息子のボーイフレンド

著者 :
  • U-NEXT
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本棚登録 : 845
感想 : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910207117

作品紹介・あらすじ

専業主婦の杉山莉緒(りお)(40)は、高校2年生の一人息子・聖将(きよまさ)からのカミングアウトをファミレスで聞き、衝撃を受けた。交際相手を自宅のランチに招いたところ、20歳で一流大学2年生の藤本雄(ゆう)哉(や)は非の打ち所がない好青年。母親を早くに亡くし、家事は勿論、祖母の介護までしている苦学生で、何より聖将に勝るとも劣らないイケメンだった。ひとまず二人の交際を認めた莉緒だったが、夫・稲男(いねお)(45)にはなかなか切り出せない……。聖将&雄哉、二人のひと夏の恋の行方やいかに? ほんのりあったかいホームコメディー!

感想・レビュー・書評

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  • なかなか面白かった一冊。
    近年、LGBTとか言われて、昔に比べ理解は深まっていると思うが、実際に家族がゲイやレズだと打ち明けられると、誰しも困惑するのは普通のことなんよね。。。
    他人事だから、擁護もできるし活動もできる。
    本人たちも、葛藤と迷いの中ですごく生きづらく日々を過ごしているということを知れた。
    雄哉がすごくいい子で、惚れてまうやろ〜と思ってしまった笑笑
    雄哉の人柄の良さが、きっとキヨの家族にも伝わったんだろうな〜♪
    最後はハッピーエンド〜♪

  • この登場人物たちのようなアウティングに気をつけましょう、と最後に付け加えてもいい気が…これほど簡単に他人に話すものだろうか。

  • ジェンダーについて、明るく軽やかな雰囲気で描かれていてとても読みやすかったです。
    人間らしい母親の人柄もとても好印象。
    自分の当たり前が普通ではないし、自分の身近な人が当事者であっても、日陰に追い込まないよう 受け入れたいな。

  • なかなかファンキーな登場人物たちのお陰でクスクス笑って楽しめるコメディでありつつも、カミングアウトした側された側の心情をリアルに描いている。
    誰ひとりお手本や正解のような行動は出来ていないかもしれない。でもそれも含めて「受け入れる」ってことなのかもしれないなって改めて思う。ただ愛し合ってるだけなのに、差別されたり蔑まれたりして、それを恐れて存在を消して生きるなんて、例えそれが多数派にとって都合が良くても正しい訳がない。この作品はフィクションだから、言ってしまえば所詮都合の良い話でファンタジー。それだけかもしれない。でもそんなお話をひとつふたつと現実にしていけたらいいなと思っている。

  • こんな上手くいかないんだろうなーと思いながら、どストレートの人間なので楽しく読ませていただきました。創作だからこそのハッピーエンド。こんなふうにみんなが多様性を受け入れてみんなが幸せになれればいいよねー

  • 何気なく選んでみて聞いたんだけど面白かったな。軽い感じの文体なのでアニメを見ているような感じで終わったかな。

    親ならカミングアウトも許して一緒に歩んでいきたいよなぁ。私は同性愛のひとには抵抗ないけどな。

  • LGBTQのGの方のお話。
    なんて言っちゃうと
    かしこまっちゃうけど、
    高校生と大学生なので
    性別が同じだけで
    男女と変わらない恋愛をする2人。

    でもこの性別が同じだけってところに
    本人たちはもちろん、両親を始めとした周囲の人々は
    苦しみ、悩み抜き、色々な壁を乗り越えていく。

    タイトル通り、親目線ってところが良かった。
    自分だったらって
    少しだけ考えさせられた。
    なんか勝手に
    自分の子は結婚して、家庭を作って
    そのうち孫が産まれて…なんて想像している親って
    多いんだろうな。

    だって親は
    自分は結婚して
    子どもを産んでいるわけで
    それ以外の人生は知らないわけで。
    って考えると
    それが親にとっての「当たり前」なんだよなって。

    でも
    ここに出てくる人たち
    最終的にみんな暖かい。
    それが良かった。

    「日陰に追いやっているのは…」っていうところに納得。
    こういう方々が生きづらいと感じるならば
    周りの人々が生きづらくさせてしまっているのかもしれない。

    綺麗事だけど
    どんな人たちも生きやすい世の中に
    できたらいいよね。

    とても読みやすくてわかりやすい小説でした。
    生徒にも読ませたいなぁ。

  • Audibleにて
    題名の通り息子のボーイフレンドの話。
    会話調ですごく聴きやすかった。
    BLに対しては偏見がないつもりでいた。
    でも、主人公のお父さんと同じ。
    我がことになってしまうと、きっと同じような対応をしてしまうかもしれない。

    気付き
    主人公が最後にいった言葉。
    ずっと日陰と思ってたら、木陰だった
    本人たちだって、堂々としていたい。こそこそなんていたくない。
    でも、認めてくれる世の中ではないのだ。
    区別されているのに、本人も周りもわかってる。
    それでも、家族や友人は寄り添って欲しい。

    todo
    SDGsの目標:5
    ジェンダー平等を実現しようと言われているのにまだまだ差別がある。
    せめて正しく理解しよう。たくさんの人たちが苦しんでいる。寄り添える人になりたい。

  • 初めましての秋吉さん。LGBTがテーマの作品。
    母、息子、母の友人、父、息子の恋人、と5人の視点で順に描かれています。
    息子にカミングアウトされた母親から始まり、それぞれの置かれた状況や戸惑い・葛藤や苦悩が描かれていますが、軽快な文章で読みやすく一気読み!

    「他人事だから理解を示せる」という、父の言葉は一理あるなと思う。
    “こうで在りたい”と思っていても、実際に当事者になってみないとわからない。
    でも、やっぱり一番に強く願うのは子どもの幸せ。
    打ち明けてくれるまでどれだけ一人で悩んだかと思うと、心が痛い…。
    戸惑いながらも子どもを理解しよう、笑顔を守ろうとする両親には好感がもてた。

    あと、母親の友人の優子さんが好きでした。
    戸惑う母親にとっても、一大決心で打ち明けた息子にとっても心強い存在。
    思わず声を出して笑ってしまう場面もあり、ほわっと心温まる家族の物語&息子の恋物語。
    おもしろかったです。

  • ある主婦が息子からカミングアウトされ、ボーイフレンドを紹介される。自分も同世代の子供を持つだけに考えさせられました。読み終えたあとは意外にも清々しいような気持ちになれました。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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