くどうなおこ詩集〇

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本棚登録 : 60
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784924684850

作品紹介・あらすじ

「のはらうた」以外の、くどうなおこさんの名詩・名散文詩が満載。
主に私家版詩集を底本とし、ページ数も他の詩文庫より32頁多くて、とってもおトクなアンソロジーです。
詩では、「ちびへび」「 のろすけ」「ライオン」「あいたくて」ほか。
散文詩では、「ふきのとう」「てつがくのライオン」「ぼくが密林一きれいな豹になった話」ほか。

感想・レビュー・書評

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  • くどうなおこさんの詩集ですね。
    くどうなおこ〈工藤直子〉さん(1935ー)台湾生まれ。詩人、童話作家。
    動物を擬人化して楽しく愉快に生きる喜びを詩に託されています。とにかく明るいですね。
    茨木のり子さんは、くどうなおこさんの詩について「らくらくとくつろいで書いているので、読むほうも楽しくなり刺激されて、これぐらいなら自分でも書ける気分、パッと白い手帖なんか取り出してみるのですが、てんで駄目です。言葉を使う術が非常に洗練されていて、あらためてうっとりしてしまいます。とても真似なんかできません」と語られています。

          めがさめた

     どうしたの? 山
     うす緑のようふくが ふるふる ゆれてるよ
     おおい山よ! なに ふるふるしてるの?

     だってね くっくっく
     雪どけみずが ちょろちょろしてさ
     りすは もこもこするしさ
     かえるは ごそごそ のねずみ かさこそ
     みんな めがさめて あちこち うろちょろ
     くっくっくっ くすぐったくてなあ
     あーーっはっはっはっは

     山がわらった 春がきた


           心

      たいくつか 心
      たいくつなら
      まりになれ 心
      わたしの手まりになって
      おどれ 心
      
      まるい まりをついて
      わたしは畠にでかけよう

    心が軽くなる優しい憂いに富んだ詩集です。とにかく楽しくなりますね。生きる勇気、希望があふれてきます。いっぺんでファンになりました。

  • ほほえましくて、かわいらしい。コロコロと心の中で弾けるような感じ。でも、時々チクンと刺す言葉もあったりして。
    松本大洋の母上様だったとは!

  • カタツムリさんや、海豚(いるか)さん、モンシロチョウに「ことば」を語らせ、詩にするくどうなおこ。
    いや、「語らせ」るというかは、くどうなおこが、自然や動物や虫や草からの「ことば」を聴きとって、受け取って、それをスラスラと文字にしているような気がする。
    自然界を描写するそれは、とても人間らしくあたたかい様子でもあるし、自然の中の人間らしさでもあるのかもしれないとふと思ったりする。

    ライオンもてつがくだってするさ。

  • 少しだけ自分自身の世界観が変わった気がした。彼女の詩集をもっと読みたくなった。

  • 2010/5/12

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著者プロフィール

訳者 くどうなおこ
台湾生まれ。詩人・作家。『てつがくのライオン』で日本児童文学者協会新人賞、『ともだちは海のにおい』でサンケイ児童出版文化賞、『ともだちは緑のにおい』で芸術選奨新人賞、『のはらうたV』で野間児童文芸賞を受賞。2004年に巌谷小波文芸賞を受賞。絵本の翻訳に『だんまりこおろぎ』『ゆっくりがいっぱい』『月夜のみみずく』などがある。

「2020年 『英語でもよめる できるかな? あたまからつまさきまで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

くどうなおこの作品

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