- Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
- / ISBN・EAN: 9784909992505
作品紹介・あらすじ
科学者として活躍しながら、随筆家としても数々の名筆を残した寺田寅彦と中谷宇吉郎。
今回は寺田寅彦の「どんぐり」「コーヒー哲学序説」と中谷宇吉郎「『団栗』のことなど」の三編を一冊の書籍にしてお届けします。
寺田寅彦の代表作である随筆「どんぐり」は若くして亡くなった妻・夏子との想い出を綴り、今も人々の心を揺さぶる名筆です。そしてこの「どんぐり」を丁寧に考察し、寺田寅彦と妻・夏子を鮮明に描いた中谷宇吉郎の「『団栗』のことなど」を収録。文学的に仕上がった中谷宇吉郎の文章が随筆「どんぐり」の魅力を引き立てます。さらに寺田寅彦の随筆「コーヒー哲学序説」をくわえ、味わい深い随筆の世界へと読者を誘う一冊が仕上がりました。
○「灯光舎 本のともしび」創刊
人々の心に染み入る作品を取り上げ、小品仕立ての書籍にしてお届けする「灯光舎 本のともしび」。書物の愛好家はもとより、作者や作品ないしは読書そのものへの入り口にしてほしいという想いのもと、「小品」をコンセプトに素朴で味わいのある佇まいで、刊行いたします。
撰者には、書物エッセイストで京都銀閣寺に店を構える古書善行堂店主・山本善行氏を迎え、シリーズとしての発刊を目指します。
第1弾目として『どんぐり』寺田寅彦/中谷宇吉郎 著をお届けします。
感想・レビュー・書評
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岡潔の『春宵十話』から来ました。
文章は細かい説明が続くのですが、それがとても読みやすくストレスを感じないでスイスイ読めます。不思議。それだけでなく、愛というか、対象をとても大切にしていることが、言葉に絶対にしてませんが、文章を読んでいて感じます。こんなふうに書けたらなぁと思うお手本のような文章です。
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死が側にあった若き夫婦の日常の一端。幻想曲のような珈琲とともに。
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シンプルな装丁でありながら、三方の小口が表紙と同じ色に染められいて目を惹く。
見返しのともしびのマークの炎はくり抜かれ、大扉の色が炎を覗かせている。
重くなく自然と馴染むので、何度も手に取りたくなる。
本に灯る明かりが、ふわりと心に揺れる温かみのある本。
『どんぐり』は哀しいお話で、『団栗』のことなど、はその解説のようなものだったけれど、とても読ませるものだった。
この間に挿入されていた『コーヒー哲学序説』が異色のように感じたが、これが非常に良かった。
ちょっと丁寧に淹れた一杯の珈琲を頂くような心持ちで、また読み返したいような作品。
香りたつ、文学。素敵です。
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本のともしびシリーズ、揃えたい。
まさに読んだ後に誰かに伝えたくなる随筆。 -
どんぐりは青空文庫でも読めるけど、素敵な装丁や編集でじっくり味わいながら読むと贅沢な時間を過ごせた
最近は新字新仮名だけど、敢えて旧字なのは粋ですね!
最近は新字新仮名だけど、敢えて旧字なのは粋ですね!