- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784910207117
作品紹介・あらすじ
専業主婦の杉山莉緒(りお)(40)は、高校2年生の一人息子・聖将(きよまさ)からのカミングアウトをファミレスで聞き、衝撃を受けた。交際相手を自宅のランチに招いたところ、20歳で一流大学2年生の藤本雄(ゆう)哉(や)は非の打ち所がない好青年。母親を早くに亡くし、家事は勿論、祖母の介護までしている苦学生で、何より聖将に勝るとも劣らないイケメンだった。ひとまず二人の交際を認めた莉緒だったが、夫・稲男(いねお)(45)にはなかなか切り出せない……。聖将&雄哉、二人のひと夏の恋の行方やいかに? ほんのりあったかいホームコメディー!
感想・レビュー・書評
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なかなか面白かった一冊。
近年、LGBTとか言われて、昔に比べ理解は深まっていると思うが、実際に家族がゲイやレズだと打ち明けられると、誰しも困惑するのは普通のことなんよね。。。
他人事だから、擁護もできるし活動もできる。
本人たちも、葛藤と迷いの中ですごく生きづらく日々を過ごしているということを知れた。
雄哉がすごくいい子で、惚れてまうやろ〜と思ってしまった笑笑
雄哉の人柄の良さが、きっとキヨの家族にも伝わったんだろうな〜♪
最後はハッピーエンド〜♪ -
世に認められてきたLGBT。けれども他人事と自分事は違う。
息子が同性愛者で、彼氏もいるということを打ち明けられた莉緒。思わず拒絶反応を示してしまうが、親友の優美からの叱咤を受け、息子と彼氏の関係を苦しみながらも受け入れていく。
章ごとに、莉緒、息子の聖将(きよまさ)、優美、夫(稲男)、息子の彼氏(雄哉)の視点で物語が進んでいく。
同性愛者をとりまく家族たちの感情がシビアに描かれていて、でも酔っ払いのテンションでユーモラスに描かれる場面もあり、あっという間に楽しんで読めた。
最後の「幸福の黄色いハンカチ」をモチーフにした演出には感動。
聖将くんがとても素直で健気な子で、この親あってこの子あり、だなとしみじみ感じた。
綺麗事じゃないLBGTのリアルを垣間見ることができた一冊。 -
この登場人物たちのようなアウティングに気をつけましょう、と最後に付け加えてもいい気が…これほど簡単に他人に話すものだろうか。
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文体や流れはこの作家さんらしく軽妙だけれど、内容はしっかりと考えないと我がこととして捉えられない。総論と各論。自分と他人事。100:0の解決はどこにもないが、一旦受け入れるという受容性が大切な世の中になったと痛感しますw
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ある主婦が息子からカミングアウトされ、ボーイフレンドを紹介される。自分も同世代の子供を持つだけに考えさせられました。読み終えたあとは意外にも清々しいような気持ちになれました。
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ジェンダーについて、明るく軽やかな雰囲気で描かれていてとても読みやすかったです。
人間らしい母親の人柄もとても好印象。
自分の当たり前が普通ではないし、自分の身近な人が当事者であっても、日陰に追い込まないよう 受け入れたいな。 -
なかなかファンキーな登場人物たちのお陰でクスクス笑って楽しめるコメディでありつつも、カミングアウトした側された側の心情をリアルに描いている。
誰ひとりお手本や正解のような行動は出来ていないかもしれない。でもそれも含めて「受け入れる」ってことなのかもしれないなって改めて思う。ただ愛し合ってるだけなのに、差別されたり蔑まれたりして、それを恐れて存在を消して生きるなんて、例えそれが多数派にとって都合が良くても正しい訳がない。この作品はフィクションだから、言ってしまえば所詮都合の良い話でファンタジー。それだけかもしれない。でもそんなお話をひとつふたつと現実にしていけたらいいなと思っている。 -
こんな上手くいかないんだろうなーと思いながら、どストレートの人間なので楽しく読ませていただきました。創作だからこそのハッピーエンド。こんなふうにみんなが多様性を受け入れてみんなが幸せになれればいいよねー