淡々と生きる

著者 :
  • 風雲舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784938939670

感想・レビュー・書評

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  • 著者をほぼ知らないまま手に取った一冊。そもそもこの手の本は普段読まないけれど、生きてくのが苦しくて仕方がない時『淡々と生きる』のフレーズに惹かれてなんとなく読んでみた。

    超能力やら、空海や坂本龍馬が釈迦の生まれ変わりだとかいった非科学的な主張が多く、胡散臭い…やはりこういうのは好きではない…と感じながらも読み進めていくと、妙に納得できる言葉や生きるヒントとなる言葉が各所に散りばめられていて、自分の感性と現状にしっくりくるものを拾い上げていく感じで読んだ。

    『あれが欲しい、こうしたい、こうなりたい──という思いが強ければ強いほど、「苦」は大きくなります。』
    『大事なことは、出会う人に向かって、説得するのではなく、ただ味方にすること。そのために味方になってくれるような自分の人格をつくること。』
    『つべこべ言わずに平然と生きること。淡々と生きること。それが悟りである。』
    『自分の長所を自慢するな。他人の短所を指摘するな。』(空海の座右の銘より)
    等々… いつも心に忍ばせておきたい。

    中でも一番ピンときたのが第六章「病を得てわかったこと」に書かれていること。
    障害をもって生まれてきた娘について「この子が生まれたことでわが家のいろんな問題を一身に背負っていてくれたのかもしれない」、妻がガンになったことについては「妻が肩代わりをしてくれたんだ」と。「もし私たちの周りに病気や障害を持っている人がいたら、それこそその人が身代わりになって、それを浴びてくださっているということです」という。これらも非科学的なことではあるけれど、ここから感謝をもって生きることや、利他の精神、つべこべ言わずに生きることに繋がっていくのだろう。

    神谷美恵子の『人間をみつめて』(みすず書房)
    らい病(ハンセン病)患者への思いを綴った詩のなかに

    " なぜ私たちでなくて あなたが?
    あなたは代って下さったのだ
    代って人としてあらゆるものを奪われ
    地獄の責苦を悩みぬいて下さったのだ ”

    という一節がある。まさにこれと同じだと思った。

    結果的に読んでよかった。余計な力が抜けて少し楽にさせてもらえた…そんな読後感。。

  • 超能力とは喜び、幸せ感、リラックス。
    イライラしていると、曲がらない。おだやかで、にこやかで、リラックスして、楽しくて、幸せだ、という気持ちの時に曲げようとするとら大変よく曲がる。根性を入れた瞬間から曲がらなくなる。気合を入れてやる気に鳴ると曲がらない。

    人間の脳のうち使っていない領域、85%を目覚めさせるには、キーワードはリラックス。日常生活の中で何が起きてもイライラしない。淡々と生きる。

    朝起きて仕事をして帰ってきてご飯食べて寝て、翌朝が来て仕事して、、の繰り返しの中に人生の面白さや幸せや贅沢感というものがある。淡々と生きていく中にある。出がらし。

    全部お任せをしているだけ。どうでもいいのです。

    運命は、どうも決まっている。自分がじたばたして、選択したとしても、生まれる前からそう選択することが決まっている。どうせ決まっているんだから、淡々とやっていくだけ。

    自分の思いを押し付けるのではなくて、あなたがどちらを選ぼうとも、私はずーっとあなたの味方ですと言ってやるのが、正しい親の愛情です。

    子育ては、子供が伸びていきたい方向に伸ばしてやればいい。伸びたい方向に伸びていくのを邪魔しないこと。子供がどこを目指そうと、どこの方角に進もうと、親がごちゃごちゃ言わない。イライラしている子供、他人に対してすごく攻撃的な子供に、欠点を指摘するのではなく愛しているよと言い続けたらその子供は革命的に変わるかもしれない。

    五蘊皆空。ごうんかいくう。全部本当は解釈はない。人間が勝手に解釈を与えているだけ。人間には物差しがあり、基準があり、そうあるべきだという考え方があるから、そこに思いが生まれ、論評や評価が生じ、思い通りにならないと否定することになり悩み苦しみが生まれる。
    悩み苦しみ=思い通りにならないこと。ということは、思いがなければ悩み苦しみはなくなる。やるときはやるけど、基本はどうでもいいというスタンス。

    空海の座右の銘。己の長を説くことなかれ、他人の短を言うことなかれ。

    人生とはがんばったり努力したりすることではなく、出会う人全てを味方につけていくこと。その積み重ね。
    ニコッと笑って、出会う人みんなを味方にする。がんばって能力で認められるというやり方もあるけど、もっと簡単な方法がある。ニコッと笑って、人と接しよう。

    今日から口をついて出てくる言葉全てをうたしやきというものにしたら。嬉しい楽しい幸せな役に立って興味深い話。

    災いは自分の身体を通してからにしてくれ、と毎年元旦に祈る天皇。

    自分の子供や家族が病気や障害を抱えている。それは、私のために肩代わりしてくれているというふうに思える。

    力を抜くことと明るさが大切。

  • この本を知ってから生きるこの先の人生と
    この本を知らないで生きるこの先の人生
    では かなりの違いがあるんだろうなぁ と思う。

    もちろん自分は 知ってよかった!

  • 淡々と生きることは、難しいことだけど、誰もができる生き方ですよね。

  • 正観さんの最期のご著書。ストンと心に落ちた。途中なぜだか涙が止まらなくなった。とても良かった。

  • 小林正観の遺稿

    スピリチュアル感や
    般若心経の解説等、仏教内容が強目

    第六章の「病を得てわかったこと」は、
    最後まで方程式を探す姿も窺えて貴重

  • 私が宗教に馴染みがないので若干胡散臭さを感じてしまったが、自分の長所を人に自慢しない、人と話す時はニコッと笑顔になるなど普段から気をつけられる教訓も書いてあり、それらは私の心に響くフレーズであった。

  • 正観さんの遺言のような内容。運命は決まっている。じたばたしても仕方ない。感謝して受け入れる。形あるものには、魂が宿っていて、喜ばれる存在になりたいという方向性を持っている。思いを持たずに、「ありがとう」と感謝する。

  • 自己啓発

  • 1 淡々と生きる
    千利休
    4杯目のお茶を淡味と呼びました。
    淡々とは水が静かに揺れ動くという意味で静かに安定している状態。
    離宮はこの淡味のよさがわからない限り、お茶は永久に理解できないと言っています。
    じつはこの出がらしのお茶のおいしさとは感謝です。

    5 すべてを味方にする
    人たらし
    ・出会う人すべてを味方につける
    →人生とは頑張ったり努力したりすることではなく、出会う人すべてを味方につけていくこと。その積み重ねなのだ。

    ・にっこり笑う

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著者プロフィール

1948年東京生まれ。中央大学法学部卒。心学研究家、コンセプター、デザイナー、SKPブランドオーナー。学生時代から人間の潜在能力や超常現象などに興味を抱き、独自の研究を続ける。年に約300回の講演依頼があり、全国を回る生活を続けていた。著書多数。2011年10月12日永眠。

「2023年 『笑顔で光って輝いて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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