ぼんさいじいさま

  • ビリケン出版
4.22
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本棚登録 : 106
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本
  • / ISBN・EAN: 9784939029325

感想・レビュー・書評

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  • 「死」を見つめることをテーマにした、絵本にしては珍しい内容。
    全編とてもやさしげな挿し絵で、特にラストのサクラが舞い散る場面は美しい。

    ぼんさいの大好きなおじいさんが、その日もたくさんのぼんさいの手入れを終えて一服していると、「お迎え」の「ひいらぎ少年」がやってくる。
    おじいさんは大好きなしだれ桜の枝をちょこっと触ってから「じゃ、出かけようか」と立ち上がるんである。
    寝たきりでも何でもない平和な日に、こんなことが果たして出来るんだろうか。
    その答えは続きを読むと分かるようになっている。

    たくさんの生き物たちが、おじいさんに「さようなら」と別れを言いにくる。
    山鳩も猫も馬も、家の周りに住んでいた生き物たちみんな。
    おじいさんはいつもその時を精一杯生きて、周りの生き物たちも精一杯愛してきたのだ。
    だからちゃんと「さようなら」の言葉を受け入れられるんだね。
    風の向こうにおじいさんの姿が消えるラストは、実に自然であたたかい。
    今までありがとう、お疲れ様、そう言ってもらえるような人生の最期を迎えられるかどうか、
    じわっとした感動とともにしばらく考えてしまう作品。
    作者の木葉井悦子さんは95年に亡くなられています。

  • やさしい色合い。
    日々の有り難さ。

  • 静かで優しい春のの別れ。

  • おだやかなある春の朝。盆栽はどれもじいさまのたからものでしたが、なかでも一番大切な、しだれ桜が満開になりました。じいさまは大満足で、うっとり桜をながめておりますと、そこへひいらぎ少年が『おむかえに』やってきたのです。「今日のことは、ずっと前からきまっていました」と。
    盆栽の一つ一つにじいさまの人生の物語があるのでしょう。その集大成をもって迎える『おむかえ』なら、なんと幸せなことでしょう。
    大人。5分。

  • 皆に見送られながら、大好きな盆栽の中へ小さくなって消えていくおじいさん。

  • 昔話の様な、心豊かなひと時を味わった。
    お別れの時を決して別れとは言わず、出立の時として優しく見守る命の尊さ。
    こういう話に出会う旅、安心する。

  • 今の時代、盆栽に触れる機会はそう多くありませんが、自然の美しさが見事にちりばめられたぼんさいじいさまの盆栽は非常に美しい。きっとあなたも欲しくなるはず。(はま)

  • 直接的な表現はないものの、死を描いた絵本。
    このように穏やかに死をむかえることができたらいいだろうなっておもいました。

  • ぼんさいじいさまのような生き方、そしてあんな最期を迎えることができたら
    こころから幸せな人生だったなあって思えるだろうな。

    必要なものを必要なだけ。
    自分だけの小さな庭を持ちたいと思う。

  • ささやかな生活であっても、すべての生あるものを慈しみ、
    後悔しないように精一杯生きる。
    そうすれば、じいさまのようになれるかな?

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著者プロフィール

1937年、東京・小金井生まれ。武蔵野美術大学油絵科中退。個展を中心に作品を発表。1970年より数回のアフリカ生活を経て、絵本も描きはじめる。『アバディのパン』(ほるぷ出版)、『みずまき』(講談社)、『やまのかぜ』(架空社)など生涯で17冊の絵本を描いた。1995年逝去。

「2022年 『ぼんさいじいさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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