- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784938844530
感想・レビュー・書評
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1995年に出版されたマイケル・ホワイトのインタビュー+エッセー集。
版元品切れ状態で、初期のナラティヴ・セラピーがまだ発展途上の段階の本かなと思い、ホワイト本の読む優先順位はやや劣後していた。
が、これは、読んでほんとよかったとしみじみと思う。
ホワイトも影響を受けているフーコーは面白いけど、難しくて、結局、何が言いたいことだったのか、わからない。つまり、昔の監獄とか精神病院とかがどんなものだったのか、とかはわかったとしても、それがこの現代にどんな意味を持つのか、というのは、読者にゆだねられている感じがある。フーコーのインタビューや小さなエッセイーを読んでいくことで初めて、やっと、「わかった!」という気になった感じがある。
ホワイトの本もフーコーほどではないけど、そんなところがあったのだが、この本を読んで、何だか、初めて、「ホワイトって、そんなこと言っていたんだ!」とわかった感じがあって、かなり嬉しい。
と言っても、自分の言葉で言語化できる訳ではないので、とくに面白かった、刺激的だったインタビューとエッセイのタイトルだけ、上げておく。
・セラピーにおけるナラティヴ・パースペクティヴ
・虐待の名づけとその影響を断ち切ること
・定義的祝祭としてのリフレクティング・チームワーク
・行動とその決定要因か、あるいは行為とその意味か
「物語としての家族」が出版された1990年以降数年間のインタビューとエッセイなのだが、ナラティヴ・セラピーの方法が、「外在化」と「治療的文書」から、急速に幅を広げるとともに、思想が深まっていくエネルギーとプロセスが体感できる。詳細をみるコメント0件をすべて表示