世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学 (NewsPicksパブリッシング)

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  • NewsPicksパブリッシング
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910063058

作品紹介・あらすじ

2020年最有望の若き哲学者、「希望」のデビュー作
一見当たり前に存在しているこの「世界」の成り立ちを、「贈与」や「言語」、「常識」の成り立ちを通して説き起こした鮮烈なデビュー作。人間の「こころ」の力動の機微をとらえる近内さんのセンスには肌の温かさと機械の精緻さがある。ウィトゲンシュタインと小松左京の本書を通しての出会いは思考世界における一つの「事件」。社会の見え方を一変させ、前向きに生きるために、この本を処方せよ!
―――茂木健一郎(脳科学者)

感想・レビュー・書評

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  • 交換と贈与という、2つのコミュニケーションの型を補助線に、世界を視る新しい眼をくれる本。読み進める程、なんてポジティブで優しい眼差しなんだろう、優しすぎだろうとすら思うけれど、ただそれこそ、贈与の仕組みを理解したからだ、という展開になっているところが秀逸。
    筆運びの根底に流れている知性や勉強への愛が心地よい。

  • 自分は生きている意味があるのか、迷子になっている人に是非読んで欲しい。

    存在しているだけで意味があることを、心の底から理解できる。これは、単なるギブ&テイク本ではない。
    そして、読んでる途中から、世界の見え方が一変する。大袈裟ではない。

    なるほど、で終わらない、その瞬間から生き方に効いてくる哲学書は初めてだ。

  • 親はなぜ孫の顔が見たいのか?

    そんなどこにでも

    ある問いから

    本書はスタートします.

    そして、贈与とは

    お金で買うことの出来ないもの

    およびその移動と

    定義されています.

    最初の問いに戻ると

    親は子供が生まれた時から

    世話をしたり、食費や教育などの

    経済的な負担もしたりします.

    また、その負担に対して

    普通の親は見返りを求めません.

    そして、その子供は

    ある時を境に

    親から与えたれていたものに

    気付き

    返礼しなければならない

    と普通は思うはずです.

    それが贈与という

    お金では買えないものです.

    ただ、親は常に

    ここに不安があります.

    自分の育て方(贈与)は

    正しかったのだろうか?

    という不安です.

    そして、その正しさを

    証明してくれるのが

    孫の存在なのです.

    自分の子供が孫に

    また愛を与える.

    そうすることで

    自分が行ってきたことは

    正しかったという認識が出来る.

    だから、親は孫を求めるようです.

    そういう論理からすると

    親が孫を溺愛するのも

    説明がつきます.

    例えば

    怖いお父さんが

    柔和なおじいちゃんになるのも

    その贈与の義務から

    開放された結果なのかも.

    一見、贈与なんて

    難しい言葉だなぁ

    と思うかもしれませんが

    自分の気付かないところに

    贈与が溢れていました.

    コロナの影響で

    当たり前な日常ではないからこそ

    当たり前を維持するための

    贈与に気付く.

    1つの物事に対して

    色々な見方をするために

    かなり役に立つ本です.

    https://amzn.to/3bKhoBE

  • 資本主義の社会において「お金では買えないもの」、すなわち贈与の正体を解き明かす本書。
    哲学書であるため難解な個所も多いが、贈与について多様な切り口で語っており、議論が展開していくというよりは”贈与”の周りをぐるぐる回り続けている印象。
    そのため、多少ついていけないところがあっても読み進めていけば、贈与について理解することができるようになっている。
    「贈与」という言葉が強力な新しい思考の武器となると確信できた一冊。

  • すごい本に出会ったと思わされたのだが、上手く説明できそうになくてもどかしい。
    必要だがお金で買えないもの及びその移動である「贈与」というものの正体を理解するために、資本主義や言葉を介したゲームルール。疑うことがそもそもできない世界像という常識の総体。世界像があることで浮き彫りになるアノマリー
    。アノマリーに気づくための装置としてのSF。散々一見関係の無さそうな知識体系を一通り巡ってきた後に再び戻ってくる贈与とはなにか?という論理展開が、ある種のドラマチックさを持っていて終盤は読みながらconecting dots感をひしひし感じた。

    贈与を受け取る人の存在自体が、差出人に生命力を与えるというところに、日常に潜む喜びや、親と子を始め家族や愛する人との間にある無形の価値、社会性によって進歩してきた人類の根源的な動力源を見いだせる。

    ところどころ著者の思考スピードに追いつけないところもあって咀嚼するのにもう何度か読み返したり考えを深めないと真の意味でメッセージを受け取れないし、受け取り誰かに伝えることでメッセンジャーたらんとしている自分に気づき、そこでまた理解が深まる。

    本の装丁も、主旨を上手く表現していて良い。

  • 著者が何のためにこの本を発行したのか。
    読者に何を期待しているのか。
    という指針がよくわからないまま読んでしまったため、のめり込むことが出来なかった。
    内容は決して浅いわけではなく、考えさせられる点へ多かった。

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著者プロフィール

1985年神奈川県生まれ。教育者。哲学研究者。
慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業、日本大学文学研究科修士課程修了。専門はウィトゲンシュタイン哲学。リベラルアーツを主軸にした総合型学習塾「知窓学舎」講師。教養と哲学を教育の現場から立ち上げ、学問分野を越境する「知のマッシュアップ」を実践している。本書がデビュー著作となる。

「2020年 『世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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