「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

制作 : J.K.Rowling  松岡 佑子 
  • 静山社
4.15
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  • (54)
  • (10)
本棚登録 : 7932
レビュー : 957
  • Amazon.co.jp ・本 (1136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784915512636

作品紹介・あらすじ

7月31日、17歳の誕生日に、母親の血の護りが消える。「不死鳥の騎士団」に護衛されてプリベット通りを飛び立ったハリーに、どこまでもついていくロンとハーマイオニー。一方、あれほど信頼していたダンブルドアには、思いがけない過去が。分霊箱探しのあてどない旅に、手掛かりはダンブルドアの遺品だけ。

感想・レビュー・書評

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  • ハリーポッター最終巻。
    つらいシーンや苦しい状況が目白押しだけど、ここにたどりつくための七年だと納得のいく決着だった。

    この巻の序盤は、シリーズ中盤からどんどん増していく重さの最高潮だから、きつい。
    現実世界のそうだった過去や、そうなりかねない近い未来と重ねて更に息苦しくなる。
    大人の庇護から離れて3人だけでぐるぐるしちゃうあたりなんかは本当に恐い。

    ”死は突然であり妥協がない。”という文のとおり、なじみのキャラクターも名もなき人もぱたぱた死んでいく。
    いくつかの死は必然。その死によって物語が動いたり、目的を持って殺されたりする。
    いくつかの生も必然。このテーブルにつくために、この人は生き残らなければならない。
    だけどほとんどの登場人物は、くじびきで決めたのか?ってくらい「たまたま」死ぬ。
    そこにいたから。当たっちゃったから。
    その人が死んでも生きても筋は変わらないのに。


    これは魔法の杖をばんばんふるうファンタジーだけど、「魔法の杖なんかない」って話なんだと思う。
    主人公だってすべきことがわからず途方に暮れるし、庇護者も強敵も情勢を読み違える。
    すべてお見通しの人も常に絶対正しくて失敗しない人も無敵の人もいない。
    リーダーがどれだけ大きくてもその個人がひとりで世界を動かしているわけじゃない。
    それぞれをかついで動く人たちや、見て見ぬふりで動かない人たちが世界を作ってる。

    だから親玉を倒して世界を塗りかえることも、救世主を倒されて塗り変えられることもない。
    ただひたすら地道に何度も何度も正し続けてよい状態を維持していこうとする。
    そんな地味で面倒くさくて大事なことをきちんと描いている話だった。



    訳のヴォルデモートの口調が軽いのが気になってしょうがない。
    「俺様は御所望なのだ」って、ばいきんまんか。

  •  ついに全部読み終わったぞハリーポッター! 今更ですが、だいぶネタバレを含みますので未読の方はご注意ください。

     第1作『賢者の石』を読んだとき、わたしはまだ高校生だった。すぐにこの物語を好きになった。それから『不死鳥の騎士団』までは発売から間もなく読めたんだけど、『謎のプリンス』からは読めていなかった。いつかいつかと思っているうちに忘れていて、そのうちネタバレが当たり前のようにネット上で垂れ流されて色々と物語の核心部分を知ってしまい、もう読まなくてもいいかな、などとと思っていた。
     でも、2013年に映画がTV放映されるのをきっかけに、手付かずだった『謎のプリンス』とこの『死の秘宝』を読んでみることにした。やっぱり、すごく面白かった。そしてこれまでの物語に驚くほどたくさんの伏線がしかけてあったことに気づき、ネタバレを知る前に続けて読まなかったことをずいぶん後悔した。高価で分厚い上下巻セットを購入してでも、すぐに読んでおくべきだったのだ。『謎のプリンス』の感想にも書いたけれど、それだけハリー・ポッターは面白くて良質なファンタジーで、しかもミステリーでもあったのだから。
     この後から本当にネタバレですよ。






     あーもう知らずに読んでたとしたらどれだけびっくりしてただろうってことがいっぱいある。
     スネイプ先生が実は味方だったっていうのはうすうす感づいてたけど(当初は、本当のハリーの父親はジェームズではなくてスネイプなんじゃないかと的外れな推理をしていたことを思い出す)リーマスとトンクスは死亡フラグがビンビン立ってましたけども、まさかフレッドが死んじゃうとは思ってなかった。これもうっかりウィキでキャラクターの名前を思い出そうと思ってチラ見してたときに知ってしまった。ショックですよ~。母のモリーがベラトリックスを倒したところはぐっときたのだけれども。

     とまあ、誰が死んだとか生き残ったとかについつい目がいってしまうんですが、7巻まで読み終わって一番心に残ったのは、立派な人生を送ったように見える人でも、生涯ずっといい奴であり続けたわけじゃないっていうことだった。ジェームズたちはいじめっ子だったし、スネイプ先生は一度闇に加担してるし(そのうえ味方ではあってもハリーのことは好きになれなかったみたいだし)、あのダンブルドアでさえも一度は権力に魅了されたのだ。
     人は変われるし、成長できる。それが人生の面白いところだな。なかでもネビルがすげえ立派になってて感動した。ずっとネビルはヘタレなイメージだったのに。大人になってホグワーツで薬草学の教授になったんですね。偉い偉いよネビル。
     そうそう十九年後はみんな幸せそうでよかった。ドラコがちょいハゲてたのがウケた。
     「すべてが平和だった。」
     このありふれた一文にたどり着けるまで、ハリーにはなんと時間がかかったことか。

     最後に蛇足ながら、訳者の松岡さんに対する批判を結構見かけるのだけど、彼女が翻訳の専門家ではなかったとしても、たとえ少なからず誤訳珍訳や伏線の見落としがあったとしても、ヴォルデモートがなぜか「俺様」でスネイプ先生がなぜか「我輩」だったとしても(苦笑)、わたしはやっぱりこの人が訳してくれてよかったんだと思う。
     日本人に受け入れられるかわからない状態で、小さな出版社の存続を賭して自分が惚れ込んだ物語の翻訳と出版に携わった松岡さんは立派だと思うし、そういう人がわたしたちの言語で物語を語りなおしてくれるのはありがたいことだ。たとえば大手の出版社が金にモノを言わせて翻訳権を勝ち取って、原文に何の思い入れもないベテランの翻訳家を連れてきて出版するより、たぶんずっとよかったのだと思う。
     あとJ・K・ローリングがOKした人だしね。

     そんなわけで、素敵なシリーズに出会えてよかった、とわたしは思うのでした。ありがとう。

  •  あー、終わった。
     長い旅であった。
     最終巻の感想だけ書いても仕方ないので、全体を通した感想も交えてなんか書いてみようかと思うわけなのですが。

     最終巻、なんだか、一番エンディングを急いでるのは作者だった気がする。というのも、今までの巻に比べて時間の流れはぶっ飛ぶわ、魔法がビュンビュン、火花はバンバン飛んで人はボンボン死んで血がザーザー流れて、フィナーレっぽいっちゃあフィナーレっぽいんですが、でも、最後だから許されるのか。映画になったらめくるめくグランドフィナーレになることでしょう。それだけの素材はある。

     けれども、書き手としてはやっぱり自分をコントロールできてなかったな。というのが正直なところです。でもよくも読者を飽きさせずウン千ページもつきあわせた。これは『失われた時を求めて』には出来ない仕事です。『フィネガンズ・ウェイク』にも出来ないだろう。
     などと。結局7集だけのまとめかよ!

     じゃあ、全体の話に入るけれども、結局「なんだったのか」ということに関しては、魔法使いは魔法使いだし、マグル(ただの人間を指す)はマグルなんだ。お互いに相容れないし、相容れないゆえに避けられないの悲劇もある。しかしその矩を越えられるのは「愛」だけだ……そうかな。テーマは愛。そうだろうか?

     結局「穢れた血」を受容しなくても、ルシウス夫妻は戦場でドラコを探しまわったし、魔法そのものを否定したバーノンさん一家はそのままどこかにいなくなってしまった(殺されたのかもしれない)。もう一度云うが、版元が推すように、本当にこれは「愛」の物語なのか? いやむしろ、「情」が種々のロジックを破壊するという皮肉、もしくは風刺ではないか。上を下への大騒ぎとは別に暗躍するリータ・スキーターや、ハリーに情けをかけられたがゆえに殺されるワームテールなんかの脇役を見ていると、むしろ「情はすべてを狂わせる」という逆説的な部分への示唆のほうが強くないだろうか。

     作者ローリングは、「正義や悪、帰属のロジック」と「情」の関係、その一点において、冷酷なまでに中立であったように思う。
     がゆえに、やっぱり最後はドンパチにしすぎたよな。はやくこの重荷を下ろしたい、楽になりたい、という筆の焦りが見えてしまった。この辺がプロじゃないんだなぁと、アタシは考えるのであった。

  • 発売から早4年、予約して買ったにもかかわらず読む勇気がなくて読んでませんでした。
    初巻から毎年発売を楽しみにしていたハリーポッターが終わってしまうなんて寂しすぎると思ってずるずる読み始めずにいたらずいぶんとたってしまいました。

    そして、今となって。やっと読み始めたら、やっぱり止まることができずに、一気に読んでしまいました。
    下巻でのいくつかの死は耐えられず涙を流してしまいました。悔しかったです。
    それほどに物語りに没頭して、ハリーの気持ちになってしまっていたのだと思います。

    すべての秘密が明らかになって。
    今、また初巻から読み直そうと思います。
    本当にすてきな本。ありがとうの一言です。

  • 今までの謎が解けてスッキリ♪
    でも、ついに終わっちゃったーと思うと切なくもある(;_;)
    スネイプの愛も切ない。

    中学生からずーっと読んできた、わたしにとっては特別な物語です( ´ ▽ ` )

  • 長かった―。

    まぁまぁ面白い。
    分かりやすい面白さがありますね。
    主人公が魔法使いの人間であるということも分かりやすいですね。

    ものによったらファンタジーには人間が登場しないものもありますからね。

    ネタバレにはなりますが、
    やはりスネイプはスネイプですね。
    もう少し心を開くことができれば、
    生き方が不器用な人間です。

    ハリーも、ロンも、ハーマイオニーにも
    いらいらすることが多々あります。
    17歳という子供だからでしょうか。

    そのあたりはなまなましい人間なのでしょうね。

    ダンブルドア、、、
    断然アバーフォースの方をもちます。

    ハリーポッターには多くのキャラクターが
    登場しますが、

    誰が良いかな、、、

    やはりスネイプ、

    そして、マクゴナガルでしょう。

    ちょっと長すぎて、
    忘れていることも多々あり、

    (きっと読まないけど)
    最初から読み直したいですね。

    ファンタジーはやっぱり好きなジャンルだわ。

  • 2013年に映画がTV放映されるのをきっかけに、手付かずだった『謎のプリンス』とこの『死の秘宝』を読んでみることにした。やっぱり、すごく面白かった。

  • H28年度イベント「ブックリンク~本でつながる心と心~」で、中学生が紹介してくれた本です。

  • これも久しぶりに読み直した。
    あまりにも面白くて、下巻に至っては初めて一日で読破してしまった。
    昔は全然気づかなかったけど、スピリチュアルの要素満載で、後半になるに従って「おおおお!」と心の中で歓声を上げた。
    大好きな場面は「キングズ・クロス」の章で、
    ハリーとダンブルドアが穏やかに話し合っている内容がスピすぎて嬉しい。

  • 最後の最後までいろいろな人たちが、八つ当たりとかしていた気がしますが...。
    この壮大な物語を読み終えた事がとにかく嬉しいです。

    これまで良いイメージを持っていなかった人たちが挽回できる巻でもあったのでスッキリ!
    ただ犠牲となってしまった人たちの死は、本当に辛いものでした。


    自分がハリーのような状況に陥ってしまったら、今のような冷静な判断はできないかもしれません。
    そう考えたら、イライラしてしまう事も仕方がないことなのかな?


    魔法を通したヒューマンドラマのようでした。

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