四十年以上前に発行された作品集で、本作は復刊になる。三編が収められている中、短編集で、すべての作品が「性」というテーマで括られている。

    たまに、昔のドラマや映画、お笑い番組を観たりすると、まったくもって面白くない時がある。それは、放送当時の価値観が現代の価値観と違い過ぎて、内容が薄っぺらく思えて没入出来ず、所詮フィクションであるし時事ネタのための作り物に過ぎないと、白けた目で眺めてしまう時があるが、本作は、作品の時代設定も約四十年前と古いが、登場人物たちの根底にある悩みや問題は、現在と変わっていない。
    寄る辺なく若夫婦二人の力だけで生活をする苦しさや異性から拒絶されたり、パートナーと上手くいかないという、つまり、日々の生活の苦労やコミュニケーションの問題というものは、昔から今までついてまわる問題で、人生において切り離せない出来事だと思う。だからこそ、この小説集は今の時代を生きる人達にも通じるのだと思った。

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著者プロフィール

1935年、東京生れ。早稲田大学卒業。芥川賞、平林たい子賞、芸術選奨文部大臣賞、谷崎賞、読売文学賞、2006年「北原白秋」で毎日芸術賞、藤村記念歴程賞、蓮如賞を受賞。07年、日本芸術院賞恩賜賞受賞。

「2016年 『私の方丈記 【現代語訳付】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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