認知症の人がその人らしく生きる介護術

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784944109081

作品紹介・あらすじ

「まえがき」より
 私が長年携わってきた看護の仕事では、患者さんを担当する際に、生活歴(その人が生きてきた足取り)を聞いてから、看護の計画を立てて、看護を行います。生活歴を調査する際には、患者さんの言うことを同じ目線で傾聴し、共感しながら人間関係を築き、看護を行います。生活歴を知ることは、病気を患っても、その人らしく生きられるように、病気から回復して本来のその人らしい生活に戻れるように支援するために大切なのです。
 認知症ケアについて学べば、学ぶほど、そんな看護の基本がいかに大事かを思い知らされます。英国の認知症ケアの第一人者トム・キットウッドは「パーソンセンタードケア」を提唱し、業務中心のケアではなく、人を中心とするケアの重要性を説きました。画一的な支援ではなく、認知症の人の価値を認め、その人の視点に立って、その人らしさを尊重することが大切であると主張したのです。この考えは世界の医療・福祉現場に大きな影響を与えました。どのような人にもその人らしさを尊重する支援は必要ですが、認知症の人にはとりわけそれが求められます。
 認知症になると、「自分らしさ」がどういうものだったか思い出せないことがあります。例え「自分らしさ」がわかっていたとしても、認知症の人は自らを、自分らしく生きることができる環境にもっていくことが難しいのです。したがって、周りの人は本人が住みやすい環境を察し、整えてあげて、その人らしい生活ができるように支援することが重要なのです。
 高齢者や認知症の人に対して「その人らしく生きる」ための支援を行うことは重要ですが、もうひとつ重要な概念があります。
 発達心理学者のエリクソンは老年期の発達課題を「自我の統合」であると説いています(詳しくは本書P128)。
「自我の統合」とは、自身の人生の振り返りを通じて人生を総括し、人生の価値を確認し、納得して人生を締めくくる過程です。高齢者は長い人生において、いいことも悪いこともたくさん経験しています。老いていくと、体が思うように動かなくなったり、大切な人が亡くなっていったり、失うものが多くなったりと、マイナスなことが増えていきます。しかしながら、体は老いても精神的には成長することができます。
老年期は自分の家族やライフワークで残してきたものをゆっくりと振り返り、総じて「まぁいい人生だった」と納得できることがなによりも大事なのです。
認知症の人も同じように、このような発達課題を抱えています。しかし認知症の人は記憶が徐々になくなっていきます。そのような中で、人生を振り返り、統合感を獲得していくのは容易なことではありません。そのため、認知症の人は「自我の統合」のための支援を常に必要としているのです。
 本書ではそのような高齢期や認知症ケアで大事なことを、愉快なばあちゃんのストーリーにのせて紹介していきます。本書から、なにか介護生活に活かせることを感じ取り、つかんでいただければ幸いです。

著者プロフィール

大阪府出身。大阪府立看護大学(現大阪府立大学)を卒業後、看護師(病院勤務)を経て、保健師として役所の介護保険の部署にて勤務し、要介護認定調査、家庭訪問、介護相談、広報業務に携わる。その後、アメリカ留学。ミズーリ大学社会学学士課程、ミネソタ州立大学女性学修士課程修了。留学の前後、事務系および医療系派遣社員を経験。その後、慶應義塾大学看護医療学部地域看護助教、甲南女子大学看護リハビリテーション学部老年看護助教を経て、現在は企業や官公庁にて保健指導のかたわら、fmGIG(エフエムギグ)ツナガリっちょスタジオ(西宮)にて、本書と同タイトル「認知症介護ラプソディ」のラジオ番組のパーソナリティを務める。コロナ禍で介護職等の声の発信に尽力。保健師、認知症予防食生活支援指導員。野菜ソムリエプロや海外留学経験から、国内外向けの調味料開発やその活用法などの商品コンサルタントや監修を行う。
◆fmGIGラジオ『認知症介護ラプソディ』毎週木曜日13時(サイドA)、25時(サイドB)
◆「速水ユウオフィシャルサイト兼ラジオアーカイブ」
◆「速水ユウYouTube チャンネル」

「2020年 『認知証の人がその人らしく生きる介護術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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