詩人キム・ソヨン 一文字の辞典

制作 : 姜信子 
  • CUON
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本棚登録 : 118
感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910214252

作品紹介・あらすじ

人は誰も自分だけの人生という言葉の辞典を持つ

詩人キム・ソヨンがハングル一文字の言葉を通して
人生のさまざまな時間、情景、感情を描いた
私的で詩的な一文字の辞典

「読んだ人がニヤッと笑ってくれたら嬉しいなと思っていた。うなずきながらページの余白に自分なりのまた別のニュアンスを書き込んでくれたらいいなとも思っていた。そうして私が書き記した定義と︑読者の手書きの定義が同じページに一緒に並んでいたら素敵だなと思っていた。
 つまり、私の『一文字辞典』は読者が参加することによってはじめて完全な辞典となる。私と未知のあなた、私たち二人でこの本を完成させるのだ」
――「はじめに―日本の読者に向けて」より

感想・レビュー・書評

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  • エッセイ『心の辞書』(キム・ソヨン著) – K-BOOK振興会
    http://k-book.org/yomitai/201801002/

    詩人キム・ソヨン 一文字の辞典 | CUON | 韓国語圏の知を日本語圏でも
    http://www.cuon.jp/info/1647

  • 不思議な本でした。

    サバサバとした気持ち良い文章の間に、ふわっとした優しさが見えますが、引用する詩や文章はとても重厚。

    でも、ハングルに魅せられた女性たちが8人、心と知性を寄せあってこの本を楽しそうに翻訳された姿を思うと、ますます楽しくなって読みました。
    私もハングルをやっと読めるようになったところなので。

    これは付箋片手に読むのが一番正しい読み方でしょう?

    「初めての赤」
    という、文章、エッセイ?が好きでした。近所の花屋さんで、店主に勧められ買ってしまったゼラニウムの赤い花。友情を持って夏を過ごしたのに、ある日仕事で家を15日間も空けてしまい、夏を共にしたゼラニウムを枯らしてしまう。最後のひとつの花を発見したが。。

    _手を添えて触れるやいなや、はらはらと散った。そえして儚くゼログラムの重さで花びらは下に落ちていく。それをそおっと一枚ずつ拾い、白い紙に包んで部屋に持っていった。その紙の上に一枚一枚並べておいた。死んでもなお、ゼラニウムは綺麗だった_

    ゼログラムの花びらと戯れながら葬儀をしたこの後のシーンが映画のように映ってきて、この人好きだなと思いながら、この本を最後まで楽しく読めたのです。

    フェミニズム文学と言えると思います。
    でも、私の好きな男性たちが、この本を絶賛しているのがまた不思議であり、とても嬉しい。

  • 韓国語を勉強しているのと、詩が好きなので。
    ある言葉を、自分の言葉で定義していくのはすごく楽しそうだなと思った。

  • 一文字の辞典とは?図書館の新着書の棚にあったので思わず手に取ってみた。キム・ソヨンさん、韓国の人だ。中を開けると一文字のハングルが沢山出てきた。知っている言葉もあるけど、ほとんどは知らない。そして、その字に添えられた文章や詩。面白かった。韓国では詩がよく読まれていると聞く。そんな詩の一部を読んだような気になった。재미있었어요.

  • 文学ラジオ空飛び猫たち第78回紹介本
    https://open.spotify.com/episode/4nTEPLbd5I1RRxWehj0pNE?si=7f1c71bf3dc24a02
    詩人の感覚が冴え渡る名作。 今回日本翻訳大賞の最終候補でなかったら絶対読まなかったと思う。こんなにも素晴らしい作品に出会えて、嬉しい。 言葉が好きな人は響くものが多いと思うので是非とも読んで欲しい!!

    読んでると気持ちよくなって、こんなに楽しい本だとは思わなかった。ときおり挿まれる詩に心が動かされたり、皮肉があったり、感情が動かされる。自分のための辞典に思えてくる。 読むと、人にすすめたくなる。言葉にこだわりがあったり、文章を書いてる人にはとくにおすすめしたい。

  • 日本翻訳大賞受賞きっかけで。

    普段あまり詩を読むこともなく、ましてやハングルについては全く知らないのだが読んでみた。

    途中からは、指で『一文字』を隠して先に文章を読み、その言葉を想像してみたりしながら楽しく読んだ。

    鋭い風刺にクスリと笑ったり、はっとしたり、言語を超えて共感することばかりだった。
    訳注にたくさん出てきた詩人たちへも興味の広がる、出会い多き一冊。

  • 詩人キム・ソヨンがハングル一文字の言葉を通してエッセイや詩を辞典のように網羅した作品。言葉に対する距離感と説得力が絶妙。決してメインストリームには位置しない内容だが、企画含めて良い作品。

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著者プロフィール

キム・ソヨン 김서영
「京郷新聞」記者。生き残ったのではなく、生きることを望んだ女性。(潜在的)フェミニストの頼もしい友軍になりたい人。

「2022年 『いいから、あなたの話をしなよ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

キム・ソヨンの作品

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