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- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784924420991
感想・レビュー・書評
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淫獣トリステサ、凄すぎる、クセになりそう
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決してそっち方面ばかりでないんだけど何となく異端な印象の強い人でありますが、このアンソロジーを読むとやっぱ珍妙な語り口と全体を貫くヤコペッティ的なモンド感が特異でありますなぁ。。
さて、タイトルどおりに人と獣との混合が描かれた作品が5編収録されています。
といっても決して直接的にエロい場面なんかが描かれているわけではなく、あくまでも婉曲的に表現されています。
しかしながら、直接的に表現された文章を読むよりも、遙かに猥雑でおぞましい印象を受けるのです。
かつて澁澤龍彦は、「人獣交合の描写のエロティシズムとグロテスクぶりにかけては、この橘外男の『陰獣トリステサ』以上のものは、まだ世界のどこの文学にも現われていないようだ」と言ったそうである。
物語の主題は「人と獣の・・・」にあるのでしょうが、どの短編でも主軸となるのは主人公の非常に鬱屈した精神にあり、むしろ人獣譚はその生理的な嫌悪感を引き立てる道具に過ぎないようにすら思えます。
えっ、これで終わりなの?、て呆気ないラストが多いことも、読後の後味の悪さを助長してくれます。
けれどその胸が悪くなる醜悪さに惹かれてしまうんだなぁ。
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