いそがなくてもいいんだよ

著者 :
  • 童話屋
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本棚登録 : 125
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784924684836

作品紹介・あらすじ

大人になっても自由で奔放で、詩を書き童話を作り、絵を描いて暮らした詩人・岸田衿子。
小さいときから絵が好きで、絵描きのかたわらスケッチブックに詩を書きはじめ、
「ことばのデッサンに取り組むようになりました」。
絵本を書いてもエッセーや詩を書いても、衿子さんの主調音や色づかいは変わりません。
この詞華集を美しく飾る、花や実のカラー挿絵を描いたのは、植物学者で画家の古矢一穂さん。
表題『いそがなくてもいいんだよ』という一行は、「南の絵本」という詩の一節です。

感想・レビュー・書評

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  • 『いそがなくてもいいんだよ』読了。
    作家の松田青子さんがインスタのストーリーでアップしたときに知った本。
    詩集なんだけど、想像力を掻き立てるような内容で。冒険に出たような気分になった。私が私を取り戻すような、そんな気分になった。
    あなたのままでいい。自然の力に逆らうことは出来ないのだから、と詩の内容を通して語りかけてくる。いつも焦っていた。何に焦っているのかすら分からないのに。読んでいるうちに自分の時間を取り戻しているような感覚。いろんなところに気が散っていたからか、自分を亡くしていたのかもしれない。

    2022.10.15(1回目)

  • 偶然開いた1ページを読めば深呼吸することができる
    ここから宇宙まで、今から過ぎ去った時代へ、自由に行き来できる

  • 童話屋の詩の定期便で届いた一冊目です

    編者の田中さんからのカードも添えてあり、毎月一冊ずつ届くそう。楽しみです
    http://www.dowa-ya.co.jp/news/info_01.html

  • 岸田さんの詩は絵画作品のようだなと思いました。

  • なぜ 花はいつも
    こたえの形をしているのだろう
    なぜ 問いばかり
    天から ふり注ぐのだろう



    生まれた年にできた本に26歳で出会う
    そのことばに寄り添って眠れる日がある
    いきていることばはこんなにも美しいんだなと思わせてくれる

  • 南の絵本、かぜと木が特に良かった。

  • いいなあと思う。
    この人の絵本も好きだが、詩になっても、絵がまるであるかのような、色彩のゆたかさ。

    文章だけなのに、匂いや色や香りが浮き立ってくるかのよう。日々をたんたんと、そのなかに驚きを。簡単なようでいて、いちばんむずかしい。

    目線が子ども目線というか、腰くらいのところにあって、高すぎず、低すぎず。日々を見通すのにちょうどいい。

    安心できる作家さん。思わず歩がゆるみます。

  • !!!!!!ブックカフェキューブリックにて。
    すばらしいであい

  • 一行一行、大切に読み進めていく。
    じっくりと言葉に向き合いたいときに。

  • どうして絵本でも詩でも、同じような行間の匂いがするのだろう。はじめて岸田衿子さんと出会ったのは「かばくん」だと思う。幼い頃何度も母が読んでくれた。かばくんが口を開けるところを読んでもらうのが好きだった。表題の詩を書籍名にするのはいかにも癒し効果を狙っているようで好きでないのだが、この人の植物のことをうたう詩が好きだ。それは例えアルハンブラ宮殿の壁のつるくさでも。
    「なぜ 花はいつも こたえの形をしているのだろう なぜ 問いばかり 天から ふり注ぐのだろう」という詩が好きで。花の形のその薄く透ける曲線や天に向く佇まいは、普遍の真理のようで圧倒される。岸田さんが同じような思いで花を見つめているのではないかと思って、うれしかった。

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著者プロフィール

1929年、劇作家・岸田国士の長女として東京府豊多摩郡に生まれる。立教女学院小学校、立教女学院女学校を経て、東京芸術大学油絵科に入学。1955年、谷川俊太郎の勧めで第一詩集『忘れた秋』を発表し、詩人としてデビューした。童話作家としても活躍し、1966年には画家の中谷千代子とコンビを組んだ『かばくん』でドイツ児童図書賞を受賞した。1973年、『かえってきたきつね』で産経児童出版文化賞大賞を受賞。

「2019年 『岸田衿子の詩による無伴奏男声合唱曲 うたをうたうのはわすれても』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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