見ることからすべてがはじまる アンリ・カルティエ=ブレッソン インタビュー/会話(1951-1998)

制作 : クレマン・シェルー  ジュリー・ジョーンズ 
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784924671492

作品紹介・あらすじ

 「カルティエ=ブレッソンの写真は、何というお宝なんだろう。……少しのあいだだけでもその作品に向き合えるのは特権だ。今なら、カルティエ=ブレッソンについて前よりもよくわかっているのだろうか。何が特別だったのか。そのまなざし、そのフレームだったのか。世界をみる見方だったのだろうか。それを学ぶことはできるのだろうか」――ヴィム・ヴェンダース〔映画監督〕
 
 2014年2月から6月まで、展覧会『Henri Cartier-Bresson』が、パリのポンピドゥセンターにより企画展示され、マドリッド、ローマ、メキシコと各地を巡回展示した。本書は、その展覧会の際にポンピドゥセンターの写真部門キュレーター(当時)のクレマン・シェルーとキュレーター補佐のジュリー・ジョーンズによって編著された『 « Voir est un tout » : Entretiens et conversations (1951-1998)』(ed. Centre Pompidou)が元となっている。また英語版が、ニューヨークのアパチャー財団から『Henri Cartier-Bresson : Interviews and Conversations (1951-1998)』(ed. aperture)として出版されている。
 1951年から1998年にかけて実現された12の会話とインタビューを収録。多くの場合、カルティエ=ブレッソンのインタビューは一度雑誌に掲載されて以降、再び表に出ることはことなかった。それらのインタビューから立ち現れてくるのは、世界の状態について解説し、自らの辿ってきた道筋を振り返りながら、写真について人々の心を捉えながら情熱的に語る、ひとりの人間としてのカルティエ=ブレッソンの姿である。半世紀近くにわたるインタビューを年代順に配置することにより、彼自身の言葉が、写真家の考え方の進展をも明らかにする。そこからは伝説の中に押し込められた姿ではなく、それとは正反対に生き生きとしたカルティエ=ブレッソンの姿が浮かび上がってくる。
 幼いころの記憶から、画家を目指し、その後写真家に。第二次大戦時の捕虜体験と幾度もの脱走……。マグナム・フォトを設立前後の話、盟友キャパとの関係と、その死について語る。(表紙写真=Henri Cartier-Bresson, 1935, by George Hoyningen-Huene
© George Hoyningen-Huene Estate Archives
Digital Image © 2021, The Museum of Modern Art, New York/Scala, Florence)

感想・レビュー・書評

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  • 「驚異の美」を捉える 写真家ブレッソン 一瞬へのまなざし
    THE KYOTO
    https://the.kyoto/article/bresson

    見ることからすべてがはじまる アンリ・カルティエ=ブレッソン インタビュー/会話(1951-1998) アンリ・カルティエ=ブレッソン(著/文) - 読書人 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784924671492

  • カルティエ=ブレッソンのインタビューを見ると、現代の価値の尺度にいかに他人からの見え方、評価が介在しているか。最終的に他人に見られる「写真」の性質と、SNSなどの力で自分と世の中の壁が極めて薄い中だとしょうがない。

    そのような現代だからこそ、彼の美学が深く刺さる。彼にとって重要なのは写真そのものではなく、視覚的延長であるカメラで生命の瞬間を捉え、瞬間的解釈と図形的解釈を加えることで意味づけすること(=自分自身や世の中に対する問いでもある)。この行為に喜びを感じるという点からも、彼の写真家という職業は単なる一側面でしかないことがよく分かる。写真撮影における一連の行為の本質的な意味について考える良い機会になりました。

    以下ネタバレ含む印象的だった部分の抜粋メモ
    ===
    ・フラッシュは使いたいとも思わない。なぜなら、真実であることこそが、疑いようなく、写真が持つ最大の美点だから。

    ・内容と形式(図形的な)の完璧な結びつき、これは当然直感的なものでもあるが、これこそが重要

    ・ライカは文字通り、私の目の視覚的延長

    ・お気に入りの写真がどれか、というのには興味がない。私が興味を持っているのは次の写真であり、次に訪れることになる場所。ひとつひとつが常に新しい体験とならなければいけない。

    ・写真家にとって最大の喜びは、世間に認められることや成功することではなくコミュニケーションである。あなたの表現が他の人々の中に意味生じさせることができ、その上で重要性を帯びることができたとすれば、それこそが喜びなのです。

    ・私にとって写真は、刹那における、二つのことの同時的認識である。一方には、事実の意味そのものへの認識がある。他方には、その事実を表現し視覚的に知覚されるフォルムの厳密な構成への認識がある。

    ・ジャーナリズムは、理解するための方法です。事件を列挙するだけで満足する人がいる一方で、ある特定のジャーナリストたちは優れた物書きでもあるのです。

    ・教育にせよ実習にせよ、いずれも写真と噛み合うことはありません。まずは生きて、みなければならないのです。あらゆる写真の学校は、でたらめです。そこで学ぶことは、撮影手法に影響を与えてしまいます。

    ・自分の考えでは、多くの有能な写真家はデビュー当初から優れていたのであり、成熟などとは馬鹿げた考えである by ヨーゼフブライテンバッハ

    ・福音書には「初めに言葉があった」と書かれています。私にとっては「初めに幾何学があった」ということになります。全ての混乱の中には秩序がある。現実世界において私が探し求めているのは、そのことなのです。

    ・考案する人と発見する人は根本から異なる。客観的偶然。

    ・私が写真について考えることはありません。考えることなど絶対にしない。写真を考えずに、写真を撮ります。そのふたつは異なる行為なのです。私は生命を考え、フォルムを考え、私のことを楽しませてくれるもの、あるいは驚かせてくれるものに考えを巡らします。

    ・文化とは二次的なものである

    ・写真は世界を問う方法であり、同時に自らを問う方法です

    ・最大限のものを得るためには、手段を減らさなければいけない。それが理由で私は一つのカメラの一つのレンズしか持ち歩かない。

    ・シュルレアリストたちは、その行動のすべてが既存の秩序に対する反対であり、芸術全般に対する反抗でもあった

    ・全ての人間が潜在的に芸術家である、つまり優れた感受性を持った人間である

    ・人生で重要なのは、体験であり、ある人々に出会い、ある出来事に立ち会うことです

    ・拒否することは、私の楽しみであり喜びなのです。(=絶対自由主義、全ての権力への徹底した反対)

    ・優位を占めるのはフォルムであって、光ではありません。すべてはその中にあるのです。

    ・最も過大評価されてる美徳とは何でしょうか? 効率

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アンリ・カルティエ=ブレッソンの作品

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