あなたの繊細さが愛おしい: マリリン・モンローという生き方 再生版

著者 :
  • ブルーモーメント
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910426006

作品紹介・あらすじ

「あんなに美しく魅力的なのに、劣等感でいっぱいで、とても繊細なマリリン。 私は、彼女が「生きにくい」と嘆きながらも、どんなに絶望しようとも、諦めることなく、真摯に生きた、その姿に惹かれる。 そして、そのまなざしでマリリンを見つめたとき、たまらなく愛おしいと思う。」(序 章より)


五百年に一人、と言われる奇跡の女優。三十六年という短い人生。その最期はミステリ アスで悲劇的でしたが、彼女はまちがいなく「大成功した女優」であり「超魅力的なセッ クスシンボル」であり続けています。

けれど彼女は劣等感のかたまりで、とてもとても繊細な人でした。そんな彼女が、すば らしい人間になるために、どんなことを考え、どんなことをしてきたのか。そんなマリリ ンの生き方が本書には描かれていて、「とても繊細であることは才能(ギフト)のひとつ」なのだと思えます。

2012年に出版された「マリリン・モンローという生き方」の再生版。本文、装丁、写 真、すべてがさらに美しくなって蘇りました。 たくさんの劣等感をかかえている人、とても繊細な人、「生きにくい」と嘆いている人、 真の「女性」性(フェミ二ティ)を見たい人、マイノリティの人、ひとりの「人間」とし て尊重されたいと願う人......そして、どんなに過酷でもその人生を諦めたくないすべての 人に贈る、甘やかな涙を誘う一冊。

感想・レビュー・書評

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  • ブックホテルに泊まった時に、こちらの本を途中まで読み、続きが気になったので購入。

    マリリン・モンローと言えば、スキャンダラスな女優ってイメージばかりが先行していました。
    存在すべてが生まれ持ったものだと思っていましたが、全く違っていて。
    あのセクシーな体形も努力の賜物だったのですね。
    骨格から何から学んで、どこを鍛えるとどういう風に筋肉がついて、どう見えるのか、計算しつくしてあの魅力的なボディを作っていたようです。
    見えないところでの努力は相当なモノだったと思われます。
    読んでて「覚悟」が違う!と、思いました。

    この本を読んで彼女を少し知ることができましたが、イメージとは真逆の性格なんですよね。
    数々の男性遍歴は単なる彼女のだらしなさなんじゃないか、ハリウッド的価値観だよね、くらいにしか思っていなかったのですが、実はそうではないって事が分かって、彼女に対してイメージがずいぶん変わりました。
    自分の武器を磨きに磨いて、最大限に使って、戦略的に動いてのし上がっていってるんです。
    しなやかに、したたかに、生き抜いている。
    現代に生きる私たちが彼女から学ぶことがあるとすれば、戦略的な自己プロデュース力、これに尽きると思います。
    (彼女のやってることを真似るわけではない)

    この本を読んでると、マリリン・モンローからは並々ならぬ「覚悟」が伝わってくるんですよね。
    それは何なのか、自分なりに考えてみたのですが、「私には何にもない。だから女優になるためには何でもやってやる」って精神なんじゃないかな、って思いました。
    捨てるものがない人間って、やっぱり一番強いよ。

    かなりアグレッシブな性格なのかと思いきや、かなり繊細な心の持ち主でもあったようです。
    (撮影に遅刻する理由は、ちゃんと演技できるか怖くてカメラの前に立てない、というもの。また、過剰に人の評価を気にするタイプだったようです)
    アグレッシブとセンシティブ。
    真逆の性質を両方持っていたからこそ、あの私たちの知っているマリリン・モンローが出来上がったのかもしれません。

    ”人はいつだって何かを失っているのよ。
    それでも私たちは生き続けなければならない、そうでしょ?”(抜粋)

    この言葉、彼女も一人の人間なんだな、って思いました。何かを失っても全力で吹っ切って、全力で前に突き進む強い女のイメージでしたが、実はそうではなかったのですね。

    今となっては彼女の存在自体がミステリアスなんですよね。亡くなった今でも伝説の女優として語り継がれる理由はここにあるのかもしれません。
    もし、彼女がオードリー・ヘプバーンのように長生きしていたら……。
    歴史は変わっていたでしょうね。

  •  恵まれた容姿に甘んじることなく、アクターズスクールに通い演技力を上げる努力をしたり、歴史の偉人や詩人の本をたくさん読んで、学歴がないかわりに教養を身につけ、「頭の悪いセクシーなブロンド」というイメージにすがり続けるのではなく、実力派女優として成功したいという向上心のあるところに尊敬しました。
     周りの意見ではなく自分の意思、言葉をもっていたところや、人をじっくり見つめることで寛容になれる。という彼女の言葉に、自分も見直すべきところがあるなと見つめ直すきっかけになりました。

  • ミスフィッツ、だからこその美しさ

    繊細さは悪だとずっと思っていた。生きにくいまでの感受性などいらないと、そう思っていた。
    でも、繊細さが、美しいと。美しさに繋がるということを、山口氏を通してマリリンが教えてくれる。
    こんな自分を、きっと、肯定してみせる。

  • 女で生まれてきたからには女でいること、マリリンの無邪気だけれど切ない言動が人々を驚かせ夢中にさせた。結構衝撃をうけた

  • マリリン・モンローという人を名前だけは、知っていたけど、詳しいことは知らなかった。こんなに繊細なのに、こんなに芯を燃やすように、やりたいことをやる強い女性だとは知らなかった。わたしは、マリリン・モンローの生涯にとても感銘をうけ、興味を持っている。映画も見てみたい。
    有名人の生涯を書いた本を読んでこなかったけど、とても興味深いものがあるなぁと、新しい発見をした。

  • 大物の女優だけあって、裏で相当の努力や劣等感があるんだなと改めて思った。
    ハリウッド映画に出るためにどれだけの犠牲を払い、表に出る時の前のめりの姿勢などマリリン・モンローは尊敬する人物になった。また、自分の夢を諦めない姿勢も学んだ。
    みんな誰もが悩みや苦労があって、もがいて頑張って生きていると思わせてくれる作品。

  • マリリンが生涯忘れる事になかったアナおばさんの言葉。
    「本当に大切なことは、あなたがどんな人間なのか、ということ」

  • 娘が読んでいた本を拝読。
    マリリンモンローのセクシーな面は知っていたけれど、女優のあるべき姿、役者としての表現についてここまで深く考え、努力していたのは知らなかった。また、花や動物など小さな命を大切にするほど繊細な心がベースにあるというモンローを形成する核が優しさであったことも本書で知った。

    意識が他者に向けられている間は良かったけれど、愛に飢えた結果、最終的には意識を全て自分に向けてしまったが故に悩みは膨れ上がった。

    与えられた才能は、やはり自分の欲望のために使うのではなく、他者のために使うものではないだろうか。

  • マリリンがどんな人だったか全く知らなかったけど、この本を読んですごく好きになった
    繊細さまでも武器にしてしまうのはすごい
    繊細さを美しさに変えて生きて行きたい

  • 私の中でマリリン・モンローの見方が変わった本です。

    今までは
    「金髪で風が吹いてスカートがヒラヒラしてる人」
    というだけの印象でしたが…この本を読んでみて印象が180°変わりました。

    なんて繊細でなんて美しい人なんだろう。
    歴史上の人物も登場するので、余計臨場感が増していました。
    文章も読みやすく、すらすら読み進めることができました。

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著者プロフィール

山口路子(やまぐちみちこ)
1966年5月2日生まれ。作家。美術エッセイ、小説など著書多数。近年では、ひとり出版社ブルーモーメントから「生き方シリーズ」の刊行が始まる。また、大和書房より刊行の言葉シリーズ(『オードリー・ヘップバーンの言葉』『マリリン・モンローの言葉』『ココ・シャネルの言葉』『ジェーン・バーキンの言葉』『マドンナの言葉』『カトリーヌ・ドヌーヴの言葉』『サガンの言葉』など)が好評、『逃避の名言集』も話題となり版を重ねている。近著は『大人の美学 245の視点』『ピカソの言葉』『彼女たちの20代』。著者累計60万部を超える。

「2024年 『私を救った言葉たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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