おんなのことば (童話屋の詩文庫)

著者 :
  • 童話屋
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本棚登録 : 896
レビュー : 124
  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784924684782

作品紹介・あらすじ

自分を叱る、自分を励ます。茨木のり子初の詞華集。

感想・レビュー・書評

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  • 王様のブランチで、イモトアヤコさんがおすすめしていて
    有名な一節は知っていたけど、しっかりと読んでみたいなと思い手に取った。

    「自分の感受性くらい」を始めとして
    力強い表現が並んでいた。
    何度も、はっとなる瞬間があった。

    「わたしが一番きれいだったとき」「夏の声」「落ちこぼれ」が特に印象に残った。

    「いくじなしは いくじなしのままでいいの
    泣きたきゃ 泣けよ
    意気地なしの勁(つよ)さを貫くことのほうが
    この国では はるかに難しいんだから」

    「落ちこぼれ 和菓子の名につけたいようなやさしさ」

    約30年前に出版された作品。
    (アンソロジーだから詩自体はもっと前に発表されている)
    今でも全く色褪せず、令和の現代に生きる人、特に女性の背中を、十分に、力強く押してくれる作品だ。

  • 家にあった茨木のり子さんの詞華集です。
    再読しました。
    その中から、今いいと思った詩と感想をひとことずつ。

    「わたしが一番きれいだったとき」
    私は戦争体験はないけれど、ずっと孤独だった気がします。

    「あほらしい唄」
    もう、私を娘などと呼ぶのは母くらいのものですが。

    「問い」
    「人類は」を「人生は」に変えて読んでみたらどうなるでしょうか。

    「一人は賑やか」
    なんだか笑みがこぼれてきます。

    「食卓に珈琲の匂い流れ」
    日曜日の朝の珈琲の匂い。私もすいこんでみたいです。

    「友人」
    私にも一人か二人はいるので秀(しゅう)でしょうか。

    「十二月のうた」
    今、まさに師走です。
    私は、大切なものは絶対に落とさないようにしたいです。

  • 著者の六冊の詩集から抜粋された三十五編の詞華集。一番好きな「自分の感受性くらい」が冒頭にあり嬉しかった。

    「いい詩には、ひとの心を解き放ってくれる力があります。いい詩はまた、生きとし生けるものへの、いとおしみの感情をやさしく誘いだしてもくれます。」

    あとがきで引用されていたこの文章に、田中和雄氏と同様に大きな共感を覚えた。

  • 茨木のり子さんの6冊の詩集から選んだ詩を
    収録した1冊です。

    開いたら最後、
    冒頭の「自分の感受性くらい」に
    心をがしっとつかまれてしまう…

    これが「おんなのことば」という詩集の
    力です。

    もちろん
    ピンとくる詩やそうでない詩と
    様々にありましたが、
    (そのため☆は3つです)

    ピンとくる詩のもつ力はすさまじく、
    心の奥底までぽとんと落ちていき、
    もぐっている扉をトントンとたたくのです。

    「みずうみ」「待つ」「さくら」
    「あほらしい唄」「最上川岸」
    「十二月のうた」「汲む」、
    そして童話屋・田中和雄さんによる
    「あとがきに代えて」は、
    特に味わい深く、しみるものがありました。

    人にはもともと、感じる力がそれぞれに
    備わっているけれど、
    外側の環境がそれにフタをしてしまう。

    でも「おんなのことば」のいくつかの詩は
    感じる力のフタを開けるに、
    きっとなってくれると思います。

  • 『みずうみ』『汲む』が特に良かった。

  • 茨木のり子の詩は
    女性としての美しい精神に満ちています。

    自立するということ、
    情を持ちつつも厳しく世の中を眺めること、
    男性からの視線を受け止めること、
    子供達を育てようというたくましい母性を持つこと。

    外見を美しくたもつことも大切かもしれませんが、
    心のあり方も、やはり美しくありたいものです。

    この詩集を読めば、
    凛とした気高い女性のスピリットを感じることができます。

    自分の感受性くらい、は叱られているようだけど、それが心地よく響く作品。

  • 著者初の詞華集。
    今年春に世田谷文学館で行われた著者の展覧会に行ったのをきっかけに再読。
    淡い色使いの可愛らしい表紙に油断をしてページを捲ると、一作目は「自分の感受性くらい」。いきなりガツンと殴られる。余計なものをそぎ落とした力強くも逞しい詩から、軽快な言葉遊び、そして女性らしい素直だったりそうでない感情など。
    詩というと少し深読みが必要だったり言葉の意味を図りかねる場合もあるが、著者の詩は飾り気がなくて、実直で、堂々としている。茨木さんの詩を前にすると「叱咤激励」という言葉が頭に浮かぶ。
    でも個人的には茨木さんの恋の詩が好き。ちょっと意地っ張りな雰囲気が可愛らしい。

  • 凛とした厳しさも愛しさも籠った詩集とおもう。
    『落ちこぼれ』と『さくら』に惹かれたけれど、何といっても最後の『汲む』に慰められた。引用させていただきます。


    汲む ―Y・Yに―

    大人になるというのは
    すれっからしになることだと
    思い込んでいた少女の頃
    立居振舞の美しい
    発音の正確な
    素敵な女のひとと会いました
    そのひとは私の背のびを見すかしたように
    なにげない話に言いました

    初々しさが大切なの
    人に対しても世の中に対しても
    人を人とも思わなくなったとき
    堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを
    隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました

    私はどきんとし
    そして深く悟りました

    大人になってもどぎまぎしたっていいんだな
    ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
    失語症 なめらかでないしぐさ
    子供の悪態にさえ傷ついてしまう
    頼りない生牡蠣のような感受性
    それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
    年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
    外にむかってひらかれるのこそ難しい
    あらゆる仕事
    すべてのいい仕事の核には
    震える弱いアンテナが隠されている きっと……
    わたくしもかつてのあの人と同じくらいの年になりました
    たちかえり
    今もときどきその意味を
    ひっそり汲むことがあるのです

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      若い人が、こういう言葉と出会えたら素敵ですね。。。
      岩波文庫に谷川俊太郎が編んだ詩集が入るそうなので、今から楽しみ。
      若い人が、こういう言葉と出会えたら素敵ですね。。。
      岩波文庫に谷川俊太郎が編んだ詩集が入るそうなので、今から楽しみ。
      2014/03/05
  • 詩を読むことがなかったけど、イモトアヤコさんおすすめの本の1冊だったから読んでみた!
    最初の詩からとても心打たれるものばかりですぐに読んでしまった!
    “自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ”
    本当にそうだなって思う。
    生き方や考え方を見つめ直せた!

  • ハッとさせられたり、心に寄り添ってくれたり。古くからの親友のような感じのする一冊です。

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著者プロフィール

作詩:詩人。大阪生まれ。1953年、川崎洋と同人誌『櫂』を創刊。戦後の現代詩をリードする。代表作「わたしが一番きれいだったとき」の他、詩集『対話』『見えない配達夫』『鎮魂歌』など。


「2017年 『女声合唱組曲 歳月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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