- Amazon.co.jp ・本 (69ページ)
- / ISBN・EAN: 9784915777226
作品紹介・あらすじ
本で知った美しさ、本から感じた不安、悲しみ、本によって得た喜び。1998年9月、インドのニューデリーで開催された国際児童図書評議会第二十六回世界大会において、ビデオテープによって上映された皇后様の基調講演を収録。講演では時間の都合上削られた箇所も元に戻し、初稿を元に定本といたしました。
感想・レビュー・書評
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金大生のための読書案内で展示していた図書です。
▼先生の推薦文はこちら
https://library.kanazawa-u.ac.jp/?page_id=18426
▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BA38699282 -
美智子上皇后が国際児童図書評議会の世界大会においてビデオによる基調講演を日本語及び英語で書籍化されたもの。
本によって世の中の理不尽、悲しみ苦しみを知り、また同時に喜びと希望をも与えられるという事を、ご自身の戦時体験や、様々な読書経験を通して力強く語られている。
結びの言葉は、上皇后様の平和を願う祈りである。
子供達が、自分の中に、しっかりとした根を持つために
子供達が、喜びと想像の強い翼を持つために
子供達が、痛みを伴う愛を知るために
そして、子供達が人生の複雑さに耐え、それぞれに与えられた人生を受け入れて生き、やがて一人一人、私共全てのふるさとであるこの地球で、平和の道具となっていくために。
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平成の最後に手にしたのは、美智子様の本。1998年にニューデリーで開催された国際児童図書評議会にビデオ上映された 美智子様の基調講演を収録した一冊。
ご自身の幼少期の読書の思い出を軸に、子供にとって読書が持つ意味を美しい日本語で語っておられる。そして、その意味とは、講演の最後に言及された以下の三点に集約される。
子供達が、自分のなかにしっかりした根を持つために
子供達が、喜びと想像の強い翼を持つために
子供達が、痛みを伴う愛を知る為に
一点目は他の本でも見かけたこともあるが、二点目は美智子様の深い教養と知性を感じずにはいられない。そして、何よりも三点目の”痛みを伴う愛”が印象的。本書には当然出てくることはないが、民間から皇室に入れられるにあたり、決して表すことのできない苦悩があったのでは。この”痛みを伴う愛”と言う表現から、そんなことに想いを馳せ、平成は終わる。 -
第26回国際児童図書評議会での基調講演を書籍化したもの。
丁寧な言葉遣いがとても心地よい本でした。
この講演では美智子皇后の幼少期(戦時中)の読書体験が語られています。
自分が皇后になるとは思っていなかったであろう少女時代にどのような本に興味を持っていたのか、またその本を読んでの感じ方、感想などが興味深かったです。 -
美智子さまの子供時代なので、もちろん日本での話。
でもそれが、児童文学というものを通じて、世界共通の言葉となって発信される。
あの作品、この作品と語れば、世界中の人が、「ああ、あの作品」と共感してくれる。
それがまさに、児童文学の繋ぐ橋と言うものではないかと思います。
日本語と英語、2種類の言語で収録。 -
◆きっかけ
実家の本棚で見つけた家庭画報2016年3月号の中で美智子さまとご本という特集が組まれており、その中でIBBYでの基調講演が抜粋されていて、全文を読みたいと思ったので。2016/8/20
◆感想
図書館の児童コーナーにあったのを目にして手に取る。存在を知ってから随分経つ。やっと読めた。読書と幼少期、そして平和について、あたたかく、冷静な眼差しで語られている文章。何度も読み返したくなる内容だった。手元におきたい。2020/1/20月 -
国際児童図書評議会 第26回世界大会
皇后 美智子様の基調講演
英語版、および日本語版の両方が収められています。
[右表紙からめくる]
「橋をかける」 もくじ
子供時代の読書の思い出
皇后様とIBBYの人たち
注
[左表紙からめくる]
BUILDING BRIDGES
Reminiscences of Childhood Readings
Her Majesty
Empress Michiko of Japan -
インドで開催された国際児童図書評議会第26回世界大会での美智子様の基調講演。
美智子様が読書の思い出を語っている。
生まれて以来、人は自分と周囲の間に、一つ一つ橋をかけ、人とも、物ともつながりを深め、それを自分の世界として生きています。読書が橋をかけるのに役立ちます。
世界の国を知りたければ、その国の神話を読むことです。神話は不思議にもその民族を象徴します。
私たちは、本により悲しみや喜びを深く味わうことができます。自分と異なる境遇の人たちの気持ちを味わうことができるのです。それが心に橋をかけるということです。