三訂版 アサーション・トレーニング: さわやかな〈自己表現〉のために

著者 :
  • 日本・精神技術研究所
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本棚登録 : 284
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784931317185

作品紹介・あらすじ

日本にアサーション・トレーニングを広めた著者による、原点にして決定版の一冊が、11年ぶり2度目の改訂です。心理学の新しい理論を取り入れ、大幅な加筆修正を行いました。はじめて、アサーション・トレーニングに触れる方から、旧版の書籍を読んだことのある人まで、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

「〈アサーティブ〉とは、自分も相手も大切にした自己表現です。アサーティブな発言では、自分の気持ち、考え、信念などが正直に、率直に、その場にふさわしい方法で表現され、そして、相手が同じように発言することを奨励しようとします。つまり、アサーティブな自己表現では、自分の自己の表現の権利を活用して自ら自分を表現し、同時に相手の自己表現の権利と自由を尊重しようとします。その結果として、互いの意見が葛藤を起こすこともあり得ると考えます。つまり、互いに率直に話をすれば、自分の意見に相手が同意しないこともあるし、また、相手の意見に自分が賛同できるとは限らないこともあるでしょう。むしろ、率直に話した結果、意見や考えが一致すれば、それはラッキーなことです。一致しないときは葛藤が起こります。そんなとき、アサーティブなやり取りでは、すぐさま意見を変えて相手に譲ったり、相手を自分に同意させようとするのではなく、面倒がらずに互いの意見を出し合って、譲ったり、譲られたりしながら、双方にとって納得のいく結論を出そうとします。」(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • アサーションについて講習を受けた事があり、ざっくりとは理解していたつもりでした。しかし、いざ実践してみようと思うと、よく理解できていないことに気づき、学び直そうとこの本を手に取りました。

    この本はその場のテクニックだけでなく、アサーティブに考えるための習慣であったり、思想も説明してくれているため、自然とアサーティブな考え方ができるようになったと思います。

    『「違い」は「間違い」ではない。違いを理解し合いながら付き合っていく。』心に留めて置きたい言葉に出会えました。

  • 日本人に必要な力はアサーティブなスキルだと思った。
    人に譲ることを美徳としがちな文化で、自己主張することを学ぶ経験が乏しい私たち。
    アサーションは人権だ、主張する権利と主張しない権利もある…。
    なるほど。当たり前なのに目から鱗。

    もう少し図解を交えながら読みやすい工夫をしてもらえたらありがたいなぁ…

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/704095

  • 361.45||H64

  • 自分は他人の顔色ばかりを伺って、言いたいことを言えないことが多く、この本で言うところの非主張的な性格だと思う。
    この本での気づきは、その場に相応しい方法であれば、自分の気持ちや信念・思いを素直に伝えていいということ。
    自分は他人との葛藤をめんどくさがっていたし、その後の関係性が揺らぐくらいなら、何も伝えないことを望んでいた。しかし、お互いの意見がぶつかり合い、寄り添い合う対話こそが、より良いコミュニケーションなのだと学べた。


  • 日本にアサーションを持ち込んだ第一人者の平木先生の本です。序盤は結構なページ数をかけて、丁寧にアサーションとは何か、そして人権とは何かについての基本的な説明が続きます。

    幼い頃から現在まで気にしている、素直な自己開示のむずかしさ。その問題に「アサーション」という名前があること、そして同じ悩みを持つ人が多くいることを知るだけでも、心持ちがだいぶ違うと思います。

    これまでは非主張的であることが、自分の「よくない個性」「直すべき性格」だと思っていました。子供の頃、友達に物を取り上げられても何も言えなかった私を見て、母は「せめて何か言い返せ」と内心ヤキモキしていたとのこと。

    本の内容としては、実践的な部分は少なめで、効率や実用的なことを求める人には不足に感じるかもしれません(平木先生のアサーション関連本は多数あるので、フィットするものを選べるかと)。でも、そもそものアサーティブとはを何かを知るだけでも違います。アサーティブは人権とも強く関係しています。自分の人権を守ること。相手の人権も敬うこと。「違い」は「間違い」ではないことがアサーティブな考えであると学びました。なんにせよ「人権」という言葉のワイルドカード感!この言葉の後ろ盾は絶大です。人間にとってこれ以上ない大義名分。私は元来、非主張的なアサーションタイプであり、今でも無遠慮に意見を言えるなんてことはまずないですが、反応が求められる場面で呪文のように心で唱えます。「アサーティブ、これは人権、あなたと私の人権」

    「こういう場面ではこうすべき」や「男なら泣くべきではない」とか、大人になれば感情をマスクする術を覚えてしまいます。しかし本当は感情に大人もこどももありません。赤ん坊は不快なら泣きますが、快適になった瞬間に泣き止むことができます。しかし大人はこうはいかないものです。だからこそ意識して、自分の感情を大事にしようとしなければなりません。自分はいま悲しいのか、楽しいのかを素直に受け止めることが重要です。また、感情は自然発生的に起こるものだけど、態度や行動は自分で選び取っています。不安な感情を「怒り」で伝えているのは自分の選択です。非主張的な人が遠回しに、直接的でない、相手を困惑させるような怒りの伝え方(パッシブ・アグレッシブ)になるのは、感情を素直に表すことができず、態度・行動とストレートに結びついていないからです。

    私は自分のアサーション問題のスタートラインに立っただけで、ここから何でも言いたい放題になろうとも、なれるとも思っていません。そうならない権利もまた人権です。要は場面場面でアサーティブであろうとするか、非主張的であるか、どちらにせよ「自分で選択する」ことが第一です。自分で選択したという実感があれば、あとでうらみがましくなることもないでしょう。

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著者プロフィール

IPI統合的心理療法研究所

「2021年 『《中釜洋子選集》家族支援の一歩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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