始めませんか 子どもがつくる「弁当の日」 (シリーズ・子どもの時間 5)
- 自然食通信社 (2009年10月21日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
- / ISBN・EAN: 9784916110701
作品紹介・あらすじ
『”弁当の日”がやってきた』『台所に立つ子どもたち』に続く3作目は、「見捨てない医療」を掲げて、90もの地域の公民館で巡回検診を続け、患者と心通わせる医療を確立してきた医師、鎌田實さんとの対談。前著2冊読んでも「弁当で何ができるのだろう」と斜めに構え対談に臨んだけれど、竹下さんの話を聞くうち、「ひとりも見捨てない教育」を実現したいと、学校、家庭、地域が手を携えることのできる「弁当の日」の素敵なシカケに感動しっぱなしだったと、力強いエールを送った鎌田さん。全ページ通じ、あちらこちらに顔を覗かせる子どもたちの生き生きとした日常、瑞々しい表情を切り取った写真は竹下さん撮影によるもの。
感想・レビュー・書評
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学校の教育の一環で「子供が作る弁当の日」という授業があり、子供が弁当を作るという行為を通じて、子供はもちろん、親も、教師にも、大きな変化が生じるというお話。たまたま会社で回覧が回ってきた本なのだが、みくらばんを押さずに、ちゃんと手にとって良かった!!
以下、ざくっと文章に出てくる内容の自分なりの意訳。
・大切な人を思って作る弁当というテーマで、朝の5時に起き、父親の為に不器用ながらも一生懸命に弁当を作る娘。そんな弁当を渡された父親は、半泣きになりながら心からの「ありがとう」を娘にいうだろう。
・愛妻弁当ならぬ、愛娘弁当を持った父親の、ランチタイム。周囲の同僚にからかわれながらも、幸せですね、羨ましいですね、と声を掛けられる。どれだけ照れくさくも幸せな時間となることか。
・そして、そんな昼食の情景を、父は間違いなく娘に間違いなく報告する。娘はどう思うか。父のこんなにもニヤケた嬉しそうな顔は見たことがない。まさか、こんなに喜んでもらえるなんて。なんだろう、この心躍る感じは・・・。
・子供は、大人が思う以上に、自分の価値を探しているもの。子供が授業という半強制的ながらも、自分なりに一生懸命弁当を作ることによって、周囲から驚くほど、褒めちぎられることで、いかに自尊心を高められることか。自分自身への自信が生まれ、家族との絆が深まる。
・弁当を作るという過程は、あらゆる気づきがある。スーパーでの買い物。これはどんな味だ、値段の違いはなんなんだ、おいしい野菜の見分け方は、旬ってなんだ、、、。さしすせそ?おとしブタ?1つまみって?、、、。料理をすることの大変さも、楽しさも、わかる。親への、食べ物への感謝も、自ずと湧いてくる。教えられてわかるのではない。自らの経験から学ぶ。だから、腹落ちする。モノの見方が変わる。
・反対意見も当然ある。子供がかわいそうだと。諸事情あって弁当が作れない子もいる、恥をかく、と。だが、諸事情があることにフタをしてしまっては、一生その子はそのフタの下に追い込められるじゃないか。人生を変えてやりたいという強い信念があるかどうかだ。真に一人一人と向き合えば、恥は恥でなくなると信じるべきだ。臭いものにフタはするな、だ。
・子供が変われば親が変わる。親を変えるよりも、子供を変えるのだ。そうすれば社会が変わる。子供は親を親にするために生まれてくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本に出会えて本当によかった。めちゃくちゃあったかい本。自分が子供の頃に家族にご飯をつくったり家族の誕生日にはケーキを作ったりしていたことがどれだけ今の自分を形成していたのかわかった。将来の奥さんにも読んでもらって将来の子供に弁当をつくってもらいたいww
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元々は『玄米せんせいの弁当箱』という漫画で取り上げられていて、とても興味をもったので読んでみた。
他にも弁当の日についての図書はあるようだが、これは対談式で読みやすい。
話が飛躍していたり、つなげすぎな感もあるが確かにそういう効果があるんだろうな。お弁当の日賛成です。