日本のむかしばなし

著者 :
  • のら書店
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本棚登録 : 209
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784931129832

作品紹介・あらすじ

幼いときに一度は読んでほしい、日本のむかしばなしを、格調高い分と絵でおくります。収録作品:花さかじい/ねずみのすもう/まめこじぞう/三まいのおふだ 他全13編収録 

感想・レビュー・書評

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  • 瀬田貞二さんが集めた日本全国のなかでも13の昔話。
    挿絵は、瀬川康男さんと、梶山俊夫さんによるもの。
    日本全国に同じようなお話があり、微妙な違いや方言の違いもある。
    あとがきでは瀬田貞二さんが昔話の特長を書いている。
    まずは語り始めと話し納めの言葉があること。「むかしむかしあるところに…」「むかし、あったそうだ…」「…だとさ。そればっかり」「…したそうな。いちごさかえた」お話の入り口と、終わりの出口のようなものですね。
    そしてお話の中身のこと。聞き手の私達と同じような、もしかしたら自分たちよりちょっとのろまで愚かな主人公が、私達の世界とは違う世界に行き、私達の出会うことのない不思議な冒険をしたり、不思議な出来事を経験する。
    また昔話は言葉、表現にも特長がある。昔話が語られる土地の方言であり、耳に心地よく、頭に情景を思い浮かべやすくなる。

    ここに収録されている昔話は、瀬田貞二さんが未就学児童から小学低学年生でも楽しめるお話をわかりやすい文章で書き直している。同じような昔話が土地土地で語られていれば選んだり重ねたり、方言も誰が読んでもわかるくらいになっている。

    収録されているお話
     ❐花さかじい…主に岩手県。
     ❐ぶよのいっとき…主に新潟県。猟師は山の屋敷で数年過ごすが、気がつくとそれは一時のことだった。「邯鄲の夢」と原型は同じ。「ぶよのいっ時、朝めし前」という、ほんの僅かな時の間を指す表現があるということ。
     ❐えすがたあねさん…主に山形県、新潟県。美しい女房の絵を見ながら仕事をしていたが、その絵が殿様の目に入り、女房をよこせといわれ…。
     ❐ねずみのすもう…貧乏じいさんばあさんは、家のネズミが相撲で長者どんの家のネズミに負けないようにお餅を分けてやると…。
     ❐さるむこいり…主に長野県、新潟県。「代わりに働いてくれる相手がいたら、娘を嫁にやってもいいなあ」と言った爺さんの言葉を聞いたのは猿だった。
     ❐まのいいりょうし…日本全国的。ついてついてつきまくった実に間のいい猟師のリズムの良いお話。
     ❐まめこじぞう…主に岩手県。地蔵さんにお豆を食べさせたじいさんは、鬼の宝を手に入れた。それを聞いた隣の悪いじいさんが…。
     ❐ほらあなさま…「ほらあなさま。〇〇をかしてください」といえばちゃんと揃っている洞穴の前。ある時強欲な男が…。
     ❐さるとひきのもちとり…主に長野県。猿とヒキガエルがお餅を巡って知恵比べ。
     ❐すずめのあだうち…主に山形県、新潟県。「さるかに合戦」と原型は同じ。さるにひどい目に合わされたスズメが、味方と一緒に仇討ちする。
     ❐三まいのおふだ…主に岩手県。山姥に追いかけられた小僧さんは三枚のお札を投げて逃げて…。
     ❐つぶの長者…主に岩手県。子無し夫婦にやっと授かった息子はタニシほどのツブだった?!
     ❐年こしのたき火…主に山形県、新潟県。年越しに焚き火をしたら、黒っぽい人たちが「おれたちびんぼう神ってもんだが、暑くてたまらん。この家でてく」と言って…。

  • [墨田区図書館]

    公文の推薦図書リストから一括予約して借りてきた一冊。「いやいやえん」という、ほぼ同じ分量のハード本を予想に反して読み切った(http://booklog.jp/users/akiuwa/archives/1/4834000109)のだが、その直後に次に読む本として選んできた本。

    この本は、同シリーズの「世界のむかしばなし」と一緒に借りてきたのだが、そっちもこれが終わったら続いて詠むんだろうか??子供の選択や気に入り度は、良くも悪くも時として予想を裏切る。のでやはり自分の目で選ぶだけでない、ある種予想外の本も混じるキーワード検索での予約は面白いと思う。

    まだ4話ほど読んだところで、うち2話ほどは一応知っている年齢となっている今だが、それでも直前に、季節の行事をまだまだ分かっていないことが判明したところなので、色々と「日本の常識(伝統)」を伝えることも意識していかなくては、と思いながらこの本も読み進めているところ。

    全てよみおわったし、楽しんでいたのが意外だったけどよかった。

  • ★★★★★
    むかしばなしは、やはり語り口だなあ^^
    声に出して読みたい日本の昔話が13篇。
    挿絵もすばらしい。
    『さるのむこいり』
    ←おさるかわいそう…。お嫁さん欲しくて、草刈りのお手伝いしたのにねえ。
    じいちゃんはひどい。おさるにひどい目に合わされると食欲も無く寝込んでいたのに末娘が嫁にいくと聞いたとたん、起き上がってもりもりご飯を食べはじめるたあ`へ´)/縁切りレベル
    (まっきー)

  • 2年生の子どもは食いつきました。
    読み聞かせで、もっと読んでと楽しかったようです。大人も知らない物語もあり一緒にたのしめました。

  • あまりおもしろくなかった。なんでだろう。語りを聞いてみたらまたちがうだろうか。カラっと明るい話を集めたとあるが、悪いじいさまが血だるまになる話が多かったからか、カラっとしている印象はなかった。

    梶山俊夫さんの絵はすばらしい。

    もくじ
    ●花さかじい
    ●ぶよのいっとき
    ●えすがたあねさん
    ●ねずみのすもう
    ●さるむこいり
    ●まのいいりょうし
    ●まめこぞう
    ●ほらあなさま
    ●さるとひきのもちとり
    ●すずめのあだうち
    ●三まいのおふだ
    ●つぶの長者
    ●年こしのたき火

  • しらないおはなしがたくさんあっておもしろかった。
    ※図書館で借りた本。どんどん読み進めていました。

  • ■き262
    #日本のむかしばなし
    #1階本棚

  • 2021.6.25 3-2

  • 日本のむかしばなし13選。知っているものも多いけれど、地域性もあるので、話の展開がちょっと違うな〜というものもある。どれも、文字ではなく、語り継ぎで受け継がれてきたことへの驚きが隠せない。

  • 語り口調が面白い

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著者プロフィール

1916~1979年。現東京都文京区に生まれる。東京帝国大学国文科卒業。第二次世界大戦後、東京府立第三中学校に復職し、教師の傍ら雑誌に児童文学作品を投稿。後、平凡社勤務を経て、児童文学の創作、翻訳、評論の分野で活躍。1959年自宅に瀬田文庫を開き、毎週土曜日の午後に自宅を開放していた。代表的な作品『なんきょくへいったしろ』『あふりかのたいこ』など、再話『かさじぞう』『ふるやのもり』など、翻訳『指輪物語』のほかに『ホビットの冒険』『ナルニア国物語』などがある。

「2023年 『最新版 指輪物語7 追補編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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