ハリー・ポッターと秘密の部屋

  • 静山社
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784915512391

作品紹介・あらすじ

魔法学校で一年間を過ごし、夏休みでダーズリー家に戻ったハリーは意地悪なおじ、おばに監禁されて餓死寸前。やっと、親友のロンに助け出される。しかし、新学期が始まった途端、また事件に巻き込まれる。ホグワーツ校を襲う姿なき声。次々と犠牲者が出る。そしてハリーに疑いがかかる。果たしてハリーはスリザリン寮に入るべきだったのだろうか。ヴォルデモートとの対決がその答えを出してくれる。

感想・レビュー・書評

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  • うーん、おもしろい!とてもおもしろかった! J・K・ローリング、すごい!

    前作は第一作目で、読者は、ハリーと共に魔法の世界ってどんな感じ?とわくわくしながら新しい世界へ足を踏み入れることのできる傑作だった。今作は二作目。ハリーはホグワーツ魔法魔術学校の2年生になるので、前作のような新鮮なわくわく感は得られないだろうと思っていたけれど、予想を裏切る面白さだった。

    休暇中にダーズリー一家に監禁され、最低限の食べ物しか与えられていなかった惨めなハリーを救いにきたヒーローは親友ロン。しかも空飛ぶ車で!これが、わくわくしないでいられるはずがない。それから残りの休暇をウィーズリー家で過ごすことができたハリーは、魔法使い一族の暮らしを垣間見る。暖炉からダイアゴン横町へ飛行したり、「まぁ、なんという子どものような想像力!」と、私はハリーと一緒にわくわくドキドキしっぱなしだった。

    待ちに待ったホグワーツでの新学期が始まると、休暇中に屋敷しもべ妖精のドビーが警告したとおり、不穏な事件がホグワーツ全体を暗く覆い、ついには先生たちを含むホグワーツの全員を恐怖に陥れる。
    それに対する、ハリー、ロン、ハーマイオニーの勇敢なことよ!この三人の勇敢さは、正義感と思いやりの心と好奇心とでさらにパワーアップしていて、読んでいて胸がスカッとする思いだった。

    物語を追うごとに、色んなことがうまい具合に回収されていく。消えた空飛ぶ車、ハリーにだけ聞こえる声の謎、みんなが気になっていたハグリッドの過去、ドビーの忠告、ハリーがずっと気にしていた組分け帽子のこと、などなど。なんというかサラっときちんとつながっていてお見事、という感じ。モヤモヤが残らない。

    ギルデロイ先生にはやれやれという感じだし、マルフォイ親子は「キーーーー!」と心底憎たらしく思うけれど、登場人物としては鮮やかに生き生きと心に残る。

    そうか、最終作の第七巻までこうやってヴォルデモート卿は姿形を変えてハリーを消そうとしてくるのだな、と予想しつつ次作へ。予想が外れても当たっても面白そうで期待大!!

  • 「第一巻・賢者の石」よりさらに面白い。
    ウィーズリー家(ロンの家)である「隠れ穴」が最高!
    魔法使いの家って、とっても魅力的。
    想像がどんどん膨らんで、ワクワクする。

    自分の部屋が、ハリーに気に入ってもらえるか自信のないロン。
    「僕、こんな素敵な家は生まれて初めてだ」
    とハリーに言われたロンは、耳元をポッと紅らめた。
    …の描写が好き。
    ロンが愛おしい(笑)

    それからもちろん後半の、秘密の部屋での対決の場面は圧巻!
    完全に私は、ホグワーツに居ました。
    だって、文章を読んでいるだけなのに、体力を消耗したから…

    よし、第三巻も読むぞ。

  • 賢者の石に続いて。

    物語は後半、一気に盛り上がりを魅せる。

    他の本も併読していて、一月近くかかって読了。

    いつもの三人衆のハラハラさせる冒険は、やっぱり楽しい。映画を先に見ていたが、原作はさすが、あっぱれ。

    ヴォルデモートの記憶が日記に残されてるってのも、秘密の部屋への扉がトイレにあるのも、ワクワク盛り沢山。伏線回収も見事。

    賢者の石で既に作られた設定が、物語に絶妙な味付けをしている。次もゆっくり読もう。

  • 映画を先に観ていることもあって、文章がするするとイメージを伴って頭に入っていく。前作はそのためにストーリーの先が読めて楽しみが半減したという感想を抱いたが、今回は逆。意外にも今回のストーリーは諸々のエピソードや設定を断片的にしか覚えていなく、それら記憶の断片が今回でストーリーになったと云うのが正直な話だ。だから今回は以前よりも純粋に小説として愉しんだ。

    そのストーリーというのは、以下のような感じ。

    魔法学校生2年生を迎えるハリーはドビーという妖精からホグワーツへの登校の妨害を受けたが、ロンの父親の空飛ぶ車でホグワーツへの登校に成功する。しかし、ハリーの学校生活は何か得体の知れない何かに妨害を受けているかの様相を呈し、はたまた見栄張り教師ロックハートの嫉妬も加わってペースを乱され、受難を大いに受ける。そんな中、ホグワーツに纏わる秘密の部屋の噂が勃発し、マグル出身の学校生が石のように膠着した姿で発見されるのだった。

    ストーリーの詳細を忘れたのもさもあらんとも云うべき、今回は多重構造のプロットであり、少年少女の読み物としては高度な内容だと思った。

    秘密の部屋を中心にして起こる怪事件の犯人及び共犯者(正しくは共犯を自分の意志に関係なく強要された者)、秘密の部屋を探し当てるまでの経緯に仕掛けられた構造はかなりの紆余曲折を経ており、物語作家としてのローリングの才気溢れるといった感じだ。

    犯人のアナグラム、共犯者がなぜ共犯せざるを得なかったのか、そして共犯者にジニー・ウィーズリーが選ばれた政治的陰謀、これら全てがものすごく練られていた。
    秘密の部屋を核にしてマトリョーシカのように入れ子構造で数々の登場人物の思惑が交錯する。
    このプロットを十全に理解した少年少女は果たしてどれだけ存在するのだろうか?

    前作も感じたことだが、単なる少年少女向けファンタジーに終始していなく前述のような特徴からも判るようにミステリの要素が色濃くあり、これはやはりイギリスの作家であることも起因しているのだと思う。
    ミステリ発祥の地イギリス。やはりミステリの血は濃いということか。

  • 映画で見れなかった詳細が原作にて知れるのがとてもいい………とても分厚いものなのに、夢中になって気づいたら読み終えていた!翻訳小説が、あまり得意でない私でも、スラスラと頭にはいってくるくらい読みやすいです。最高。

  • 小説版だと映画で感じたさまざまな伏線の疑問が、秘密裏に提示されていて先を知っていれば比較的に簡単に同意することができて、含み笑いが抑えられない。面白い。

  • 世の社会人は、アーサー・ウィーズリー氏がとてつもなく優秀な官僚であることに恐れおののくといいと思う。

    ハリー・ポッターシリーズ第2作。
    新学年を迎えたハリー・ポッターだが、ホグワーツ出発前から、登校妨害を受ける。
    ホグワーツではスリザリンの後継者しかあけられないはずの「秘密の部屋」の存在が明らかとなり、被害者が続出。
    疑いをかけられたハリー・ポッターだが、犯人を探すうちに、T.M.リドルによる謎の日記帳を手にすることになりーー

    はっきり言って、この1冊の主役はロンをはじめウィーズリー一家だ。
    ジョージとフレッドは空飛ぶフォード・アングリアでハリーを自宅から救いだし、末っ子のジニーは物語の鍵を握る重要なアイテムを手にするし、パーシーは監督生としてガールフレンドとラブラブだし、ロンはもちのロンだ。
    そのなかでも一家の父、アーサー・ウィーズリー氏の存在感はハンパない。
    一見、奥さんのお説教に怯えまがら安月給で5人の子どもの学費を工面するサラリーマンのようだが、その実、魔法省で働く有能な官僚であることが随所に見て取れる。

    たとえば、自身が主導して作成した法律にはきっちり都合のよい抜け穴を準備する。腕っ節よりも財力よりも、なにより「ルールを作る側」が社会では有利であることを存分に発揮している。
    末の4人はいまいちぱっとしないが、長兄のチャーリーをはじめ優等生が続出していることがよくわかる。

    数々の名シーンの中でも、伏魔殿たる中央官庁で働くウィーズリー氏の含蓄に満ちた、たいへんに深みのあるセリフがこちらだ。


    「脳みそがどこにあるか見えないのに、独りで勝手に考えることができるものは信用しちゃいけない」
    (第18章、TMリドルの日記に心を奪われていたジニーに、アーサー・ウィーズリーが説教したことば)


    これは、我々が住む現代のマグル世界でも大変、身につまされる言葉だ。
    (不思議な日記帳でなくても)誰が物事を考えて、責任の所在がどこにあるのか、主体が判然としない物事(とか会社とか組織とか)を容易に信用しては行けないよ、ということだ。

    児童文学としても1作目以上にエキサイトするのはもちろん、若い頃にこの作品をよんだ大人たちにも、ぜひ再読していただきたい作品。

  • 原書で読んだときは、暗くて恐くて、ハリーが追い詰められていく様子が辛くて、面白くないわけではないのにあまり好きになれなかった印象がのこっています。一作目にもヴォルデモートとハリーの宿命は示されていたとはいえ、まだまだ魔法の世界の導入が主で、ヴォルデモートとの対決場面についても空飛ぶ鍵や魔法のチェスに鏡の謎と、命をかけた戦いではありながらもゲームのような頭脳戦だったので、一作目と二作目のギャップにとまどっていたのだなぁ、と思います。全作通して読んでしまえば、シリーズの中で特別なのは二作目ではなく、一作目の方だったか、、、と思い直しました。そんなわけで、怯えながら暗い気持ちで読んだ最初のときより、いろいろ冷静に、これが後の伏線になってた、とか、楽しみながら読了。それにしても、嘆きのマートルの設定は見事。映画でケネス・ブラナーがハンサムだけれど軽薄なロックハートをあまりにも生き生きと演じていたのを思い出しました。

  • 登場人物が増え、映画でいう誰だっけ検索が増えてきました。話の内容としては学園内のある出来事に過ぎないし、使えない魔法使い多いなって感じはしましたが、まだ序章に過ぎません。これからが楽しみです。

  • 2学年になったハリーたち
    ロンの妹ジニーの入学や、ハリーが蛇語を話せる事実、ヴェルデモートとトム・リドルの関係がまたしても読み手を惹き付けます!
    本当に素晴らしく面白い作品です。次巻も楽しみです。

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著者プロフィール

J.K.ローリングは、記録的ベストセラーであり多数の賞を獲得した「ハリー・ポッター」シリーズの著者。世界中で愛読された本シリーズは、これまで累計5億部以上を売り上げ、80カ国語に翻訳された。8部作の映画は大ヒットを記録。著者は『幻の動物とその生息地』に着想を得て、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の脚本を執筆。この作品を皮切りとして、5部作の映画シリーズの公開が始まった。J.K.ローリングはまた、『ハリー・ポッターと呪いの子 第一部・第二部』の舞台も手掛けている。この作品は、2016年夏にロンドンのウェストエンドで初演され、2018年春にはブロードウェーでも上演された。2012年、J.K.ローリングはウェブサイト〈ポッターモア〉を開設。このサイトでは様々なコンテンツや記事、J.K.ローリングによる書下ろし作品を楽しむことができる。他、一般書『カジュアル・ベイカンシー 突然の空席』を執筆したほか、ロバート・ガルブレイスのペンネームで犯罪小説を発表している。これまで、大英帝国勲章、レジオンドヌール勲章、ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞など、いくつもの賞を受賞してきた。

「2020年 『イッカボッグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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