- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909992017
作品紹介・あらすじ
中国の北方では、人々は別れの時に、手作りの水餃子を囲んでその別れを惜しむという。
自身の研究分野を「民族音楽学」に決めた著者が選んだ調査地は中国の農村。1988年、文化大革命後に「改革開放」へと舵をきった中国で、右も左もわからぬまま「研究」への情熱と未知なる大地へのあこがれだけで、彼女のフィールド調査がはじまった。
中国の都市や農村での調査をきっかけにさまざまな出会いがあった。「怖いものはない」という皮肉屋の作家、強烈な個性で周囲の人々を魅了し野望を果たす劇団座長、黄土高原につかの間の悦楽をもたらす盲目の芸人たち……「親切な人」とか「ずる賢い人」といった一言では表現できない、あまりにも人間臭い人々がここにはいる。それぞれの物語で描かれている風土と生命力あふれる登場人物に心うごかされ、人の心のありようについて考えてみたくなる。
1988年以降の中国という大きな舞台を駆け巡った数十年間には無数の出会いと別れがあった。その中から生まれた14の物語をつづったエッセイを、40以上のイラストとともにお届けします。
イラスト:佐々木 優(イラストレーター)
感想・レビュー・書評
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自分の体験した80年代半ばからの中国と重なって。
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文化人類学系の本なので身構えながら読み始めたら、最初から面白い!エピソードが強い!
中国人のことを私は「明るくてやさしい」と思ってきたけど、著者によれば「やさしい」という言葉は中国には不要な概念だそうだ。
病院の描写はどれもおどろおどろしく、よっぽど心細かったのだろう。
対して食事の描写は感動が溢れていて、日本の食事は彼らには不満だろうとあるのも、日本人はなかなか言わない事で面白かった。 -
中国の農村でのフィールドワーク。そこで出会った忘れられない人たち。
なんだかとてもうらやましかった。誰でもが簡単には行けない辺境の地に行って、いろいろな人と出会い、調査する。それが仕事であること。なんと自分は狭い世界で生きてきたのか。そういう感想を持つために書かれたものではないと思うが、そう感じてしまったのだから仕方がない。
著者の目を通して描かれた中国の農村の人はとても魅力的だった。欠点もまた魅力的で、それは著者の目を通したからこそであろう。距離も時代も遠いのだが、まるでそこに自分もいるかのように楽しんだり困ったりした。 -
(後で書きます)
著者プロフィール
井口淳子の作品






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