- 本 ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784924684515
作品紹介・あらすじ
象を見ると幼い子どもは「ぞうさん ぞうさん おはなが ながいのね」と口ずさみます。
子どもも大人も歌詞には注意を払いません。でも、詩として文字を読んでみると、スゴイ詩だ、と判ります。
象さんの子どもは、鼻が長いことを誇りに思っているのです。だって、大好きな母さんの鼻だって長いのですから。
「くまさん」もそうです。水に映った自分の顔を見て、「そうだ ぼくは くまだった よかったな」となります。
自分が自分であってよかった、という認識は、人が生きていく上で、なにより大事です。
象さんも熊さんも、人も木も空も石ころも、みんな自分に生まれてきてよかったのですね。
そう歌いつづけるまどさんは、子どもだけが読者の童謡詩人ではありません。やさしい子どもの言葉で語っていると
見せかけて、こんな根源的な真実を語りつづけるまどさんの、本格的なアンソロジーが、「くまさん」なのです。
感想・レビュー・書評
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良い詩集でした。『くまさん』はもちろん名作ですが、『ペンギンちゃん』『アリ』『コオロギが』も好きでした。『ペンギンちゃん』は単純に可愛いのですが、それだけでなく与えられたものを素直に受け入れて、前に歩いていく様が想像できて明るい気持ちになれます。『コオロギが』はタイトルからは予想がつかない言葉の詰め合わせでした。「一方的であるほかないのだ いつだって人間は」というフレーズが一番のお気に入りです。真理ですね。
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つきのひかり、ちいさなゆき、もう すんだとすれば、一ばんぼしが特に心に残った。
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誰かが感じた「世界」を、他の誰かにそのまま言葉で伝えることは難しい。並外れた感受性をもったまど氏の世界であれば、なおさらだろう。
氏は、それを、子供にでもわかるような簡単な言葉で、なんとか伝えようとされている。我々はそうした言葉と言葉の間から、その世界を想像するしかない。
俳句の読み方に近いのかもしれない。
個人的には「つけものの おもし」という詩がよかった。あたりまえのものがそこにあるということが、本当はとても不思議なことなのだということに気づかされる。
文庫サイズのハードカバーで、想定も可愛らしい本。プレゼントにもよさそう。 -
まど・みちおさんは童謡のぞうさんなど沢山の作詞で知られる詩人。 100歳になられたが、今なお衰えぬ創作意欲で毎日を過ごしておられる。
先日のお正月のNHKのスペシャル番組でまどさんの現在の生活の 様子を拝見して感激しました。 何事もありのままに受け止め、すべての事に興味を持たれます。まどさんはそんなご自分を”不思議がり”という言葉で表現しています。 だから、毎日の出来事で感じたことを欠かさずノートに記録します。 そこから、沢山の詩が生まれるのです。 まどさんよりやや年下の奥様に少し認知症の症状が出てきました。 そのためお二人で暮らしていた頃、混乱が起きます。 その出来事を”アルツとハイマーくんの大爆笑”とユーモアを 交えてお話するのですから素晴らしい! 幸せとは、今の自分を肯定的に捉えられる人、感謝出来る人。 そう、まどさんは語っていました。 買い求めたまど・みちお詩集は小さな可愛い本です。
ぞうさん、くまさん、アリくん、さかなくん・・色々ありますが、 私が一番気に入ったのは「地球の用事」という詩です。 -
「くまさん」が一番好きです。
自分が自分であることを素直に肯定できる。
とても、あったかい気持ちになれます。 -
「ぞうさん」の詩はみーんな知ってますよね。まどさんの詩は、やさしくてわかりやすい。そのわかりやすい言葉が、すっと差し込む瞬間に涙がでます。立ち読みで「きりん」という詩を読んだ時、本当に時が止まったのです。でも何で私まどさんの本一冊も持ってないんだろう?買うのわすれちゃうぐらいだからかな。
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タイトルの『くまさん』以外にも『ふしぎなポケット』や『ぞうさん』、『やぎさん ゆうびん』など懐かしいものばかり。多分30年振りくらいに読んだ。
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【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
最高だ。純度99.999999%
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「くまさん」
「さくらの はなびら」
「もう すんだとすれば」
著者プロフィール
まどみちおの作品





