- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784990262600
感想・レビュー・書評
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人と同等の知性を持った故に、一頭の白い象に降りかかる悲喜こもごもが、ミュシャの流麗な挿絵とともに綴られている。挿絵は植物や曲線が美しく、アール・ヌーヴォーを感じさせます。
「白い」という理由で象の群れからは追い出され、人間との共生の中では、知性を持つゆえに多くの人から寵愛をうける一方で、それから生じるやり場のない葛藤、嫉妬に悩まされる。しかし、際立った知性は人を魅了し、記憶からは消えない存在になるということをこの作品から感じた。
挿絵の原画は堺市立アルフォンス・ミュシャ館で見ることができる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文章のなかなかのボリュームに一瞬怯むも、読み始めるととても心地良い象の口語文。
動物の擬人化はあまり好みではないのですが、人と象との付き合い方を象が心得たうえでの物語なので、とても趣深く読みました。
象なのに、象だからこそ、人間の善悪の感情全てが炙り出されている印象。
110年前に人気を博した児童小説とか。納得です。
もともと、地元にあるミュシャ博物館にあらすじを添えた原画が飾られていて、それだけでもとても感動的でした。
コレクターの死後、市に寄贈されたからあれほどの豪華な展示内容だったのだと腑に落ちました。
今では絶版になっている様子だし…うーん、やっぱり手に入れれるうちに手元に置いておきたい1冊、注文しました(^_^)v -
白い像のお話。