佐藤雅彦全仕事 (広告批評の別冊 8)

著者 :
  • マドラ出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784944079070

感想・レビュー・書評

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  • 佐藤雅彦の電通CMプランナー時代10年間の全部が詰まっている本。幼児性と明敏さが混ざり合った、時代を象徴する作品群。この人ってやっぱりすごいよなあ。

  • 昔では『パザールでござーる』『ポリンキー』『ピコ』、最近ではNHKの教育番組『ピタゴラススイッチ』を手掛けたプランナー佐藤雅彦氏の仕事が掲載された本。本人の解説やインタビューなども載っていて、広告に関わりのない人でも非常に楽しく分かり易く読み易い。この本は何年か前に読んで、とてもびっくりして、今も何回も読み返したり。

    広告を作る人って『センス』とか『アート』とかの才能で作るものかと思いきや、彼は世の中の『仕組み』や『法則』を発掘し、それをうまく組み合わせながら、『数学的』な考えでモノを作り出す人。例えば『Aの時にBが起こると人間は気持ちよさを感じる法則』とか『口で発音した時の気持ちよい言葉の法則』とか、それを広告表現に中に上手く組み込んでいたりする。

    ……だから確信犯的なものが出来上がるんだろうなあ。とか、アート的につくっているような他の人が手掛けた多くの広告も、一斉に並べてみたりすると案外、結構共通点や系統などの『法則』が気付かないうちにあるんだろうなあ。とか思ったり。そして、広告・仕事・音楽・対人関係・会社・料理などなど、『どんなジャンルの物事でも基本は同じ仕組みで成り立っている』という事に気が付いたり。それは、現在の私の物事の考え方にすごく影響していると思う。それが実際に役立っているかどうかは別なんだけど〜…。とほ。とにかく、オススメです☆

  • 広告業界の最も有名なクリエイターのうちの1人、佐藤雅彦さん。
    そのすべての仕事と、その仕事の背景が詰まった一冊は、ある意味での追体験のような感覚を得ることが出来た。
    何より、考え方をつくる。別のルールでものをつくる。という、従来発想とは全く異なるアプローチが、クリエーティブ異動後3年でクリエイターオブザイヤーまで押し上げる原動力となったのだろう。

  • まだアカデミックの世界に入っていないCM世界の時の作品集(かなり内輪ネタ的なのりで作られている。同人誌のよう。)。80年代後半から90年代前半。あー,懐かしいというものもあれば,JR東日本の広告は住んでいる場所が西日本だから見たこともないものだった。佐藤氏のインタビュー記事を読むと今の状態につながるようなことを40台で考えているようだ。実行の人なんだな。
    またもや圧倒されてしまった。真似はできないのだけど,自分はどう仕事をするのかを問われるし,考えざるをえない。

  • ナンセンス映像

  • 「バザールでござーる」「ドンタコス」「うまいんだな、これがっ。(サントリーモルツ)」などで知られる伝説のCMプランナーであり、東京藝大教授・佐藤雅彦さんの仕事の集大成。

    天才は、やっぱり特別に選ばれた人だ。自らを右脳の人と言い、本は読まず、テレビも見ないという。この人の真似は、誰にもできない。

    言葉ではなく、数学的、物理的な視点でものを考えるので、太刀打ちできる人がいない。その恐れ多さと未知なる期待が、巻末で佐藤さんについて語るレジェンドたちにもあることを感じた。

  • 本の整理をしようかと思ったが、中古本の金額もそれなりなのでおいておくことにした。
    佐藤雅彦さんの少年時代等も書かれていて興味深い。

  • めったに開示されないものが開示されているという点で。

  • ひたすら過去のCMを見て、自分が好きなもののルールを見つける、というプロセスは興味深い。

  • まだ広告クリエイターだったときの佐藤雅彦氏の作品集。

    いまや当たり前の表現技法になっているものが、
    どれだけ彼が初めて世の中に打ち出したものなのか、
    改めて思い知らされる。
    ちょうど自分が物ごころついた頃と、
    彼の広告クリエイター最盛期は重なっていて、
    読んでいてもんのすごく懐かしかったし、
    なんらかの刷りこみがあって、物事の面白さの指標そのものになっている、
    そんな気さえ見ていてしました。

    左脳と右脳のブリッジ(本人はそんなこと考えてないかもしれないけど)、
    硬軟、清濁行き来自在な彼の頭んなかは、
    周りからすれば「天才」なのかもしれないけど、
    本人としてはごくごく分かりやすい考え方をしているだけなのかも。
    研究したい。

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著者プロフィール

1957 年札幌生まれ。筑波大学で心理学・教育学・「心身障害学」その他の人間諸
科学を学び、地方紙記者や雑誌編集者を経て現在は翻訳家・ジャーナリスト。関
心分野は科学社会学・生命工学・政治学・政治史・情報論など。主な訳書は『メ
ディア仕掛けの選挙』(1988)、『代理母:ベビーM事件の教訓』(1993)、『メディ
ア仕掛けの政治』(1996)、『比較「優生学」史』(1998)、『突発出現ウイルス』
(1999)、『米国の「経営者」がしでかしたとんでもないヘマ101 連発』(1999)、
『エイズ患者のための栄養療法』(1999)、『遺伝子万能神話をぶっとばせ』(2000)、
『オカルト探偵ニッケル氏の不思議事件簿』(2001)、『チーズはだれが切った?:
激変を生き抜くための悪のおとぎ話』(2001)、『マグショット:ハリウッド犯罪
調書』(2002)、『シークレット・パワー:国際盗聴網エシェロンとUKUSA 同盟
の闇』(2003)、『チョムスキー・フォー・ビギナーズ』(2004)、『尿療法バイブ
ル:あなた自身がつくりだす究極の良薬』(2004)、『ハリー・ポッターの呪い:
児童文学を襲うグローバリズムの脅威』(2006)、『女の平和』(2009)、『ヴァイブ
レーターの文化史』(2010)、『ソローの市民的不服従』(2011)、『黄金の泉――尿
療法大全』(2015)。著書は『現代医学の大逆説』(2000)、『もうひとつの反戦読
本』(2004)、『もうひとつの憲法読本――新たな自由民権のために』(2014)など
多数。

「2022年 『自由国家インド実現のためのガンディー憲法案』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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