常識外日中論

  • メディア総合研究所
3.90
  • (2)
  • (5)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 40
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784944124459

作品紹介・あらすじ

在日中国人社会を知り尽くす歌舞伎町案内人 李小牧×中国で最も有名な日本人コラムニスト 加藤嘉一
“非常識”が語る日本と中国の“新常識”!!
空気なんか読んでたまるか――異色の二人が徹底的に語り合う日本と中国の過去・現在・未来
尖閣問題・中国の台頭とその裏側・日中マスコミ比較・若者像・反日教育の実態 etc...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 在日中国人社会を知り尽くす歌舞伎町案内人 李小牧×中国で最も有名な日本人コラムニスト 加藤嘉一。 ともに異郷で生きる二人が語りつくす日中論はすばらしいの一言です。

    この本は『歌舞伎町案内人』こと李小牧さんと、北京大学で研究生活を送りながら、多彩な執筆活動をされている加藤嘉一 さんとによる、日中論を戦わせた対談です。非常にスリリングな本で、最後まであきさせませんでした。李小牧さんは中国から日本、新宿は歌舞伎町で案内人として、加藤嘉一さんは日本人でありながら、高校生のころに中国にわたって、互いに異国でサバイバルしてきた人間であるだけに、言葉の一つ一つにエッジが効いていて、読むものを幻惑させます。

    しかし、決して肩肘の張ったものではなく案内人として歌舞伎町で体を張る李小牧さんの口からは中国料理などの食の話に始まって、ここで書くことをはばかられるような中国と日本の『男と女』の作法の違いで加藤氏を困惑させたと思えば、加藤氏は日中における外交・領土に関する問題について、日中の立場を踏まえた上で、鋭い論法で迫っていく。こういうものがもっとお互いの国の人間に読まれるとするならば、少しはお互いの国や人間に対する誤解が解けるのではないかと本気で考えています。そして李小牧さんが日本の若者を散々にこき下ろす場面は、やっぱり、真摯に受け止めなくてはならないなと、そして、彼が驚くぐらいもっともっと努力しなければならないなと、本気でそう思わせてくれました。ぜひ一読をしていただけるとうれしいです。

  • 中国在住8年の日本人・加藤嘉一と、新宿歌舞伎町在住23年の中国人・李小牧の2人による、日中対談。
    加藤嘉一の本は2冊読んだが、
    立場が逆の中国人との対談という形式を取っている分、視点が複眼的。
    日本・中国・日中関係を客観的・主観的に捉えて、
    それを2人で意見交換しているという点で、日本中国の実像を分かりやすく理解できる。

    魅力的なのは、2人の性格やモチベーションがかなり対極的なのに対し、
    実際に双方の社会におけるポジションは近いということ。
    国際社会で生きていく、他の国で生きていくということについて、
    参考になる考え方が数多く見られるのが印象的。

    特に印象に残った部分は、
    「国際主義が伴わない愛国心は存在しない・・・国を愛しているかのように見せかけて国際社会から非難の的になっている活動・・・彼らのことを『愛国奴』と呼んでいます」(加藤)
    これは、毛沢東の言葉に通じるものですが、
    相手の国を非難することで、自分の国(の経済など)が実害を受けることになれば、
    その行為は国益を損なっているわけで、それは「愛国」ではなく、
    むしろ「売国」に近い行為なのではないか、ということ。
    まさにその通りだと思います。

    また、
    「外圧なしに国家の在り方・体制が抜本的に変わったことがない・・・
    外圧をテコとしてい使い、その流れに国民が乗っかっていくというのが、今までの日本」
    という指摘もまさにその通りで、
    そう考えると、日本という国・日本人という国民が「主体性」がないということにも符合します。
    主体性があるように見えるけど、実はないのです。

    そして、
    「日本で空気読めって言ってる人には、
    『おまえは世界の空気が読めていないじゃないか!』って突っ込みたい」(李)
    名言です。

    ちなみに、本書の1/4くらいは日中の「セックス論」「日中論」です。
    思想の話から下の話まで、幅広く、ディープに、語っています。
    勿論、市井の2人による話なので、考え方が偏っている部分はあろうかと思います。
    ただ、中国という国に対して、より多角的な考え方を得たいという方には、とても良い本だと思います。
    オススメだ!!!!

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1960年中国湖南省生まれ。バレエダンサー、文芸紙記者、貿易会社員などを経て88年にデザインを学ぶ私費留学生として来日。歌舞伎町に魅せられ、「歌舞伎町案内人」として活動し始める。歌舞伎町でレストラン『湖南菜館』を経営。『歌舞伎町案内人』(角川書店)をはじめ著書多数。「ニューズウィーク」誌の連載コラム、日中の大学での講演、テレビ、ラジオ出演など多方面で活躍している。

「2011年 『常識外日中論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

李小牧の作品

ツイートする