「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

制作 : J.K.Rowling  松岡 佑子 
  • 静山社
4.15
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本棚登録 : 7837
レビュー : 952
  • Amazon.co.jp ・本 (1136ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784915512636

感想・レビュー・書評

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  • ハリーポッター最終巻。
    つらいシーンや苦しい状況が目白押しだけど、ここにたどりつくための七年だと納得のいく決着だった。

    この巻の序盤は、シリーズ中盤からどんどん増していく重さの最高潮だから、きつい。
    現実世界のそうだった過去や、そうなりかねない近い未来と重ねて更に息苦しくなる。
    大人の庇護から離れて3人だけでぐるぐるしちゃうあたりなんかは本当に恐い。

    ”死は突然であり妥協がない。”という文のとおり、なじみのキャラクターも名もなき人もぱたぱた死んでいく。
    いくつかの死は必然。その死によって物語が動いたり、目的を持って殺されたりする。
    いくつかの生も必然。このテーブルにつくために、この人は生き残らなければならない。
    だけどほとんどの登場人物は、くじびきで決めたのか?ってくらい「たまたま」死ぬ。
    そこにいたから。当たっちゃったから。
    その人が死んでも生きても筋は変わらないのに。


    これは魔法の杖をばんばんふるうファンタジーだけど、「魔法の杖なんかない」って話なんだと思う。
    主人公だってすべきことがわからず途方に暮れるし、庇護者も強敵も情勢を読み違える。
    すべてお見通しの人も常に絶対正しくて失敗しない人も無敵の人もいない。
    リーダーがどれだけ大きくてもその個人がひとりで世界を動かしているわけじゃない。
    それぞれをかついで動く人たちや、見て見ぬふりで動かない人たちが世界を作ってる。

    だから親玉を倒して世界を塗りかえることも、救世主を倒されて塗り変えられることもない。
    ただひたすら地道に何度も何度も正し続けてよい状態を維持していこうとする。
    そんな地味で面倒くさくて大事なことをきちんと描いている話だった。



    訳のヴォルデモートの口調が軽いのが気になってしょうがない。
    「俺様は御所望なのだ」って、ばいきんまんか。

  •  ついに全部読み終わったぞハリーポッター! 今更ですが、だいぶネタバレを含みますので未読の方はご注意ください。

     第1作『賢者の石』を読んだとき、わたしはまだ高校生だった。すぐにこの物語を好きになった。それから『不死鳥の騎士団』までは発売から間もなく読めたんだけど、『謎のプリンス』からは読めていなかった。いつかいつかと思っているうちに忘れていて、そのうちネタバレが当たり前のようにネット上で垂れ流されて色々と物語の核心部分を知ってしまい、もう読まなくてもいいかな、などとと思っていた。
     でも、2013年に映画がTV放映されるのをきっかけに、手付かずだった『謎のプリンス』とこの『死の秘宝』を読んでみることにした。やっぱり、すごく面白かった。そしてこれまでの物語に驚くほどたくさんの伏線がしかけてあったことに気づき、ネタバレを知る前に続けて読まなかったことをずいぶん後悔した。高価で分厚い上下巻セットを購入してでも、すぐに読んでおくべきだったのだ。『謎のプリンス』の感想にも書いたけれど、それだけハリー・ポッターは面白くて良質なファンタジーで、しかもミステリーでもあったのだから。
     この後から本当にネタバレですよ。






     あーもう知らずに読んでたとしたらどれだけびっくりしてただろうってことがいっぱいある。
     スネイプ先生が実は味方だったっていうのはうすうす感づいてたけど(当初は、本当のハリーの父親はジェームズではなくてスネイプなんじゃないかと的外れな推理をしていたことを思い出す)リーマスとトンクスは死亡フラグがビンビン立ってましたけども、まさかフレッドが死んじゃうとは思ってなかった。これもうっかりウィキでキャラクターの名前を思い出そうと思ってチラ見してたときに知ってしまった。ショックですよ~。母のモリーがベラトリックスを倒したところはぐっときたのだけれども。

     とまあ、誰が死んだとか生き残ったとかについつい目がいってしまうんですが、7巻まで読み終わって一番心に残ったのは、立派な人生を送ったように見える人でも、生涯ずっといい奴であり続けたわけじゃないっていうことだった。ジェームズたちはいじめっ子だったし、スネイプ先生は一度闇に加担してるし(そのうえ味方ではあってもハリーのことは好きになれなかったみたいだし)、あのダンブルドアでさえも一度は権力に魅了されたのだ。
     人は変われるし、成長できる。それが人生の面白いところだな。なかでもネビルがすげえ立派になってて感動した。ずっとネビルはヘタレなイメージだったのに。大人になってホグワーツで薬草学の教授になったんですね。偉い偉いよネビル。
     そうそう十九年後はみんな幸せそうでよかった。ドラコがちょいハゲてたのがウケた。
     「すべてが平和だった。」
     このありふれた一文にたどり着けるまで、ハリーにはなんと時間がかかったことか。

     最後に蛇足ながら、訳者の松岡さんに対する批判を結構見かけるのだけど、彼女が翻訳の専門家ではなかったとしても、たとえ少なからず誤訳珍訳や伏線の見落としがあったとしても、ヴォルデモートがなぜか「俺様」でスネイプ先生がなぜか「我輩」だったとしても(苦笑)、わたしはやっぱりこの人が訳してくれてよかったんだと思う。
     日本人に受け入れられるかわからない状態で、小さな出版社の存続を賭して自分が惚れ込んだ物語の翻訳と出版に携わった松岡さんは立派だと思うし、そういう人がわたしたちの言語で物語を語りなおしてくれるのはありがたいことだ。たとえば大手の出版社が金にモノを言わせて翻訳権を勝ち取って、原文に何の思い入れもないベテランの翻訳家を連れてきて出版するより、たぶんずっとよかったのだと思う。
     あとJ・K・ローリングがOKした人だしね。

     そんなわけで、素敵なシリーズに出会えてよかった、とわたしは思うのでした。ありがとう。

  •  あー、終わった。
     長い旅であった。
     最終巻の感想だけ書いても仕方ないので、全体を通した感想も交えてなんか書いてみようかと思うわけなのですが。

     最終巻、なんだか、一番エンディングを急いでるのは作者だった気がする。というのも、今までの巻に比べて時間の流れはぶっ飛ぶわ、魔法がビュンビュン、火花はバンバン飛んで人はボンボン死んで血がザーザー流れて、フィナーレっぽいっちゃあフィナーレっぽいんですが、でも、最後だから許されるのか。映画になったらめくるめくグランドフィナーレになることでしょう。それだけの素材はある。

     けれども、書き手としてはやっぱり自分をコントロールできてなかったな。というのが正直なところです。でもよくも読者を飽きさせずウン千ページもつきあわせた。これは『失われた時を求めて』には出来ない仕事です。『フィネガンズ・ウェイク』にも出来ないだろう。
     などと。結局7集だけのまとめかよ!

     じゃあ、全体の話に入るけれども、結局「なんだったのか」ということに関しては、魔法使いは魔法使いだし、マグル(ただの人間を指す)はマグルなんだ。お互いに相容れないし、相容れないゆえに避けられないの悲劇もある。しかしその矩を越えられるのは「愛」だけだ……そうかな。テーマは愛。そうだろうか?

     結局「穢れた血」を受容しなくても、ルシウス夫妻は戦場でドラコを探しまわったし、魔法そのものを否定したバーノンさん一家はそのままどこかにいなくなってしまった(殺されたのかもしれない)。もう一度云うが、版元が推すように、本当にこれは「愛」の物語なのか? いやむしろ、「情」が種々のロジックを破壊するという皮肉、もしくは風刺ではないか。上を下への大騒ぎとは別に暗躍するリータ・スキーターや、ハリーに情けをかけられたがゆえに殺されるワームテールなんかの脇役を見ていると、むしろ「情はすべてを狂わせる」という逆説的な部分への示唆のほうが強くないだろうか。

     作者ローリングは、「正義や悪、帰属のロジック」と「情」の関係、その一点において、冷酷なまでに中立であったように思う。
     がゆえに、やっぱり最後はドンパチにしすぎたよな。はやくこの重荷を下ろしたい、楽になりたい、という筆の焦りが見えてしまった。この辺がプロじゃないんだなぁと、アタシは考えるのであった。

  • 発売から早4年、予約して買ったにもかかわらず読む勇気がなくて読んでませんでした。
    初巻から毎年発売を楽しみにしていたハリーポッターが終わってしまうなんて寂しすぎると思ってずるずる読み始めずにいたらずいぶんとたってしまいました。

    そして、今となって。やっと読み始めたら、やっぱり止まることができずに、一気に読んでしまいました。
    下巻でのいくつかの死は耐えられず涙を流してしまいました。悔しかったです。
    それほどに物語りに没頭して、ハリーの気持ちになってしまっていたのだと思います。

    すべての秘密が明らかになって。
    今、また初巻から読み直そうと思います。
    本当にすてきな本。ありがとうの一言です。

  • 今までの謎が解けてスッキリ♪
    でも、ついに終わっちゃったーと思うと切なくもある(;_;)
    スネイプの愛も切ない。

    中学生からずーっと読んできた、わたしにとっては特別な物語です( ´ ▽ ` )

  • これも久しぶりに読み直した。
    あまりにも面白くて、下巻に至っては初めて一日で読破してしまった。
    昔は全然気づかなかったけど、スピリチュアルの要素満載で、後半になるに従って「おおおお!」と心の中で歓声を上げた。
    大好きな場面は「キングズ・クロス」の章で、
    ハリーとダンブルドアが穏やかに話し合っている内容がスピすぎて嬉しい。

  • 最後の最後までいろいろな人たちが、八つ当たりとかしていた気がしますが...。
    この壮大な物語を読み終えた事がとにかく嬉しいです。

    これまで良いイメージを持っていなかった人たちが挽回できる巻でもあったのでスッキリ!
    ただ犠牲となってしまった人たちの死は、本当に辛いものでした。


    自分がハリーのような状況に陥ってしまったら、今のような冷静な判断はできないかもしれません。
    そう考えたら、イライラしてしまう事も仕方がないことなのかな?


    魔法を通したヒューマンドラマのようでした。

  • 完結編。最後までハラハラドキドキ。
    全ての謎が解ける。
    映画を観てから読もうと思ったが、「謎のプリンス」を読んで気が変わった。
    結末が解ってしまったが、映画とは少し違うようなので、それはそれで観よう。
    図書館では、子供向けファンタジーのコーナーに置いてあるが、すでに子供向けでは無いと思う。

  • ◼︎上巻
    遂に始まった打倒ヴォルデモートへの旅。魔法省への侵入、分霊箱の発見、ダンブルドアへの怒り・不信、3人の気持ちのすれ違い、ロンとの別れ、ゴドリックの谷での危機、銀色の牝鹿、グリフィンドールの剣、そしてロンの帰還、分霊箱の破壊………。他にもダーズリー一家との意外な別れやマッド・アイ、ヘドウィグの死など、内容は盛りだくさんであった。旅の途中別れてしまったロンは帰還し、分霊箱を破壊する剣を手に入れ、3人の仲を拗らせた分霊箱も破壊し、手探り状態であった旅にも光が見え始めた。これからどうなるのか、下巻が楽しみである。
    ◼︎下巻
    旅のキーとなる「死の秘宝」の存在が浮上し、旅は更に進む。ラブグッド氏の裏切や、人さらい、マルフォイの館、ドビーの死、ニワトコの杖、グリンゴッツ破り、剣の紛失と新たな分霊箱、ホグワーツ、失われた髪飾り、スネイプの死・過去、ハリーの死、そしてヴォルデモートとの戦い……。特にスネイプの過去には悲しく、深い愛が詰まっており特に記憶に残っている。隠れていた様々な伏線が全て明るみに出てきて、今一度全部読み返してみたいと思わせる内容であった。

    ハリー・ポッターはやはり名作です。まだ読んだことがないという人には、一度は読んでみてほしい。

  • ■2008・8・31【読了】

    ついに読み終わってしまいました。。。


    あんなに待ちわびていた、最終巻。

    結末を知りたいけど、でも、まだハリポの謎の世界に浸っていたいような。


    私は、プリンスから続けて読みました。

    ゆっくり読み進めようと思っても、読み始めたら夢中で。。。。


    ダンブルドア、あなたはすべて知っていたのですね。。。


    愛について、考えました。。。


    もう1度、賢者の石から読み直そうと思います。


    最高でした。。。


    ■2009・2・16【再読】

    賢者の石から続けて読みました。。。

    ため息。。。

    33章、プリンスの物語、何度も何度も読み返してしまいます。。。

    プリンスの深い愛の物語。

    永遠に誓った愛の強さが胸を打ちました。

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