ディスタンクシオン <2> -社会的判断力批判 ブルデューライブラリー

制作 : 石井洋二郎 
  • 藤原書店
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本棚登録 : 133
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784938661069

作品紹介・あらすじ

絵画、音楽、映画、読渚、部屋、料理、服装、レジャー、スポーツ、友人、しぐさ、意見、結婚…。毎日の暮らしの理屈ではない行為の中の見えない権力・階級化原理を独自の概念で鋭く緻密に分析する今世紀人文・社会科学、最高の成果。

感想・レビュー・書評

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  • 1979年の書物ながら、「階級」とか「ブルジョワ」とかいったマルクス主義の直球どストライクな言葉がたくさん踊っている。しかし20世紀後半においてもフランスの知識層ではマルクス主義の影響が根強いところを見ると、フランス社会の様相は日本の戦後のそれと異なって、かなり「階級」が歴然としているのかもしれない。
    本書で面白いのは「自己卓越化」「分割」といった概念が駆使され続けるのを読んでいるうちに、なるほど、そういう見方もあるのか、と納得させられる点である。
    日本の現代社会では「階級」は必ずしもタテに連なっておらず、むしろ水平方向に「分割」された階層構造の方が目立つ。確かに超大企業、経団連、政治家などは「支配者層」なる高度に立っているのだろうが、その下は「1億総中流」などという語が昔はやったように、「横並び」感がつよくて、それでもそのうちの幾つかは互いに覇権を求めて争っており、勝ち組だの負け組だのという「分割」が意識されているし、とくに近年は母子家庭などの貧困層が広がっているのが感じ取れる。
    こうした「階級」の構造、その区分を現前する「趣味」の機能が本書では克明にえがかれており、面白い。
    ところどころにコラム記事として、じっさいの各階級の人々の発言が紹介されており、それらは生々しい現実の肉声と感じられて痛切にリアルだ。
    ただしこの本の文章はけっこう難解で、最後まで読み通すのに苦労した。それなりの価値はある書物である。

  • 現代の日本社会への応用について。

    実際読んだのは(1)だけだけど、個人的に一番驚いたのは、各階級の人々がそれぞれの階級に満足しているということ。ブルヂューの主観でしかなかったらがっかりだけど、少なくともこの本の中からは、そんな印象を受けた。

    でもそうだよね、卓越化って言ってるんだから、自分たちの階級に満足していないってなったら、20世紀の社会学の名著ランキング6位になったりしてないよねww

    だって、今の日本って現状に満足していない人がほとんどだと思うのですよ。今の自分は本当の自分じゃない、みたいな。一部のフリーターとか?
    でも階級で言ったら、「国民全中流階級」と言われていた時代を経ての格差社会だから、しょうがないのかのしれない。

    ブルデューにしてみても、中流階級=プチブルとして上昇意識が強いって言っていたし。
    それと、そんなこと思ったのは山田先生の希望格差社会が頭ん中に出てきたのもあるんかな。ワープアはもっと働きたくても働けない、キャリアアップの機会がないから短銃労働から抜け出せない、収入が安定しないから結婚できない、結婚できない人が増えると少子化が進む、ワープア達は社会福祉も整っていないところで働くから老後困る…。

    そんな構図が頭の中に描くことが出来るから、不安にかられる。不安がったところで自分の力ではどうすることもできない。そして搾取され続ける……。

    庶民階級ならその生活に満足できるのかもしれないけど、今社会問題とされている社会的に底辺にいる人たちは、それ以下なのかもしれないね。
    そして、U・ベックが言っているように、社会全体にそうした不安が蔓延しているのは、上述のような貧困生活に陥るような、それに限らない「リスク」が普遍化するようになったため、とされている。

    自分たちの体を蝕んでまでもなお発展し続けようとする産業社会…。キライキライ大ッキライ!!

  • [ 内容 ]
    絵画、音楽、映画、読書、部屋、料理、服装、レジャー、スポーツ、友人、しぐさ、意見、結婚…。
    毎日の暮らしの理屈ではない行為の中の見えない権力・階級化原理を独自の概念で鋭く緻密に分析する今世紀人文・社会科学、最高の成果。

    [ 目次 ]
    第3部 階級の趣味と生活様式(卓越化の感覚―支配階級;文化的善意―中間階級;必要なものの選択―庶民階級;文化と政治;階級と分類;「純粋」批評の「通俗的」批判のために)

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  • 09/05/03、神保町・小宮山書店で購入(古書)。

  • 1990

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