- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784910422022
作品紹介・あらすじ
2020年4月の緊急事態宣言以降、ソーシャルディスタンスが当たり前になっていく人々の様子、街の様子を、丁寧に、静かに描き続けた今日マチ子さん。頑張る人にそっと寄り添うような視点で描かれた一冊です。
漫画家・今日マチ子さんの想いが詰まった1年間の日記のような作品集。
感想・レビュー・書評
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今日マチ子の作品集「Distance わたしの#stayhome日記」発売、記念イベントも - コミックナタリー
https://natalie.mu/comic/news/428334
Distance わたしの#stayhome日記 今日マチ子(著) - rn press | 版元ドットコム
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784910422022詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020年以降、コロナ禍の日本の日常をイラストとコメントで描く。誰もが目にして経験した日常が、優しいタッチと淡い色合いで表現されることで、困難で苦痛だった日々を和らげてくれる。
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毎日、1.2時間の作画とかで
こんな含みを持った良い絵が描けるのすごいなぁ。
ゆっくり一枚ずつ、
眺めていたいような作品でした。
ありがとうございました。 -
あの頃の特殊な空気が段々過去になり忘れていってしまう気がしたので、どこかに残しておきたいと思い購入。
あったなぁ、わかるなぁと、自分のことのように絵と文を読む。
その時期の状況も載っていることで、よりリアルに思い出される。
あとがきが至高。 -
物語があるイラストで、
日常の風景、それら、全て美しく感じた。
コロナが終息することを祈って、またこの本を手に取った時、この日常を思い出すことができるのだと思った。コロナに負けず頑張る、のではなく、
やれることだけ尽くしたい!明るい未来があるということを信じて。 -
『必要とされていない。そう考え始めると、悪い方向に転がり落ちていく。運動のために、毎朝散歩をした。線路脇のツクシがスギナに変わっていったり、日に日にタンポポの茎が伸びていった。そんなものばかり見ていた。綿毛が飛んでいく。ふっと、そうだ、今のじぶんは最高に自由なんじゃないか、と思い始めた』
十年以上前になるけれど、何故か巡回(これって既に死語かしら?)している連載やブログが、カタカナの入っている作家ばかりだったことがあった。既にリンクが切れてしまっている古いブックマークには、寺田マユミの「His Daily Life」とか、オカヤイヅミの「すきまめし」とか。その中に今日マチ子の「センネン画報」もある。こちらは更新こそないものの過去のブログ記事も含めて全てに未だアクセス可能で時々眺めてみたりすることもある。
一般的にネット上の表現の場はブログからソーシャルネットワーキングサービスへ移行した感があるけれど、その新たな場で作品そのものを淡々と投稿するスタイルの表現者の裾野が広がったのとは裏腹に、いわゆるプロフェッショナルな人々は作品そのものの発表するやり方から、エッセイ風の言葉を発信する方向に変化している傾向があるように思う。そんな中、今日マチ子が淡々と上げ続けるイラストの投稿の本質は、場の呼び名が変わっても大きく変わってはいない気がする。この「Distance」として単行本にまとめられた作品たちには、「センネン画報」に繋がる表現者の「シンネン」のようなものが存在するとさえ思うのだが、それは「発信する」ことに対する作家の拘り、そこにこそ今日マチ子の業(カルマ)があるからなのかも知れない。。
毎日一頁マンガを描く、と宣言して始まった「センネン画報」は、宣言通り描かずにはいられないという気持ちが先行した作品だとも言える。もっとも作品のスタイルの変動幅は大きい。ただし一つ言えるのは、回を重ねるにつれ、如何にもマンガというスタイルの作品から、徐々にエッセイ風の内容にシフトしていく、ということ。画風も時に抽象的になり、時には少女漫画風になりはするが、作品はより内面的なものに焦点が当たったようなスタイルに移ってゆく。その中で生まれた幾つかのヒントは、「いちご戦争」ではより抽象的な表現へ、「みかこさん」では青春期の物語へと発展していったと、かつてのフォロワーとしては思うのだが、そんな風に個々に分化する前の「センネン画報」の芯に近いもの、ある意味もやもやとした内面を映し出したものが、#StayHomeとタグ付けられた本書の作品群と位置付けられるように思う。
高橋源一郎による解説めいたリーフレットは、伴走者的立場の理解者というより、展覧会で作品を鑑賞する批評家といった視線で綴られているけれど、これらの作品を自身のかつての(やさぐれた)日常を記した作品と対比して、やや刹那的な心象風景の日記と捉えているのは流石だなと思う。というのも、ここには失われてしまう刹那に対する思いはあるものの、意図を持って残そうとする意志はないようにも思えるから。だが、その刹那に対する共感を、喚起する才が今日マチ子にはある。
日々更新される作品では、短いキャプション以外に作家の心情を窺う情報はなかったが、本書ではその作品の背景をもう少しだけ知ることができる言葉が添えられていて、意外な事実を見い出したりもする。そして切り取られた時には気付かなかった想いが、後になって意味を持っていることを改めて発見するという経験に繋がる。閉塞感の中で多くの人が感じる苦しさを、全面的に解放するような作品ではないが、互いに孤独だけれど並走している人の存在を知るだけで、少しだけ楽になることができるような本だと思う。作家自身の健康を祈って止まない。 -
今日マチ子さんによる、2020年4月から1年間のイラスト日記。
緊急事態宣言に心がぐらぐらしたり、ちょっとしたことで心を保ったり、新型コロナ禍渦中の情景を虚実織り交ぜて写し取ったイラスト。大まかな時事のタイムラインも月毎に載っているので、自分自身の新型コロナ禍よりも前の記憶も重ねながら深く読んだ。
2021年5月16日、第三十二回文学フリマ東京にて購入。栞、ポストカードのオマケもいただいた。今日マチ子さんのイラストはツイッターではよく見かけていたけど、著書を手に取るのは、実は初めて。 -
緊急事態宣言明けに再読。
あのステイホームの感覚を忘れたくない。
人と人との距離感を物理感覚で味わった日々。
今思うと、あの隔たった距離の間に天使が舞い降りていたかも。
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毎日目に見えないものと戦ってこの怒りを誰にぶつけることもできなくてそれでも生きていかないといけなくて。今も毎日が精一杯でもう過去に置いていった記憶だったけど、ページとともにあの時の1日、1日を思い返す度、さみしくて、不安で、だからこそ今まで当たり前だったことに愛おしさを感じた日もあったって思い出せた。
今日マチ子さんの描く空が、きっとあの日の私もこの空の下でちゃんと生きてたんだって証明できる気がして押し潰されそうなとき、またこの絵に会いに行こうと思った。 -
色々な事を思い出しながらページをめくりました。
著者プロフィール
今日マチ子の作品






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