夜回り先生

著者 :
  • サンクチュアリ出版
3.79
  • (262)
  • (148)
  • (382)
  • (19)
  • (3)
  • 本棚登録 :1165
  • レビュー :248
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784921132545

作品紹介・あらすじ

不登校、ひきこもり、リストカット、薬物乱用…12年間夜の街を回り、5000人の生徒と向き合った「夜回り先生」が激動の半生を振り返る。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 水谷先生のこの子ども達へ注ぐ眼差し、愛情、その強さはどこからくるのだろう。ただただ、すごい、と思う。
    指一本、失うことになっても、でもなお、夜の街を彷徨う子ども達を一人でもその世界から助け出そうと、夜回りを続ける。

    先生は仰います。
    子ども達はみんな「花の種」だと。
    どんな花の種でも、植えた人間がきちんと育て、時間を待てば、必ず花を咲かせる。これは子どもも全く同じで、親や学校の先生、地域の大人たちやマスコミを含む社会すべてが、慈しみ、愛し、丁寧に育てれば、子どもは必ず美しい花を咲かせてくれる。

    また大人たちにお願いがある、と。
    「どんな子どもに対しても、まずは彼らの過去と今を認めた上で、しっかり褒めてあげてほしい。よくここまで生きて来たね、と。
    生きてくれさえすれば、それでいいんだよ。」

    「いいんだよ、昨日までのことは、みんないいんだよ。
     でも、それだけではダメだよ。
     まずは今日から、一緒に考えよう」

    どんな子ども達にも分け隔てなく、そう寄り添っていけたら、子ども達はずっとずっと生きやすくなるのでしょうね。

    水谷先生の生い立ちも書かれています。
    水谷先生も悲しみの人なんだと、だから、あのように共に悲しみ、寄り添えるのだと思います。
    そして、大学の時に出逢った先生が素晴らしい。

    人との出会いは、大きな影響を与える。どんなに自分より年下の人であっても、丁寧に接していきたいと思う。

  • 昨晩眠たかったのだが、買いだめした本の中にあったのを、なぜかふと手に取り、布団の中で読み始めると止まらなくなった。
    水谷氏のことはテレビなどで少しは知っていたが、簡潔に書かれているものの、数多くの子供たちとの壮絶なドラマに言葉をなくした。

    彼は、なぜここまでできるのだろう?教師だから?しかし、ここに出てくる子供たちは、彼の生徒ではない。犯罪を犯した者さえいる。
    そんな彼らを、水谷氏はまずは「いいんだよ」と認めてやる。
    どんな子供だって、この世に生を受けたという事実においてはみんな平等だが、育つ環境は様々だ。
    だから、こどもが引き起こしてる問題は、周りの大人の責任である。

    彼が、なぜ「夜回り」を始めたのかも書かれていたが、もうこれは仕事の域を超えている。
    彼を突き動かせているものは、仕事からくる使命感ではなく、人間として、一人の大人としての使命感なのだと思う。

    彼は、失敗を重ねる子供たちに、「いいんだよ」と声をかける。しかし、子供たちの口から洩れる「死にたい」という弱音だけは認めない。
    命の大切さ、生きることの素晴らしさを彼らとともに分かち合うことで、水谷氏自身も生きていくことの意味を感じ取っているのだと思った。

    信じられないような哀しい話ばかりだったが、水谷氏の生きざまから、親として大人としてのあるべき姿を教えられた。

    • marinosbooklogさん
      貴方も親としてあるべき姿を示していると思いますよ。と娘から言ってみる
      2012/04/02
  • こんな先生もいるのだな~と思ったら、先生自身も寂しい子供時代だったとわかって、先生の行動に共感できた。

  • 夜の街を歩き、数多くの悩める子供たちと向き合った「夜回り先生」による手記。
    不登校、ひきこもり、リストカット、薬物乱用など、この本に登場する子供たちを取り囲む状況は不穏そのもの。守り向き合うことを放棄した大人たちの手からすり抜けた子供たちは、肯定されることを知らない。そんな彼らに対し、水谷氏は「いいんだよ」と手を広げる。

    孤独に苦しむ子供が居ない社会へ、という切なる願いが込められている1冊。こうゆう事実があるということを知れて良かった。「夜回り先生」に敬意を払いつつ、私自身は自身の出来る範囲で周りに対し誠実に向き合っていこうと思う。

  • ――「おれ、窃盗やってた」「わたし、援助交際やってた」「おれ、イジメやってた」「わたし、シンナーやってた」「おれ、暴走族やってた」・・・

      いいんだよ。
      昨日までのことは、みんないいんだよ。

    「おれ、死にたい」「わたし、死にたい」

      でも、それだけはダメだよ。

    夜回り先生こと水谷修さんの本。
    今だからこそ読みたかった。

    「もし花を咲かせることなく、しぼんだり枯れたりする子どもがいれば、それはまぎれもなく大人のせいであり、子どもはその被害者だ。(35頁)」

    水谷さんは、自身のあり方を「正しいのか、間違っているのか」分からないと言うが、この人の優しさこそ正答であってほしい。

    だが、この人が強硬な「子ども擁護派」であることも、また事実。夜回り先生は大人を守ってはくれない。
    大人になる前に歪みの連鎖を止める必要がある。私たち大人が、子ども達を守ることで成長しなければならない。今一度、大人としての責任を問われるような、苛烈な本だった。

    • ダイコン読者さん
      ぜひどうぞ~v
      水谷さん、「大人不信ですか?;」ってほど子ども寄りの考えを書かれますが、とっても一途な教育者です。
      子どもの行いが、いかに加害であったとしても、「子どもは大人の被害者である」と言い切る大人。
      そういえば、幼児期は他の子に噛み付いても「園生活でストレスが溜まったのね・・・」とかって先生は見てくれますよね。その状態を、せめて義務教育か高校くらいまでは保って、学校と親と社会の大人が、ちゃんと責任持って子どもを守っていかなきゃなあ、と思ったりします。
      子どもが安心して笑える基盤を作りたい。
      2012/07/13
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「学校と親と社会の大人が、ちゃんと責任持って」
      どうして、そうじゃなくなってしまったのでしょうね。
      子どもに未来を与えてあげなきゃ、心が萎むばかりなのに、、、
      2012/07/13
    • ダイコン読者さん
      そうですよね。基盤さえちゃんとしてれば良い。
      子どもは、自分を肯定する力さえあれば、他者も肯定できると思うんですよ。
      母がよく「自己肯定感」と表現するのですが。それさえあれば大丈夫だって。基本、叱るときひは叱ったとしても、「褒め育て」が大事なのかも知れません。大人になってから「褒められ足りない」とか「甘え足りない」ってなっちゃうと、取り返しつきませんから(^^;)
      2012/07/14
  • 世の中の先生がみんな水谷先生みたいだったらいいのに

  • 「人はただ生まれ、生きていくしかない。
    でもそこには多くの幸せがあると思う。」


    生きるって、
    いっぱい辛いこともあるけど、
    いっぱい幸せなこともあるのです★

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「人はただ生まれ、生きていくしかない」
      深くて良い言葉だなぁ、、、でも流されちゃダメなのよね。
      2012/07/25
    • 茜さん
      nyancomaruさん
      生きていく理由なんてシンプルでいいのかもしれないなーって思います。
      流されるのではなく、流れに乗っかっていきましょう!
      2012/08/21
  • 「いいんだよ」と認め受け入れている。ここに書かれている生徒は向き合ってきたたくさんの生徒の中のほんの一部分だけどすごいなと思った。

  • 「もし花を咲かせることなく、しぼんだり枯れたりする子どもがいれば、それはまぎれもなく大人のせいであり、子どもはその被害者だ。私はそんな被害である子供たちとの出会いを求め、ずっと夜の街で生きてきた。それはきっと彼らを救うためではなく、ただ単純に、彼らのそばにいたかったからだ。」
    まえがきに書かれていたこの一節が忘れられない。「俺が更生させてやる」なんていう驕りが、この人には一切無い。そしてそこにはただひとつのウソや虚栄も無い。
    こんな人がいるんだから、世の中捨てたもんじゃないな、と思う。

  • 指(´;ω;`)

全248件中 1 - 10件を表示

夜回り先生のその他の作品

水谷修の作品

夜回り先生を本棚に登録しているひと

ツイートする