- Amazon.co.jp ・本 (101ページ)
- / ISBN・EAN: 9784931129658
作品紹介・あらすじ
子どもたちの飾らないことばとユーモア、やさしいまなざしが感動的な詩集。〈解説・灰谷健次郎〉
感想・レビュー・書評
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最高の書物。
人間の素晴らしさというか、人間なんかに価値があるのかと思う時、これを読めば、大丈夫、ちゃんと価値があるよな、と思える。
きっとここに書いてあるような気持ちや発想は、世界中で常に生まれ続けているけど、それらはほとんど日常のなかでパッと生まれ一瞬で消えていくもの。当然のものとして、存在するはずのものだろう。それをわざわざ切り取って見せることは、傲慢というか不遜な気もするけど、でも、人はこういうことを常に覚えていられないし、情けないにしても、こうやって目に見える形にしておかないと、分からなくなってしまうと思う。
ここにあるのは、日常だし、当たり前だし、普遍のものである(とくに素敵なものだけを抽出しているが)。ほとんどすべての人が忘れ去ってしまうのが悲しいけど、存在するんだ、という事実を思い出させ、人間も捨てたもんじゃないと思いなおさせてくれる。 -
母から紹介されて読んだ。
主に6、7歳の子どもたちが書いた言葉たちには、ほとんどと言っていいほど「お父さん」か「お母さん」が出てくる。
それほど、この年齢の子どもにとって、親は大きな影響を与えているんだろうと思うと、気が引き締まる。
それぞれの詩に書かれた灰谷さんのコメントも温かで和む。 -
・「いぬ」 さくだ みほ(6歳)
いぬは
わるい
めつきはしない
・「もし ぼくがブタだったら」 おがさわら みつとし(7歳)
もし
ぼくがブタだったら
のはらで
ころんころんして
くさのにおいを
いっぱいたべて
くらします
・「おつきさま」 なかむら つとむ(6歳)
いぬをさんぽにつれていったとき
きれいなまんげつがでた
「おつきさんはどうしてついてくるの
ぼくがとうきょうまであるいていったら
おつきさまもついてくるの」
おかあさんは そうやといった
そうしたら こうべに
おつきさんがなくなるね
・「男にうまれたら」 そうだ かよこ(8歳)
もしも わたしが
男にうまれたら
にょうぼうと
ちゃんばらしてやる
男の子の稚い論理と女の子の少女らしさの倒置が好き。
思わず一番のお気に入りを探したくなるのは、ユングによれば思考では無くて感情の働き。 -
4歳から8歳くらいの子供たちの詩集。
単純な言葉に胸がキュッとなったり
笑ったり涙が出そうになった。
頭と心をマッサージされたような
読後はスッキリとのびのびした気分になった。 -
子供の純真無垢な心にあらわれた気持ちになった。
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「たいようがおならをしたら・・・」など、6歳くらいまでの子どもたちの詩や言葉たちを集めた作品。まだ字を書けない子の言葉は大人が書き留めたもの。この本の中の子どもたちが使う言葉の表現力は、頭だけでなく、心から体からあふれている。
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子どもたちの詩を集めたもの。感服。この感性ったら!子どもはこんな世界で生きているのか。おもしろいなあ。子どもの目になってみたい。と同時にこの感性を潰してやしないかと怖くもなる。一緒におもしろがりたい。受け止めたい。
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ほっこりする詩達であざとい