土曜日の子ども

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本棚登録 : 38
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784939138720

作品紹介・あらすじ

皆川博子
法月綸太郎激賞!

そこは公園に面した本屋さん──

土曜日にしかやってこない幼い兄妹、
本を入れ替える高校生たち、
どしゃ降りの中なぜ男は傘を使わなかったのか?

「街」というものが
崩れゆく姿を描いた連作ミステリ

感想・レビュー・書評

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  • 書店員を語り手とした連作ミステリ短編集。
    第一話が50円玉20枚の謎(決まった曜日に50円玉20枚を千円札に両替して欲しいと書店員に頼む客の謎)から始まったので、書店を舞台とした日常の謎かなと思ったら、すぐに殺人事件が起こり、おやおやと思っている内に思いも寄らぬところに案内されてしまったという感じでした。
    はじめの内は事件そのものよりも、そこにある謎に主眼が置かれていました。どしゃ降りの雨が降っていたのに死体のそばにあった傘が使われていなかったのは何故か? というように。それは事件そのものがかたりと距離のあるものだったので、気軽に謎を楽しむことができたのかも知れません。
    しかし事件と語り手との距離が徐々に縮まり、事件そのものの重みが語り手を通して読み手にもずしりと感じられるようになるのです。そうなると謎よりも事件そのものの意味が大きく問われることになるのです。凛とした文章で綴られているため嫌な感覚はありませんが、気付いたら心の奥に重いものが残っていました。また語られていない部分の大きさや重さをも感じさせる、そんな物語でした。

  • 「土曜日の子ども」小森収
    連作ミステリ。煤埃色。

    全体的に、綺麗に解決しないミステリと、あまり上品でない設定で、ちょっと苦手。
    (2)

  • 皆川博子、激賞!や装丁や帯のシンプルさに不穏なものを感じつつ、本屋さんの「日常の謎」かなと軽い気持ちで読み始めてしまった。

    ああなんと!
    世界も時間も、謎も事件も「よしえさんの旦那さん」によって紐解かれ穏やかに流れるように過ぎていく。それが、それなのにどうしてこんなにも残酷なの。
    ただ書店がそこにあるだけなのに。

    胸がえぐられる本を読んでしまった。

    でも小太郎が好き。

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著者プロフィール

小森収(こもり・おさむ)
作家・編集者。1958年福岡県門司市生まれ。大阪大学卒。1984年から週刊劇評誌「初日通信」を12年間、編集・発行。その後、フリーランスの文芸書専門の編集者として、皆川博子、山本文緒、篠田節子、三谷幸喜、黒崎緑らの小説を手がける。
著書に『終の棲家は海に臨んで』(フリースタイル)、『小劇場が燃えていた 80年代芝居狂いノート』(宝島社)、編著に『ミステリよりおもしろいベスト・ミステリ論18』(宝島新書)などがある。

「2014年 『土曜日の子ども』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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