エトセトラ VOL.1

著者 :
  • エトセトラブックス
4.04
  • (8)
  • (13)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 254
感想 : 17
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784909910004

作品紹介・あらすじ

毎号、新しい編集長がいちばん伝えたいテーマを特集するフェミマガジン創刊!

大手コンビニチェーンが、2019年8月末日までに「成人向け雑誌」の販売を中止する方針を決定。私たちの生活に欠かせないコンビニという場所に「エロ本」があったこと/なくなることについて、田房永子が編集長となって、二度とないタイミングで60人のリアルな声を集めました。
エッセイ=瀧波ユカリ、北原みのり、小川たまか、少年アヤ、武田砂鉄など、作家や漫画家、書店店長、成人誌の作り手からの寄稿他、一般投稿による40人の賛否激論フォーラム、各社コンビニへのアンケート、もちろん田房永子のエッセイ漫画も!

身近なテーマからフェミニズムを考える、新しい雑誌の誕生です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 一冊まるごと「コンビニからエロ本がなくなる日」特集

    ほんとうにいろいろな意見が載っている。

    賛成派、否定派。
    女性、男性。
    作るひと、読むひと、置くひと。
    子供のいるひと、いないひと。

    ニュースではさらりと流された話題だったように記憶しているけれど、たいした話題ではなかったのか?

    同じことを書いてらした方もいらっしゃったけれど、コンビニのエロ本なんて、気にしてないようで、気にしていた。
    横を通るとき緊張したし、正視できなかった。
    その理由がこの雑誌を読んでわかったような気がした。

    使い捨てられる女性の裸たち。
    顔を身体を勝手にジャッジされる暴力。
    無言の圧を見ないフリをしてきた。

    でも無くなったことにホッとしている。

    印象に残ったこと。

    ✴ネットにつながる環境のない老人の性の問題。
    ✴幼い頃はじめに触れた性コンテンツのその後の人生への影響。
    ✴じゃあ、なんで男性向けのエロ本があって、女性向けのエロ本や、BLがコンビニになかったのか、という意見。
    ✴男性にはコンビニエンスなエロが必要だ、という意見。
    ✴やはりお子さんがいるお母さんはいろいろ気を使うな、という印象。

    そういえばこの前書店で三歳くらいの男の子がエロ本をめくっていた。私がギョッとして凝視したらタタタっとどこかに行ってしまった。その後また通りかかったら同じ子がまた見ていた。
    やはり刺激の強いものは気になるんだと思った。(その後その書店に行ったらエロ本に封がしてあった)

    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さん
      すごく気になったので、図書館検索したらなんとありました!
      エロ本コーナーは大抵トイレ近くにあったので、その前を通り過ぎるの...
      5552さん
      すごく気になったので、図書館検索したらなんとありました!
      エロ本コーナーは大抵トイレ近くにあったので、その前を通り過ぎるのに緊張していました。
      いろんな意見が載っているのですね、襟元正して読もうと思います。
      2022/05/29
    • 5552さん
      ベルガモットさん

      図書館にあるなんて、意外ですね!
      肯定派、否定派、その他いろんな意見があって勉強になりました。
      そうそう、雑誌の...
      ベルガモットさん

      図書館にあるなんて、意外ですね!
      肯定派、否定派、その他いろんな意見があって勉強になりました。
      そうそう、雑誌の表紙を見ないようして、トイレに向かうんですよね。
      私は、まあ、しょーがない、こういうものだから、と、不快に感じながらも、そう思っていました。
      子供も普通に入れるコンビニにエロ雑誌があるなんて、異常な空間ですよね。


      2022/05/30
  • ブク友さんの本棚で気になって図書館からお取り寄せ。

    数十年前にたまたま寄った田舎の店に薔薇族が置いていて、びっくりした記憶を思い出した。またその頃はレディコミも全盛期。友人と過激な表現に驚いた感想を言い合ったりした。

    つい最近まで、主に異性愛男性の性志向を刺激する商品が、生活用品と一緒に置いてあるのって、よく考えると違和感しかわかないのに、すっかりそういうことも忘れていた。トイレ利用の時に、そのコーナーの前を通るのは変な緊張感を持っていたことも思いだした。

    本ができるまで、販売、消費者に届くまでに多くの役割の人間が関わっているんだとあらためて知ることができた。実際のところ売れなくなったからという理由もあるそう。
    コンビニで、生理用品も不快だという同列で反論する意見や、オムツが売られていない悲痛な声があったということも、そのアンバランスさに愕然とした。
    哀しいことに家庭、学校、街中、病院、交通機関、様々な職種を持った人達による性にまつわる問題が連日どこかの街で起こっている。
    エロ本がなくなっても、エロコンテンツは違う形でどんどん進化して刺激さが増しているので、また違う議論の必要性が出てくるのではと危惧しながら読み終えた。

    覚書
    男性の射精文化・産業が日常化・環境化される一方、女性に必要なものがない。(アフターピル、性暴力被害訴訟制度、安心な中絶方法、経済不安なく妊娠出産可能な環境)
    ソフィズムとは、だれかをだますことを希望して推理における巧みさを表示する故意に無効の議論
    「エロ」は悪いものじゃない。むしろ必要で尊いもののはずなのです。エロいものが「搾取」や「支配」と連動している社会が悪いのだと思うのです。その「搾取」や「支配」の構造から、ハラスメントや性被害が発生しているのです。

    • 5552さん
      ベルガモットさん、おはようございます!

      読まれたんですね!
      田舎に薔薇族があったなんて、びっくりです。
      田舎と都会の距離が遠く、イ...
      ベルガモットさん、おはようございます!

      読まれたんですね!
      田舎に薔薇族があったなんて、びっくりです。
      田舎と都会の距離が遠く、インターネットも普及してない時代だからこそ、なのでしょうか。
      性のことについては、いま、性教育を見直そう、というような機運がいくつかあるみたいで、こういう幼い頃からの地道な教育には期待するものがあります。
      2022/06/19
    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さん おはようございます☆

      いつも私じゃたどり着かない本のご紹介ありがとうございます!
      とても興味深い内容で、時々前を読み返...
      5552さん おはようございます☆

      いつも私じゃたどり着かない本のご紹介ありがとうございます!
      とても興味深い内容で、時々前を読み返したり、用語を調べたりして良い社会勉強になりました。
      そうなんです、薔薇族という存在自体知らなかったので、博識(?)な友達に教えてもらいました。本屋さんではない、街の商店みたいなところだったので、熱心な読者さんだったのかもしれません。

      以前、性教育的な話をする機会があったので準備をしていたら、寝た子を起こすなんて!と大人が過剰反応して困った体験もあります。
      「水着で隠れるところは大事なところだから、相手に同意なく勝手に触っちゃダメ、みたいなことを話してますよ」という保育士さんの言葉がとても心に残っています(確か、虐待防止の研修)。
      性の話はタブー視されるのでなく、多様性も含めてオープンにすることは大事なことだけど、地道な工夫が必要そうですね。
      2022/06/19
  • おすすめの図書 | 図書情報室 | 京都市男女共同参画センター ウィングス京都
    https://www.wings-kyoto.jp/library/02newbooks-review/

    エトセトラブックスのPR
    毎号、新しい責任編集長がいちばん伝えたい“フェミ的テーマ”を特集するフェミマガジン創刊! 大手コンビニチェーンが、2019年8月末日までに「成人向け雑誌」販売中止する方針を決定。私たちの生活に欠かせないコンビニという場所に「エロ本」があったこと/なくなることについて、人気漫画家・田房永子が責任編集長となり、二度とないタイミングで60人のリアルな声を集めた一冊!作家や漫画家、書店店長、「エロ本」編集者からの寄稿他、一般投稿による熱い賛否両論フォーラム、各社コンビニへのアンケート、もちろん田房永子によるエッセイ漫画も! 身近なテーマからフェミニズムを考える、新しい雑誌の誕生です。
    https://etcbooks.co.jp/book/vol1/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      目の前の男を変えるより大切なこと。石川優実×松尾亜紀子が語るフェミニズムとバックラッシュ | Business Insider Japan(...
      目の前の男を変えるより大切なこと。石川優実×松尾亜紀子が語るフェミニズムとバックラッシュ | Business Insider Japan(Dec. 28, 2020)
      https://www.businessinsider.jp/post-226807
      2022/03/09
  • コンビニからエロ本がなくなることを一冊の本にまとめようとする視点に興味が湧き、購入した。
    日常生活を送る中で何気なく目にしたニュースだったが、注目してはいなかった。私が一瞬で過ぎ去ったニュースの話題に対し、真面目に考えていた人たちがいたんだなと。
    多方面からの意見、面白かった。

  • 友達がお土産で買ってきてくれた。すごい、なんて平等な意見の載っているフェミ雑誌なんだろう。いろんな角度から、コンビニエンスストアのエロ本が撤去されることに関して書かれている。
    フェミ雑誌がそもそも世の中にあるのね!という驚きと、大変な共感、あまりにうんうんってなりすぎて、涙が出そうになった。これからもぜんぶ読みたいです。

  • コンビニからエロ本がなくなる。

    この一つの出来事にも、たくさんの思いがある。

    エロ本を買っていた人、
    エロ本を見ていた人、
    エロ本を売っていた人、
    エロ本を作っていた人。

    みんなの声を聞いて、
    やっぱり「コンビニにエロ本は要らない」って思えた。

    それだけでこの雑誌を読んだ価値があった。

  • ある朝,読売新聞・朝刊の「顔」欄に,エトセトラブックス代表の松尾さん or 責任編集長の田房さんのどちらか(失念してしまいました)と,フェミマガジン『エトセトラ』の創刊が掲載されているの見て,急いで入手しました。(いわゆる古典ではない)新しいフェミニズムの本とそれをつくったひとが,日曜日の書評欄ではなく,右寄りの全国紙の2面に載ったことに時代の変化を感じます。

    特集「コンビニからエロ本がなくなる日」には60人の声が寄せられ,私個人としては,北原みのりさんと清田隆之さんの文を特に興味深く読みました。

    また,このようなテーマだからか,投稿ページにもおもしろい意見がいくつも掲載されていました。特に気になった3つを挙げてみます。

    20 無駄でしなくてもいい自主規制をするなんて
    匿名/千葉県/会社員/44/男性
    → 投稿者は,自分は性差別をしていない,むしろ自分のような男性こそが女性に差別されている,と思っている典型的なミソジニストというかインセルのようです。性差別を理解するための学習と,観察しているものに対する想像力が著しく不足していて,振り回している拳が空を切っているような感じが,こんなひと本当にいるのかと笑わせてもらいました。これも載せてあげるのだから,懐の深い雑誌だと思います。

    22 「エロ」が持つ暴力性に人々は一刻も早く気がつくべきだ
    ぺそみあん/埼玉県/書店員/32/女
    24 人間を人間と思うか,物のように思うかという感性
    宇井彩野/千葉県/ライター/33/女
    → 前者はエロ=女の身体という図式に疑問を持ち,エロ≠性行為であり,エロ=支配・侵略・侮辱であることに気がつくべきだと言っています。後者は,屈辱=エロが一つのマニアックな嗜好ではなくエロの主流であることに違和感があり,エロ本がコンビニに置かれていることはエロに寛容であることとは別に,人を人として扱う感性の欠如ではないかと指摘しています。
    どちらも私の意見に近いもので,強く共感しました。おや,きみたち,年齢も近いじゃないか。ふふふ。

    エロ本のコンビニ撤去に賛成している投稿者の意見は,ヒステリックというより,「やっとかよ……」とうんざりしているトーンが目立っていたような気がします。これは,昨今広く読まれるようになったフェミニズムの本が,一過性のブームにならないでいてくれるという希望にもなりそうです。

  • 記録に残すべき事象。このままでは「コンビニにエロ本が置かれていた事実」がうやむやにされる。賛成反対問わず歴史の語り部として各人に意識させること。
    エロはエロたる場所で存在するのが生きる道。

  • コンビニエロ本のエロは性欲というより征服欲なのかも。だからなくなるの賛成。コンビニに性はナシではないかもしれないけど取り扱うのは難しいか。多様だから。
    ただ、そんなこと気にされず雑誌が売れなくなったから五輪開催だからで話が済んでしまいそうで残念。一斉になくなるってのもなんだかな。

  • 道端に捨ててあるエロ本に不自由しなかったし、土ワイでオトナの胸には様々な型や大きさを知った子供時代であった。なにが正確かは一定の時間が過ぎてみないとわからないとは思うけれど、“イマ”の視点、ヒントをもらったので、これまでの当たり前を疑い、よい社会について考えていこう。

全17件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1978年東京都生まれ。漫画家、エッセイスト。武蔵野美術大学短期大学部美術科卒業後、漫画家デビュー。2001年第3回アックス新人漫画賞佳作受賞。2012年、母との確執による葛藤を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)を刊行。そのほかの著書に『しんどい母から逃げる!!』(小学館)、『キレる私をやめたい』(竹書房)、『ママだって、人間』『お母さんみたいな母親にはなりたくないのに』(共に河出書房新社)、『大黒柱妻の日常』(MDNコーポレーション)などがある。

「2021年 『なぜ親はうるさいのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

田房永子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×