厚利少売 薄利多売から抜け出す思考·行動様式

  • 匠書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784910716039

作品紹介・あらすじ

自分を安売りするのは、もうやめよう。

本当は、もっと高く売れるのだから。



「たくさんつくって安く売る」という薄利多売から脱却し、

「少なくつくって高く売る」という「厚利少売」に切り替えるためには?

時給30万円(!)の経営アドバイザーが徹底解説!





この20年間、日本人の1人当たりのGDPはG7の中で唯一増加していません。

さらに、平均年収は過去30年間横ばいにもかかわらず、物価や社会保険料の値上げが予想されています。

このような「逆風の時代」を生き残るための答えが、「厚利少売」。

「不要なものをつくるのをやめて、本当に必要とされるものを、必要なだけつくる」

というビジネスの必要性が高まる今、

個人にとっても企業にとっても「少なくつくって高く売る」技術が不可欠です。

感想・レビュー・書評

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  • とても読みやすく、メモを取る手が止まらなくなりました。厚利少売する上での考え方や、実践方法なども具体的に書かれており、コンサルを受けたくらいの価値があるのでは。経営者でなくとも読む価値があると思いました。

  • 価値は相手の変化量
    ビフォーアフターアフター
    -付加価値がアフター
    -本質価値がアフターアフター

  • 厚利少売のススメ

    少ない生産量で高価格で売る、これは商売の基本的な考え方です。本書『厚利少売』は、日常生活で広告に晒され薄利多売に影響されがちな私たちに、この基本を思い出させるための一冊です。

    ビジネスを始める際、特に一人もしくは少人数で始める場合、厚利少売が最も現実的な選択肢です。江戸時代の徒弟制度も、この厚利少売を支えるシステムの一例です。逆に、薄利多売はむしろ特異なケースとも言えます。

    戦後の特異な環境下では、モノが不足しており、競合他社も少なかったため、ガレージ起業が成功するチャンスがありました。ホンダやソニー、アップルなどがその好例です。彼らが成功したのは、当時の競争が少なく、厚利少売のスタートを切ることができたからです。

    現在では、大量生産ビジネスは飽和状態です。何か製品を作る際も、専門の工場と提携するのが一般的です。競争が激しい「レッドオーシャン」に飛び込む必要はありません。大量生産は模倣が容易であり、個人がリスクを負って参入するには向いていません。

    自分らしく働きたいなら、厚利少売が最適な方法です。しかし、その実践は簡単ではなく、薄利多売のマインドセットを捨てるには強い意識改革が必要です。

    本書は、そのようなマインドセットのリセットをサポートするバイブルです。

  • それほど長くなく読みやすい本だった。昔いた会社で営業の人が言ってた「単価は勇気」という言葉を思い出した。
    ジャンルとしてはマーケティングの本になるのだろうが、マーケティング理論的なものはほとんど出てこない。特に自分のスキルを売る商売をしている人におすすめ。

  • p.49 供給量を増やせる状況であっても、「あえてしぼる」ex.ファーストクラス

    p.59 競合がやっていないことをやらないと平均値から抜けない。そのためにも少ない人に絶対に必要だと思われるものにする必要がある。業界の常識での価値や値段で考えない。

    p.80 過剰なものを生み出して得られる利益は少ないですが、希少なものを生み出せば大きな利益を生み出すことができる。

    p.152 まずはターゲットがどんな変化を求めているのかを言語化しましょう。また変化を心から欲している人に提供するのが重要。

  • つくる企業努力と、付加価値をつくる企業努力。
    売価によってクリエイティブの耐久性が試される。
    そんな日々考えていることが言語化されていて、書いていることを当たり前のようにやり続けていきたいと思える一冊でした。

  • 14. 「厚利少売」は「提供する価値に徹底してこだわり、少なく売って、大きく儲ける」が特徴です

    19. 「どんな人が、なにを、いくらで、どれくらいほしいのかを見極められていないこと」。つまり、需要の見極めの甘さ

    28. GDP(国内総生産)は、一定期間内に国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計額のこと。付加価値とは、サービスや商品などを販売したときの価値から、原材料や流通費用などを差し引いた価値を指します

    42. 価値=相手の変化量。「相手の変化量」が大きいプロダクトであれば、価格が高くても買ってくれる人は見つかります。
    ここでいう変化量とは、定量的な変化だけでなく、定性的な変化も含みます

    47. 「質の高いプロダクトをつくり、絶対に価値を与える」という責任感をもたないまま進めてしまうと、リピーターは生まれず、薄利多売が進んでいきます

    49. 「限定的ニッチ」。供給量を意図的にしぼることでプレミアム感を出し、利益を確保する戦略

    58. 「経営における最大の目的は利益を上げること。利益は会社がどれだけ役に立っているかを示す。利益から税金が支払われ、国のために使われる。利益があれば会社は安定し、トラブルに襲われても潰れない」
    by 北の達人コーポレーション 木下勝寿

    58. 北の達人コーポレーション木下さんは、「売上最小化、利益最大化」を実現するには、多産多死ではなく「少産少死」を徹底することが重要とも指摘しています

    60. 厚利少売においては、「100万人に知ってもらう」ではなく、「100人に「絶対に必要だ」と思ってもらう」こと。

    68. 本質価値とは、商品・サービスそのものの核心に迫る価値、つまりお客さんが真に求めている価値を指します。一方で付加価値とは、商品・サービスの本質価値に追加される要素、補完的な価値を指します

    71. 「付加価値」を「本質価値」として打ち出すことで、独自性を生み出せる(=異常値になれる)のです

    72. ダイソンの有名なキャッチコピー「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」を聞くと、「吸引力が強い」と思われがちです。でも、ダイソンの掃除機の吸引力は、他社製品と比較して強いわけではありません。ダイソンが着目したのは「吸引力の強さ」ではなく「吸引力の維持」

    78. 人が高いお金を払ってもいいと感じるジャンル。
    1.お金、2.健康、3.知名度アップ、4.時間節約、5.耐久性、6.エクスクルーシビティ(限定的で独特なもの)、7.プロフェッショナルな知見、8.安全性、9.手間ゼロ、10.感情的価値、11.美容・外見の向上、12.パフォーマンス向上、13.社会的ステータスの向上、14.教育、15.特別な体験、16.環境への貢献、17.家族や愛する人への投資、18.カスタマイズ

    90. 本質価値は、言葉やビジュアルにして初めて認知されます

    95. 厚利少売で大切なのは、「過去の経験」や「業界の常識」よりも「お客さんの声に耳を傾けてキャッチアップすること」

    98. 「ブランド・マントラ」。ブランドのDNAを簡潔に表現する言葉。「ブランド・マントラは、キャッチ・コピーではない。ブランド・マントラは企業がどのような商品やサービスを提供するか、どのようにビジネスを進めるか、どのような人間を雇うか、といった問題に方向性を与える道しるべのようなものだ」

    100. レゴは、ファンや利用者からのアイデアを取り入れるプラットフォーム「レゴ(R)アイデア」を運営しています。これは、一般ユーザーが自らのレゴ作品のアイデアを共有し、それが一定数の支持を集めて審査に合格すると、実際に商品化されるという取り組みです

    112. 「達成困難な目標を立てている人は、人生に不満を感じるものだ」by 行動経済学者ダニエル・カーネマン

    123. マーケターの最重要な役割として、「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を正しく見極めること

    126. 「原価」ではなく「提供する価値の大きさ」で価格を決めるようにしましょう

    132. 野村総合研究所の調査結果(2021年)によると、「富裕層(純金融資産保有額が1億以上5億未満)」と「超富裕層(同5億円以上)」を合わせると149万世帯、全体の2.7%

    132. 「シン富裕層」。一代で富を築き、5億〜30億円の資産を保有している30代、40代がメイン。
    ①ビジネスオーナー型、②資本投資型、③ネット情報ビジネス型、④暗号資産ドリーム型、⑤相続型

    138. 「この人はいくら利益を生み出してくれるのか」という思考に切り替える。「コスト」ではなく「投資」として考えてもらう

    146. 行動するときには必ず「自分なりの仮説」を立てるようにしてください。

    175. 「ビフォー・アフター・アフター」。本人も予測していない、ビフォー・アフターの先にある満たされた生活や幸せな未来を指します

    181. 厚利少売では、お客さんから選ばれるのと同じくらい、選ぶことも重要です。「片思いではなく、両思いでなければならない」ということです

    197. 厚利少売では、自分が「異常値」であることを瞬時にわかってもらわなければなりません

    198. 肩書きは「独自的+知的なイメージ」が重要

    201. 「自身の強み」「提供できる価値」を書くことも重要

    203. 「厚利少売の先に実現したい世界があり、そこに向かって進んでいます」という姿勢を見せることで、応援してくれる人が集まります

    217. 「人間は、自分で考えているような人間になる」by.成功哲学 ナポレオン・ヒル

    227. 「自分ができること」「クライアントに喜ばれたこと」「単価が高いジャンル」の3つが重なり合った部分を軸に「別業界」「トレンド」「業界の非対称性」を掛け合わせて絞り込む

    233. 「高いと言われても、その理由を解消すれば高く売れる」

    234. 経営でもっとも難しいのはなにか?それは「長く続けること」

    251. 最初から完璧な予定を立てることよりも、状況を見ながら都度変更していく「軌道修正力」です

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著者プロフィール

株式会社Moonshot代表取締役CEO。企業の10倍成長のためのアドバイザーであり、社会や企業内に存在する「難しい問題を解く」専門家。年間でクライアント10社、エンジェル投資先20社の計30社のプロジェクトを並行して進める。過去に取締役CMOで参画した企業をKDDI子会社へ売却し、そのまま経営を継続し売上を数百億規模へ成長させる。その後スタートアップのスマートニュース社でブランド広告責任者とBtoBマーケティング責任者を経て現職。著書に『小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考』など。

「2024年 『厚利少売  薄利多売から抜け出す思考·行動様式』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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