たそがれ (新しい韓国の文学 22)

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感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910214221

作品紹介・あらすじ

「わたしたちはいったい何を間違えてしまったのでしょう」
取り返しのつかない過去を思いつつ、さまよう人々の叫びと祈りの物語

1960年代以降、大学進学によって貧しさから脱け出し、軍事政権による開発経済の恩恵を受け、建築家として成功した初老の男性。
急速な発展の結果として拡大した現在の格差の中で、多くをあきらめながら苦しい生活を送る劇作家の若き女性。
持てる者が失わなければならなかったものは何か。
持たざる者がなお手放さないものは何か――。
韓国文学を代表する作家が、現代社会に生きる人間の魂の痛みを静かに描き出す。

ブッカー国際賞の候補作にも選ばれた、
韓国文学を代表する作家 黄晳暎による中編小説 

感想・レビュー・書評

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  • 建築家のパク・ミヌは、講演会が終わった時に、若い女性からメモを渡された。「先生の古くからのお知り合いだと…必ずお電話してほしいとおっしゃっていました。」そのメモには、チャ・スナという名前と電話番号が書かれていた。数十年前の貧しいサンドンネ(산동네 山の町)で暮らしていた記憶が…。サンドンネを抜け出して大学に入り、そして建築家になり成功したパク・ミヌの人生と。芸術大学の演劇科を卒業して、演劇では食べていけないので、数十の履歴書を出して落ち続け、ようやく零細な出版社に入り、苦しい格差生活の中でもがく若い劇作家であるチョン・ウヒの人生が交差する。

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著者プロフィール

【著者:黄晳暎】 
高校在学中に『思想界』新人文学賞を受賞。
短編小説「塔」が1970年朝鮮日報新春文芸に当選し、本格的な作家活動をはじめた。
世界各地で多くの作品が翻訳、出版されており
日本ではこれまでに『懐かしの庭』(2002年)、『客人』(2004)、
『パリデギ─ 脱北少女の物語』(2008年、以上岩波書店)、
『モレ村の子どもたち』(2019年、新幹社)『囚人 黄晳暎自伝』(2020年、明石書店)などが刊行されている。

「2021年 『たそがれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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