シン・ファイヤー

  • 百万年書房 (2024年7月1日発売)
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本 ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784910053516

作品紹介・あらすじ

『家事か地獄か』(稲垣えみ子)✖️『年収90万円で東京ハッピーライフ』(大原扁理)の最強タッグに学ぶ、シン(真/新)のFIREへの道--。

インフレだ、円安だ、老後不安だ、という「お金の心配」から自由になるための、誰にでもできる、たったひとつの冴えたやり方。

感想・レビュー・書評

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  • いつからか良く目にするようになった「FIRE」。目下、組織に所属しフルタイムで働く私は、早期リタイアに漠然と憧れている。そのため稲垣えみ子さん、大原扁理さんの暮らし方や生き方に関心があり、それぞれの著書をこれまでいくつか読んでみた。今回、そんなお二人の対談本が出ると知り、楽しみにしていた。

    通常の対談本より遥かに多い1回4時間以上の対談を3回、顔合わせを含めると16時間以上の対談の成果とのこと。世の中全体がお金=幸せとなってしまっていることに一石を投じ、実際二人ともその価値観から抜け出すことに成功しお金がなくても幸せに生きる術を身につけていた。二人とも声を揃えて大切なものとして挙げていたのが「家事」である点が印象的だった。自己責任は基本で、まず自分の面倒を見る(それが家事を丁寧にやること)。そして余裕が生まれたら、他人を含め周りの人たちに親切にしていく。そうすると面白いくらいうまく回っていくのだそうだ。年代も経験も境遇も大きく異なる二人が同じ考えに至っていることからも、おそらく真理なのだと思う。「情けは人のためならず」と言うが、お二人がそれを実践し満足している様子に触れ、閉塞感のある世の中も捨てたものじゃないなと思った。他方、お二人が実践し、たどり着いた「世の中の幸せが自分の幸せ」というスタンスは、簡単に得られるものではなく、確固たる自分軸を持つ人のみが到達できる場所なのだろうなとも感じた。いずれにせよ、家事を丁寧にすることや地域の人たちとのつながりを意識してみるといった小さく近いところから真似しても良いかもしれないと思った。

    日々ストレスにさらされながら長時間労働し、漠然とした不安に駆られてお金を貯め込むことと、お金はなくても必要な分だけ稼ぎ、心が豊かな暮らしを比べると私は後者の方にポテンシャルを感じてしまう。前者はどんなにお金が貯まったとしても際限なく欲が出るが、後者は感謝や余裕、足るを知ることにつながると思う。

    お金ではない豊かさが世の中には確実に存在し、こんな風な生き方もある、と改めて知れたことは大きな励みになった。

  • お金についての考え方が変わった。
    お金、あってもいいけどなくてもいい。
    そんな生き方ができればいいな。
    いくら貯めてもお金の心配はなくならない。
    幸せについても、お金や物をもっているから幸せとは限らない。
    自分さえ良ければいいという考え方も改めないといけない。
    足りないことばかりに目を向けがちだが、今持っているもので充分に足りている。
    自分でできることを増やし、他人の役に立つような事ができれば充実した毎日がおくれるだろう。

  • ▼感想
    稲垣さん、大原さんのトーク形式でおふたりの掛け合いを楽しく読ませていただきました。

    本書を読んで考え方に取り入れたいと思ったのは3つ
    (1)仕事とお金を切り離して考える
    (2)すでに満たされていると気づく
    (3)自分だけ豊かになるのがゴールではない

    巷のFIRE本で「節約・投資でお金を最速で貯め、仕事辞めて4%で暮らしましょう」に、邁進している方に別の観点を取り入れる意味でお勧めできる書籍かと思いました!


    ▼メモ
    ・結局、自分が豊かになったときに、自分が豊かなだけでは満足できなくなる。世の中のために何かをしたくなる人たちがたくさんいる

    ・私、幸せってほんわかしたものだと思うんです。でも、FIREはけっこうキリキリしていますよね。それはやっぱり達成前も達成してからも、お金という数字に支配されているからな気がする

    ・過剰な節約生活の人は、自分の力を信じていないんだと思う。経験上、自分を信じることが出来ると、社会も信じられるようになる。

    ・みんな、今、自立=会社に勤めてお金を稼ぐことだと思ってる。そうではなくて、自分で自分を幸せにできる力がある人が自立している人だと思う。そこを知らずにFIREに邁進していくのは無駄が多いって思うんです。

    ・広く言えば、仕事って他人と関わることでお互いに良い世界を作っていきましょうよ、っていう。だから、仕事とお金を切り離したときに、仕事は当たり前に人生の中で必要な事だと思うようになりました。

    ・結局、お金に縁がある人は欲が少ない人。足るを知る人。自分のことばかり考えない人

    ・他人に親切にできる心と、自己節制。健康に良い質素なご飯を適量食べて、ちゃんと掃除をして、清潔な衣類を着て暮らしましょう。それ以上に何の幸せが必要ですか?

    ・世界への信頼は、お金をひたすら貯め込まずとも自分はすでに満たされていると気づくことで、生まれる。つまり、そこにさえ気づけば誰でもその瞬間に経済的に自立出来て、FIREを達成できる

  • 競争社会、会社生活からリタイアしてどう生きるか…生活のサイズをダウンサイズし、社会への大きく、幅広く、薄くでもいいから還元していく意識を強く持ち働く、社会に人間に関わり続ける。読むべき時期に出会えて良かった本。

  • JobPicksの「定時までに帰れるラジオ」に著者の稲垣えみ子さんがゲスト出演されたことをきっかけに本書を知った。

    『年収90万円で東京ハッピーライフ』の著者である大原扁理さんとの対談であり、2人の主張は一貫して「お金という単一の評価軸しか持てないままでは、幸せなれない」ということ。

    お金以外にどんな評価軸があり、生活の中の営みをどのように捉え直すことができるのかを自分の中で考える機会にできた。

  • ●なぜ気になったか
    稲垣さんと大原さん、足るを知る生活に至る過程で参考にさせてもらった二人。会社を49歳で早期退職しフリーランスで11年働き、60歳を機に仕事を減らしほぼ隠居生活の今、二人のFIREに対する考えを知りたい

    ●読了感想
    やはりこの二人の考え方は受入れられる。FIREはあくまで手段、目的に応じたFIREのやり方があるのに巷のFIRE論はお金を貯めることばかり。余分なお金は自分を幸せにしてくれる人のために使えば確実に自分も幸せに、のチーム論に激しく同意

    #シン・ファイヤー
    #稲垣えみ子
    #大原扁理
    24/7/1出版
    https://amzn.to/4cDlA6N

  • 所持金0円になったとして、お金じゃない手段をあなたはどのくらい持っている?

    なんかおかしいと思ってる

    平日の仕事でのストレスのために、ストレス解消をすること。じゃあそもそものストレスがなければ解消することもないんじゃないのか。ストレス解消にお金をかけるために、ストレスを貯めながら仕事してお金をたくさん稼ごうとする。ええっと、どこから修正すればいいんだろうか。

    この本では「年収90万円でハッピーライフ」の大原扁理さんと、50歳にして大企業を退職し、冷蔵庫を捨て、ものすごくミニマムに暮らす稲垣えみ子さんの「お金」に対する考え方のこと。

    でも、そこから話が始まって、最終的には「幸せの追求」の話になっているところがいい。

    FIREという考え方があり、実行できてる人は羨ましいって漠然と思っていた。

    それには、たくさんお金を貯めて、投資して、その利益で暮らしていくんでしょ?というイメージ。

    この二人はそれに対して

    「結局それは、お金に縛られていることだ」

    という。ほんとだ。

    裏表紙にある一言

    「所持金0円になったとして、お金じゃない手段をあなたはどのくらい持っている?」

    なんだか、ハッとした

    生きていくためにできることって、たぶんたくさんあって

    料理もできる、掃除もできる、住処を整えることができる

    なんなら、防災サバイバルキャンプで野営のスキルだって身に着けた

    私、結構生きていけるんじゃないか?

    私は今、50歳

    稲垣さんが「魂の退社」をされた年齢と同じだ

    なんだか、これを読んで色々と考えさせられた

    新しい、真の「ファイヤー」とは?

  • 世間的にもてはやされてるようなカタチでなくてFIREされている2人の対談

    現代社会がお金という価値観を基準に運営されていることを改めて気付かせてくれる内容。
    それを手放すことによって人生が拓けていく様子が伺えて考えさせられる。

  • 稲垣えみ子さんと、大原扁理さんの対談本。生活費を下げて、規則正しく暮らす今が幸せ。お金がたくさんあれば幸せになれる訳ではない、と。稲垣さんの真似はできそうに無いけど、週2回バイトで楽しく暮らすことは出来そうな気がする!

    印象に残ったのは、心の介護、心が寝たきりという言葉です。

    稲垣えみ子さんの本は大体読んできたのですが、これから大原さんの本も読んでみたいと思いました。

  • 自分とのコミニュケーションが取れてないというか気づいてない人が多い。
    心の持ち出しを、みんなが少しずつやれば、住み良い世界になるはず。
    自分は既に十分満たされている。
    現代人は骨の髄まで成果主義。
    自分を信じることが出来ると、社会も信じられるようになる。
    今、自立=お金を稼ぐことだと思っている人が多いけど、自分で自分を幸せに出来る力がある人が自立している人だと思う。
    人生で肝心なのは、その人なりにハッピーに生きていく事。仕事は他人と関わることでお互いに良い世界を作っていきめしょうよ、ということ。
    いつか死ぬって大きな希望。
    永遠は今、ここにある。今が全て。
    みんなが良くなれば、自分も良くなる。
    人に親切にしよう。それがより良い世界を作っていく。

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著者プロフィール

1965年生まれ。元朝日新聞記者。原発事故後に始めた「超節電生活」や、50歳で会社を早期退職したことを機に、都内の築50年のワンルームマンションで、「夫なし、子なし、冷蔵庫なし、ガス契約なし」の楽しく閉じていく人生を模索中。著書に『魂の退社』『老後とピアノ』『家事か地獄か』など。

「2024年 『シン・ファイヤー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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