70歳からの世界征服

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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910053158

作品紹介・あらすじ

人は死に、今生に意味はない。
老いを迎えるすべての人たちへ--イスラーム学者・中田考と仲間たちが贈る、身もふたもない人生の真実。

感想・レビュー・書評

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  • 中田考の価値観に触れたくて読んだので、薄っすらとだが、中田思想を垣間見れたのは良かったが、全体的に投げやり。達観しているとか、なるほど深いとか、テキトーに言う事もできるのだろうが、決してそうではない。

    老化という摂理に抗い、無理に欲望をかき立てるのは資本主義の理屈によるもの、というのは良く分かる。世俗社会のイデオロギーに死生観が左右されるのだ。だからと言って、老人は切腹を、の成田悠輔ではないが、中田考氏は、即身成仏でミイラ化するのが良いと。あるいは、見知らぬ若者と同居してパトロン気分を味わえとか、ユーチューバーになれ、阿片窟に集めろ、養子を取れ、出馬せよ、など。

    並べて見ると、投げやりというか、まあ考えてはいるのかな、という気にもなってきた。だけれど、人生の後半になってから、ミイラを目指さなくても良いと思う。快楽主義で阿片窟は良いのかな。でも、肉体の制約から脱却するには、老いてもメタバースで若作りのアバターで自在な活動も可能になるのだから、それで良いでしょう。

    本著を読んでいて、ふと。暗記、暗唱による自己暗示で人格を修正する事に関し、これは仏教の念仏と同じことだなと。言霊が力を持つのは、意識に働きかける言葉の力が肉体に染み込むからで、本能的に病から不安を内発するが、言葉や理念で信じて押さえ込むのが、本著の言説。なるほど。

  • 「生きがい」なんて無理に持つもんじゃない。老人になってから出来ることなど大して何もないんだから、若者を育てるためにお金を費やすか、代謝を落として早く人生を終わらせましょう。

    ……ってこと?

    「マイルドに翻訳しますと、要するに『生きがいに縛られる生き方なんかやめなさい』ということです」

    「健康であること」にしがみつき、死ぬことに怯え、世話をしてくれる人達にギャアギャア文句を言っている老人を尊敬はしないし、自分自身は長生きしたいとも思わない。

    けれど顔を合わせると「楽に早く死にたい、身体が動かず辛い」と訴える祖母を見ていると、老人が日々を穏やかに過ごすことについて、どうしても考えてしまう。

    それを「生きがいを持たず、裸になっていく覚悟」だと言われると、半分は分かるけれど、半分は分かりたくない。
    諦念ということの意味が、多分自分にはまだ飲み込めないということだろう。

    生涯教育として大学の教授に、老人相手の何の益にもならない講義をするという、無駄な時間を使わせないで欲しい、とある。
    でもそれこそ、書生さんを囲うことや若い家庭教師を雇うことと同様、大学の若手講師雇用の促進に打つことだって可能ではないのか。

    比率ではなく実際に子ども達が少なくなっている日本で、これから老人にはますますスポットが当たるだろう。
    「世界征服」にもっと夢を抱きたかったなぁ……。

  • 「小池百合子学歴詐称の真偽」と「アラブ文化の真実」【イスラーム法学者・中田考】 | BEST TiMESコラム
    https://www.kk-bestsellers.com/articles/-/549222/

    70歳からの世界征服 - 百万年書房
    http://millionyearsbookstore.com/works/70%e6%ad%b3%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae%e4%b8%96%e7%95%8c%e5%be%81%e6%9c%8d/

  • タイトルが良い。

    共著者の矢内東紀(えらいてんちょう)の著作が気になる。
    [しょぼい起業で生きていく | えらいてんちょう]
    (https://www.amazon.co.jp/dp/4781617336/)

  • 人は死に、今生に意味はない。老いを迎えるすべての人たちへーー身もふたもない人生の真実。 【出版社から】
    人生の意味に執着せず、老後を迎えるためのメソッド
    「『70歳からの世界征服』を読ませていただき、感動のあまり思わずお手紙を書かずにはおられませんでした。私は人生というものに、心のどこかでやはり「意味」を求めていたのかもしれません。現在70歳ですので、やがて来るであろう終焉を意識しながら結局何事も成しえなかったことを悔いねばならないのかなぁ、と思う日々を過ごしておりましたが、人生に意味なんかない‼️ ということをはっきりと断定される考え方に接し、いままで漠然と思っていた靄が晴れました。人が生きるなんてことは単にその人の自己満足にほかならない、という言い切りの潔さが本書の魅力です

  • 人生に価値など無いというのは同意する。
    それであれば、定年後に大学や大学院へ行って自己満足に浸るのも悪くないはず、仏門修行するのとの違いはそれ程無い。金銭欲や出世欲に支配されて死ぬまであくせく働くより幾分まし。
    定年後の方が経験もあり、良い研究ができるかもしれない。若い研究者に迷惑をかけるのが良くないので有れば、定年後の教授が定年後の生徒を指導すれば良い。

  • 長生きするのが良いと時代は終わった。老人から先に死んでいくのが生物にとって一番良いこと。これが基本だ。

  • 人々が賢くなり、欲望を抑えて、自分が持っている以上のものを欲しがらず、慎ましくせいれんに生きるようになっては、持っているものが粗末で時代遅れだと思わせて、次々と新しい無駄なものを売りつけることでしか立ち行かない資本主義社会は崩壊してしまう。

  • はいそうですか。

  • 長生きに価値なし(^.^)人はコロナじゃなくても死ぬ、無理に生き甲斐を持たない(^-^)/自由空間で何をしたいのかが大事\(^_^)/

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著者プロフィール

中田考(なかた・こう) イスラーム法学者。イブン・ハルドゥーン大学客員教授。著書に『イスラームの論理』『帝国の復興と啓蒙の未来』『13歳からの世界制服』『ハサン中田考のマンガでわかるイスラーム入門』『タリバン 復権の真実』『俺の妹がカリフなわけがない』『宗教地政学から読み解くロシア原論』など多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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