• Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990811631

作品紹介・あらすじ

本は工業的に生産され、消費されている。本は確かに商品だが、宛先のある「贈りもの」でもある。「贈る」ように本をつくり、本を届ける10人それぞれの手による珠玉の小論集。〈執筆者〉批評家・若松英輔/編集者・島田潤一郎(夏葉社)/装丁家・矢萩多聞/校正者・牟田都子/印刷・藤原隆充(藤原印刷)/製本・笠井瑠美子(加藤製本)/取次・川人寧幸(ツバメ出版流通)/営業・橋本亮二(朝日出版社)/書店員・久禮亮太(久禮書店)/本屋・三田修平(BOOK TRUCK)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 2018年50冊目。

    何かが受け手に届くまでの間には、多くの人たちの、多くの手間とこだわりがこめられている。たいていの場合、受け手のあずかり知らぬところで。それはきっと、本に限ったことではない。この本を読むと、本に対しても、本以外のものに対しても、それが手元に届くまでの物語に思いを馳せずにはいられなくなると思う。

    この本は、編集、装丁、校正、印刷、製本、取次、営業、書店...と、読者に本が届くまでのリレーの各区間を担うプロフェッショナルたちのエッセイ集。出版業界にいる人間として、どの方のお話にも背筋が伸びる思い。誰もが、著者の思いが届くべき人に届くべき姿で届くように、大事なことが零れ落ちてしまわぬように、丁寧に丁寧に仕事をしている。著者の言葉だけではなく、言葉にならない言葉にまで寄り添おうとしている。

    この本を読みながら、自分の手に乗っているまさにこの本に対して、敬意と愛着が増していくのをひしひしと感じられた。印刷技術の発達の要点は大量生産にあると思うのだけど、今自分が手にしているこの本が、たった一冊しかないものすごく稀有なものであるような気さえした。本書の中で藤原隆充さんが仰る「1000冊の仕事ではなく、1冊×1000回の仕事」という言葉に触れてしまうと、「作品」としての本の姿が色濃くなり、大切に読みたい、置いておきたいという思いがぐっと強まる。

    独立して活動されている方々が多く、実は起業家精神も学べる本だと感じる。どなたも間違いなくパッションがあるのだけど、暑苦しく息苦しくなるような文体のものはなく、言葉を受ける以上に、自分側から入っていけるようなものばかりだった。本全体を通じて、肩ひじ張らず、とても心地よい読書感だった。本自体の重量や紙質も、それを手伝ってくれたと思う。ずっと手に持っていたくなるような感覚。

    ...

    すてきな本を世に送り出してくださり、どの執筆者にも、製作過程のどの関係者にもお礼を伝えたいくらいの気持ちだけど、個人的には、やはり橋さんへ。橋さんの、本への、書店さんへの、書店員さんへの思いには、橋さんの発信を見るたびにいつも胸を打たれていました。あの人への2年越しの思いも、書いてくださり感謝です。しっかり胸に刻みました。来月12日に、もう一度読もうと思います。ご出版、おめでとうございました。

  • 著者だけでなく、編集、校正、製本、営業、取次、書店……と、1冊の本にはいろんな方の思いが詰まっているのだと思ったら、手元にある本たちがいとおしくなった。

    一生に読める本は限られているけれど、これけらも本を手に取り、読み続けていきたい。

  • 本を私たち読者に届けてくれる人たちの話を10人分も読むことができて1800円(税抜)!とてもお得...笑
    これだけの仕事と仕事をする人がいて、私は本を読めるんだと思い、より本を愛おしく思うようになった。

    ただ、こういう本を読んでいると来春から本とは関係のない仕事に就く自分に少し違和感を持ってしまう。それなりに色々考えて決めたはずだったのだけど...どうしようかなぁ。
    私はたいてい、何かをする方かしない方かだと、しないほうを選んでしまうけど、それでも何もしてこなかったわけではない、はず。
    私はこれからどこに向かうのかなぁ。

  • 私たちは当たり前のように本を読んでいるけれど、一冊出来上がるまでには、たくさんの人の手と熱い、熱い思いが込められているのだと改めて実感した。

    著者、編集、校正、装丁、印刷、製本、営業、取次、書店員、本屋。

    仕事内容だけでなく、10名の人生も踏まえて知れ興味深かった。

    この本は驚くほど軽い。
    装丁も綺麗。
    触り心地も良い。

    他の本では見れない奥付にグッときた。

    本を読む人は、ぜひ読んでほしい。

    私にとって、とても大切な一冊となった。


    たくさんの方の元へ届きますように…

  • 本という商品を作る為には、多くの人々が関わっている。
    分かってはいるけど、どうしても入口の作者・編集者、出口の書店だけに意識が行ってしまう。

    本が届けられるまで。しっかりと各工程の人々の仕事と想いを具現化した作品は初めてだったので、価値のある本でした。

  • 本に関わる仕事をしてみたかったと事ある事に思う。
    なので、この本の各章を書かれた方どの方の本との関わり方が羨ましい。
    読むことしか出来ない立場だけれど、こうして本を送り
    (贈り)出してくれる人たちからの思いの込められた一冊に出会いたいと思う。一冊でも多く心に響く本に出会いたいと思う。

  • 大切な人が困っているとき、金銭だけでなく、私たちは言葉を贈ることもできる。編集者から装丁家、校正者、印刷、製本、取次、営業、本屋まで、贈るように本をつくり、本を届ける10人が自身の仕事や、本への想いを綴る。

    こういう想いが詰まって,手元に届くのですね。

  • 本をつくる人、流通させる人、
    上流から下流まで丁寧にリレーで描く作品。

    ものをつくるその過程、工程をないものにしようという風潮はやめた方がよくて、
    すべて可視化した方が本当はいい。

    本だけでなく、あらゆるものについて、
    こういう本が出版されたらよいのでは、と思う。

  • 読書家の友人から、プレゼントされた1冊。
    贈られた本のタイトルは、「本を贈る」でした。

    「本をつくる仕事に携わっているので、この本の執筆者の気持ちがすごく分かると思う」
    という推しの一言も頂いていました。

    書籍の制作管理部門に配属されていた頃、紙や印刷、製本の原価計算をしていた経験があるので、本の装丁を見て、なんて丁寧なつくりの本なのだろうと惚れ惚れ。
    「気合い」というか「魂」のようなものが入っていることが伝わってきました。

    本から漂う気配と、友人の一言を受けて、「大丈夫かなぁ、私」と若干、心配に。
    私は、自分が好きなことを文章に書くのは好きだけど、本という一冊の形にまとめあげる編集は得意ではないし、校正もできれば専門家に任せたいほうです。
    文章を書くのと、本を読むのは好きだけど、本づくり全体に情熱を持っているかと問われると、それほどでもないような気もします。

    この本に寄稿した著者たちの気持ち、分かるかなぁ。響いてくるかなぁ・・・。
    などと思いながら、読み始めました。

    結論からいうと、友人の「読み」はドンぴしゃり。
    本に携わる著者それぞれの思いや気持ちが詰まっていて、
    私自身も、「あぁ、こんなふうに本に携わっていきたい」と思いました。
    改めて、自分の仕事の在り方を見直す機会になりました。

    本書は、著者、編集、校正、装丁、印刷、製本、営業、取次、書店員、本屋という、
    本が生みだされる過程に携わる人や、生まれた本が読者のもとに届くまでの過程に携わる人、計10人のエッセイをまとめています。

    一つひとつのエッセイは、著者の言葉が活き活きしています。
    本に携わる中で培った経験とか、実感とかを踏まえて語っているので、
    文章が「身から出た言葉」から成っている気がします。

    本を取り扱うすべての人に読んでほしい1冊。
    もちろん、本を読むのが好きという人にもお勧めの1冊です。

  • 本の出版というフィルターごしに
    じんとくる思想が彼方此方に散りばめられて
    物事を心で考えるヒントがたくさんでした。 暖かい本。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

一九八〇年生まれ。武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業後、株式会社東京印書館に入社。製版部、管理部門を経て退職後、デザイン制作会社に勤務する傍ら、手製本工房まるみず組で手製本を習う。現在は加藤製本株式会社で束見本作成に従事。文芸や人文書などの上製本を主に手がける。

「2018年 『本を贈る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川人寧幸の作品

本を贈るを本棚に登録しているひと

ツイートする