ニューノーマル (コミックアウル)

著者 :
  • ファンギルド
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本棚登録 : 139
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910617008

作品紹介・あらすじ

「僕たちが生まれる少し前、ひとつの感染症が世界を変えた」――

マスクで口元を隠すことが当たり前の日常となった近未来。
世界流行前の時代に密かに思いを馳せる少女・夏木とクラスメイトの秦は、
ふとしたことから小さな秘密を共有する仲になり……。

「新しい日常」の世界を生きる二人の「新しい非日常」の物語が、動き出す!

感想・レビュー・書評

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  • コロナウィルス感染症の拡大により、私たちは日常的なマスクの着用が半義務のような暮らしを送るようになった。

    この物語はとある感染症が更に猛威を振るい人口が8割減したifの世界。マスクが完全義務化されて十数年が経ち、下に隠された他人の「くち」を見る・見せる事が恥とされるようになった設定の日本社会が舞台。


    主人公・秦遥人はある日、片想いの同級生・夏木咲の「くち」を見てしまう。当然動揺する2人だが、夏木さんは自宅にある昔の映画を見慣れていた事もあってか他人の「くち」に元々関心があったようだ。ちょいちょい秦を誘い出し、隠れて「くち」を見せ合うようになっていく。が、あくまで2人の関係は恋人未満の不思議な距離感。
    ふわふわした2人の恋の行方は如何に。


    …と、ラブコメだけで終わらないのがこの作品。


    実は東京がウィルスに深刻に汚染されたという事でぐるりと防壁で封鎖されているのである。閉ざされた壁の向こうの謎、そしてなにやらキナ臭い「防疫隊」の秘密。
    これらSF要素も漂う、まるで仮想現実のようなミステリアスな作品に感ぜられた。
    私の中の期待感はかなり高まっています。


    秦が夏木さんの「くち」を見てしまった時の水道蛇口から水滴が落ちるシーンの回想と、夏木さんが秦の「くち」を見て動揺のあまりすっ転び水溜りに尻餅をついた時につぶやくひと言が妙なエロスを醸し出す。

    秦が夏木さんの告白を断るシーンの「だからとか じゃあ…みたいな気持ちじゃ付き合いたくない」というセリフは若干意味不明。
    単純に秦の幼稚さ・草食さと、恋敵になりそう?な相良の得体の知れない危険さ・強引さとの対比を描く意図なのかな??

    煙草の残り香に揺れる乙女の心…ベタだけどゾワゾワするなあ。
    ガンバレ秦くん。夏木ちゃんは良い子だぞ。



    1刷
    2021.11.3

  • マスクが当たり前になった世の中から物語がここまで発展するなんて…!
    口を見るだけで、見せるだけでここまでドキドキするなんて思わなかったけど、なんとなくこの気持ち分かる。
    コロナ後に出会った人の中にはマスクなしの素顔とか知らない人もいるし、素顔忘れちゃった人もいるし…。気になるあの人の素顔を見たくなるのは恋と同じだよね。

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著者プロフィール

美麗な絵柄とのびのびとした美魔女表現で話題の新鋭作家。本作でデビュー。

「2019年 『美魔女の綾乃さん(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

相原瑛人の作品

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