みんな知ってる、みんな知らない

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910207032

作品紹介・あらすじ

1995年6月4日、奇しくも同じ日に起こった“事件”により、9歳の二人の少女は49日間、一人きりでの軟禁を余儀なくされた。奇跡的に生還を果たして20年後、封印してきた記憶を二人が徐々に取り戻すとき、再び事態が動き出す! 韓国人女性作家の新星による、スリルに満ちたサスペンスの傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 9歳の2人の幼い女の子の身に起こった2つの事件。苦しく恐ろしい事件だったが、事件後、子供たちから事件の記憶は消えていた。大人になってから記憶が戻り、事件と向き合っていく。

    子供の頃に受けた苦しみは、時間が経過してもトラウマとして自分の身に付き纏うものだろう。実際にこのように事件に巻き込まれ、苦しんでいる人たちがいると思うと胸が痛んだ。

  • 韓国人女性作家によるサイコサスペンス。

    根底にあるテーマは再生だが猟奇的な展開がスリリングで常に緊張感を伴い背筋が寒くなる。

    1995年6月4日、別々の場所で起きた二件の軟禁事件。
    被害者は同じ小学校に通う9歳の少女、チョン・ヨヌとユシン。

    無事に生還した二人だったが軟禁中の記憶を失ってしまう。

    ヨヌの軟禁シーンは息苦しさを覚えサイコパスな誘拐犯に震える。

    封印していた辛い記憶が蘇り、明らかになって行く真実から目が離せない。
    合間に挟まれる挿絵も不気味で恐怖が倍増する。

    この物語を面白いと言うと語弊はあるが十分楽しめた。

  • 目を覚ましたヨヌはお母さんにトイレに行きたいと言ったのに、お母さんは許してくれない。お父さんがヨヌをおんぶした。いつもはこんな事をしてくれないのに。一歩外に出たら、マンションの玄関前に人々が長蛇の列を作っていた。カメラのフラッシュがたかれ、思わずヨヌはお父さんの背中でおしっこを漏らしてしまった。人生で最大の恥だ。それから、救急車で病院に送られ、多くの人から色々と聞かれたが、ヨヌは何も覚えていなかった。囚われていた四十九日間の出来事を…。世間の人は、犯人から送られてきた音声テープや写真でヨヌの様子を知っていたというのに…。もう一人、誰も知らないが、ユシン自身も心に閉ざしてしまった出来事が起きていた…。同じころに同じ九歳の女の子に起きた出来事。二十年後、二人が記憶を徐々に取り戻すと、事態がまた動き出す。

  • 1995年6月4日、9歳の二人の少女は49日間の軟禁を余儀なくされた。
    一人はチョン・ヨヌ。
    記憶を失った彼女にとって、
    自分だけが事件の詳細を知らないというのは恐怖だった。
    もう一人はユシン。
    自身を守るため意図的に消した記憶。
    それぞれの事件の様相が淡々と描かれていく。

    皮肉なことに年月が経てば忘れ去られてしまう。
    それがいいことなのか。
    タイトルの
    「みんな知ってる、みんな知らない」がしっくりくる。

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著者プロフィール

1983年生まれ。韓国の名門国立大学、慶北大学校で国語国文学を専攻。卒業後、アニメーションや映画の脚本家として頭角を現した。子供向け絵本作品でキャリアを積んで評価を得て、作品は中国や台湾、フランスで翻訳出版されている。現在はチェコ共和国の首都プラハで、大人向けのミステリーを中心に作家活動に取り組んでいる。『切った爪』『おやすみ、ココ』といった絵本の他、写真小説『骨』といった作品がある。

「2021年 『みんな知ってる、みんな知らない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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