ハヨンガ: ハーイ、おこづかいデートしない? (ajuma books)
- アジュマ (2021年6月5日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784910276007
作品紹介・あらすじ
映画化版権契約完了! 誰であれ、私の体を私の許しもなく見た者はただじゃおかない! 元祖「n番部屋」といわれた17年間つづいた韓国最大アダルトサイトを爆破したフェミニストたちの勝利を題材にしたドキュメンタリー小説。実在するもっともわきまえない野蛮なオンラインフェミニスト集団「メガリア」VS韓国最大アダルトサイト「ソラネット」。実際にあったこの戦いは韓国の世論を巻き込み国を動かしていった。デジタル性暴力を社会問題にした韓国フェミニズムはどう闘ったのか!
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
泣きながら読んでしまった。私たちは一体いつまでこんな恐怖に怯えながら生きていかなくてはならないんだろう。
-
フィクションだと思っていたらドキュメンタリー小説だったんだ。デジタル性暴力の温床「ソラネット」を撲滅した韓国女性たちの戦いを描いたものだった。解説で初めて知ってショックを受けたのは、韓国にAV産業はないということだった。だから韓国で通報したらそれは日本のAVだったりするらしい。とても複雑な気分だ。日本軍のアジアでの性暴力を減らすために慰安婦を設けたことと通じるものを感じる。官製でないだけ救われるのだけれど。
-
売春女のドキュメンタリーだと勘違いして手にした本だった。あまりの衝撃的な内容でしかも実話をもとにして書いた本と知り二度衝撃を受けた。
韓国人の癇癪持ちは有名な話で、登場する人物の感情の激しさや言葉遣いにやきもきしていたが、内容がそれを凌駕しているので途中で気にならなくなる。
内容にも驚くが、それ以上に韓国人の進学、就職に対する向上心には感心する。日本人見てるとほんと平和ボケ過ぎて呆れるくらいだ。サッカーW杯見るために退職するやつとか舐めてんの?って言いたくなる。
男尊女卑の傾向は韓国だけでなく、いまだ日本でも根強く残っているし、アダルトサイトへのリベンジポルノも日常だ。読んでいると男であっても男死ねよって思いたくなる。まぁAVのタイトル見てるといかに男性がそっち方面好きかも露呈しているわけで、まさに獣としか言いようがない。日本でも大学生が後輩に酒を飲ませて集団レイプとかも明るみになっていないだけでいくらでもあると思うし、性犯罪者は年々増えている。デジタルカメラ=スマホが性犯罪を助長しているといっていいくらいで誰か起訴すりゃいいのにとさえ思ってる。女性に明るい社会をと願わずにいられない。
実在するメガリアの有志に喝采を! -
途中から読むのが辛く、苦しくなってきだが、目を背けてはいけない問題だと思った。
-
フラッシュバックの可能性があります
それくらいリアル、そうだよね、これ現実だもん -
韓国で起こった実際の事件が題材で犯罪は本当に許し難く、悪質で恐ろしくなりました。しかしそれにネット上でも果敢に立ち向かって行く様子がスリリングに描かれていました。ネット上の犯罪がエスカレートしてゆくのに警察が対応が出来ず徐々に女性達が連対し自警団的に動き出さなければならない程被害が深刻だったのでしょう、そして後に法整備まで至るけれどそれでも未だネット上に拡がる誹謗中傷や差別、ヘイトが後を立たない。加害者を擁護する気は毛頭ないが、それもこれも抑圧され社会が押し付ける役割から弾かれまいとそういう気持ちが結局弱い立場のものに向かってしまう構図なのだろうか...
-
韓国で起こった性犯罪にを題材にした小説。実際に起きた事件をそのまま小説にしたらしい。女性たちがみんなで力を合わせて男たちに立ち向かい、犯罪的なポルノサイトを閉鎖に追い詰めるという物語だが、男性と女性で受け取り方がだいぶ違いそうな小説にも見えた。
-
4.37/110
『これは、フェミニストの勝利の記録。
ハヨンガは、実在した韓国最大のポルノサイト「ソラネット」を、「爆破」した女性たちの物語です。「フェミニズムドキュメンタリー」という分野で、事実をベースに、実際に闘った女性たちへの取材をもとに描かれました。
オンライン上での性暴力、性暴力表現を取り締まる法律が一切なく、「表現」として、また「男性のお遊び」として長年放置されてきたソラネットが、構造的な性暴力であることを告発して、オンライン上で闘った名も無い若いフェミニスト・アクティビストたちの闘いです。
2020年、韓国社会を揺るがした「n番部屋」事件は、このソラネットの「模倣犯」とも言われていました。潰しても潰しても、また生まれてくるネット上での性犯罪に正面から向き合う韓国の運動、その背景にある韓国フェミニズムの空気がここにあります。
作者は、90年代に二〇代の女性たちが中心となって発行した韓国フェミニズム雑誌「if」の元編集長のチョン・ミギョンさんです。実際にソラネットをみたときの怒りが本書を記すきっかけになっています。韓国フェミニストの底力とシスターフッドの強い思いを感じられる本。しかも「勝利の記録」です。』(「アジュマ ブックス」サイトより)
冒頭
『風のない十月の、週末の夜だった。首都圏の新都市・チョルジュ最大の繁華街にふさわしく、ムホ駅交差点はありとあらゆるもので溢れかえっていた。』
『ハヨンガ: ハーイ、おこづかいデートしない?』
著者:チョン・ミギョン
訳者:大島 史子
監修:李 美淑
解説:北原 みのり
出版社 : アジュマ
単行本 : 384ページ
発売日 : 2021/6/5