西の魔女が死んだ

著者 :
  • 楡出版
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本棚登録 : 80
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784931266162

感想・レビュー・書評

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  • きれいだな~。心が癒されいていく光景と、少女時代の強い感受性の入り混じった、もっと若い時に読む一冊だったな~とか思っていたら、ラストにやられました。ぶわっときた。

  • 夏フェアに必ず入ってくる銘柄。なので読んでみる。
    なんか、とりとめない感じ。”まい”はかなりひとりよがりだし。

  • 不登校になったまいがお祖母ちゃんの家で暮らすところから始まる。

    ずーっと前に名前だけはどこかで聞いて気になっていたので、思い出した拍子に図書館で借りました。

    タイトル通り悲しいこともあるけど、最後は希望で終わっていて◎

    早川司寿乃さんの解説で、
    親しい人がいなくなってしまうという部分で『(中略)しかし、自分の肉体と相手の肉体との物理的な距離が無くなってしまったぶんだけ、かえって近くなれるというふうにも考えられるのではないでしょうか。』の文章が素敵な捉え方だなと感じました。

  • 不登校だったまいが英国の血を引くおばあちゃんの家で過ごした尊い日々。

    野いちごを煮だして作ったジャムに、鳥小屋から産みたての卵をとって朝食として食べ、タライでシーツを洗う
    世間とはかけ離れたような田舎暮らしを通して、毎日を丁寧に過ごしていくなかで見つけたおばあちゃんの愛と成長している心と体。

    ゲンジさんの行動に、田舎に垣間見たそぐわしくないもの、鳥たちの無残な死、思春期ゆえに小さな刺にも大きく傷ついてしまう一面を持ちながらも
    ひとつひとつを大切に受け止めて大人になっていく過程。

    やばーい。おばあちゃんの優しさが溢れに溢れて、たとえ死んでしまってもそれは残された人の胸に強い味方として刻まれるんだなあ。

    名作だね読むことが出来てよかった)^o^(

  • “魔女”から想像して、てっきりファンタジーかと。

    魔女になるための修行、最後のレッスンは、“まい”の問いかけに
    鮮やかに答えを与え残すことだけでなく、自らの存在を心に焼き付け、
    正に『体は滅びても人の心に生き続ける』ということであったか。

    窓に書かれた最後のスペル。
    その効果は圧倒的だった。

  • (2003.08.24読了)(2003.08.23購入)
    (「BOOK」データベースより)
    中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

    著者 梨木 香歩
    1959年生まれ。
    英国に留学し、児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事。
    「西の魔女が死んだ」(日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞受賞)
    「裏庭」(児童文学ファンタジー大賞受賞)

  • 疲れ切った心にオーガニックな癒しを与えてくれる優しい物語。「オールド・ファッション」な西の魔女の日常は、せわしい現代社会に追い立てられている大人たちにこそ受けそうなものだと感じた。今からもう15年以上前に書かれた話だが、今思えばいわゆるスローライフブームの先駆け的作品?2年前に突然実写映画化されたので、一体どんな物語だろうと思っていたが、登場人物たちの草花に対するまなざし然り、おばあちゃんが語る精神・身体論然り、こうした「自然に帰れ」的メッセージ性を帯びた作品というのは、なるほどこんな時代だからこそかえって熱烈に支持されるということがあるのだろう。

    主人公・まいが抱える精神病理的な問題を、「魔女」「魔法」というどこか非現実めいたファンタジー用語で以て言い表すことで、それを読者たる幼い子どもたちにも抵抗の少ないものとしていた点は素晴らしい。「魔女修行」も、詰まるところは自我のコントロールを取り戻すための行動療法のようなもので、それなりの根拠を持った科学的説明ともなり得るのが、そこに「魔女」や「修行」といったどこか不可思議な呼称が加わることによって、より普遍的に共有され得る分かりやすくかつ卑近な例となっている気がする。何と言うか、「あなたは今うつ状態になっています。低下した集中力を回復するために、これこれのプログラムに従事しましょう」と言われるより、「一人前の大人になるためには魔女修行をして、強い心を手に入れる必要があるのです」と言われた方が、特にまいぐらいのちいさな子どもは腑に落ちて理解しやすいのではないだろうか。

    とはいえ、この作品で個人的に好きだったところは、精神と身体には癒しと解放が必要なことを認めつつも、現実の生々しさを小出しにつきつけてくるところ(ゲンジさんのいやらしさとか死に対する恐怖とか)、後はともすれば完璧超人になりかねないおばあちゃんにも、個人の人格としては幾つか問題があることを指摘し忘れなかったところだ。自然に囲まれた豊かな生活を送る西の魔女を、まいの一時的な拠り所としては礼賛しつつも、最後に「確かにもうオールド・ファッションなのかもしれませんね」と言わせる作者の冷徹さがとても良い。本を読む子どもたちに、夢見がちで理想的な「逃げ場」を保証するだけのものとなっていないところに、かえってこの作品の説得力のようなものが見出せると思う。そうした意味で、ゲンジさんのキャラクターというのは作者の現実観の結実のような存在だと感じたが、それだけに最後まで「よく分からない怪しげなおじさん」のままでも良かったのではないかと思ってしまった。と言っても、べつにあのラストはゲンジさんにとって大したフォローになっていた訳でもないので、児童文学としてはあれぐらいにとどめておくのがちょうど良いのかもしれない。

    正直タイトルの「西の魔女が死んだ」については、衝撃的かつ印象的な素晴らしい一節だとは思いつつも、「なぜ西?」と最後まで疑念が残った。が、解説を読んでみると、どうやらこの作品は『オズの魔法使い』内のこの一節から逆にイメージを膨らませていったフレーズ先行型の物語らしいので、作品内で特に整合性が見受けられなかったとしても致し方ないのだろう。強いて解釈するなら、西洋イギリスの魔女から、東洋日本の魔女へということだろうか。何はともあれ、まいは祖母より正式に「魔女」として認められた訳だ。
    神秘的な雰囲気の中に、生々しく地に足ついた「現実」の息遣いを感じる、「現代のファンタジー」とでも呼ぶべき不思議な魅力を持った作品である。

  • とてもよい。 2009/6/26 読了。

  • こういう本が、若い人に人気があるというのはいいな。
    さりげなく、大事なことがちりばめてある。
    「おばあちゃんと過ごした一ヶ月余りのことを、急にすごい力で体ごとぐんぐんと引き戻されるように思い出した。
    部屋や庭の匂いや、光線の具合や、空気の触感のようなものが、鼻腔の奥から鮮やかに蘇るような、そんな思い出し方で。」
    「使い慣れたこのマグがあるとその回りにぼあんとした「自分の場所」のような空間が拡がって、」

  •  こんなおばあちゃん、いたらとってもいいなぁ。とてもやさしい気持ちになれた一冊です。 涙腺のゆるい私はおばあちゃんからの最後のメッセージでうるうるきてしまいました。主人公のまいにはひょっとしたら後悔が残る最後かもしれないけれど、最後にはわだかまりもとけたんじゃないかなぁ。
    「おばあちゃん、大好き」「アイ・ノウ」 こんなやりとり、自分ではとても恥ずかしくできないけれど、なんだかとても心に残りました。

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著者プロフィール

梨木 香歩(なしき かほ)
1959年、鹿児島県生まれの小説家、児童文学作家、絵本作家。
『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞。映画化もされたこの受賞作が最も著名な代表作となる。
ほかに新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞、『渡りの足跡』で読売文学賞随筆・紀行部門をそれぞれ受賞。
受賞作以外の代表作として、『家守綺譚』、『沼地のある森を抜けて』、『ぐるりのこと』などがある。

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