- Amazon.co.jp ・本 (100ページ)
- / ISBN・EAN: 9784990932008
感想・レビュー・書評
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短歌で書かれた伽藍。
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「跳ねる兎」「蘭の火」「記憶街」からなる歌集。去年12月に新装復刊。
函入り、本体とのコントラストが美しい。手に取るとなんとも特別な感じがする。こうでなくちゃ。一頁一首の贅沢さもひとしお。
ひとつひとつの歌のひとつひとつの言葉がまるで、様々な世界を覗ける万華鏡のよう。溶け合って揺れるイメージを抱いてなお、その佇まいは静謐で、描出する筆致もどこか科学の理性を思わせる。
標本の美と愛と哀を通して、無限の夢に遊ぶことができる。これはそういう作品なのかも。瞬きのたび瞼の裏に近く遠く何かが見える気がして、なんともドキドキしてしまった。
全体的には「記憶街」の甘くほろ苦くどこか残酷なノスタルジーの味わいが好み。でも一番は「蘭の火」の第一首。 -
買えたコトが嬉しくて星5。
彼女にハマった時には販売が終了していて、涙を飲みました。遂に遂に読むことが出来た!!
歌集というものに触れ合ってきてないので、今の理解などはいまいちですが、何度もじっくり味わっていきたい作品です。 -
歌集買ったことなかったので、感想が出てこない。
ただ、角砂糖の歌が良いな好きだなと思えた。 -
珠玉の言葉の伽藍を渡り歩いているうちに視線は上へ上へと引っ張られ、摩天楼の最上階で遠眼鏡を覗いている。
焔だ。
街の果てで飛び散る紅玉の瓊音と立ちのぼる水脈の轟音は世界の崩壊の予兆か。天から降ってくる(それとも地表から舞い上がってくる)無数の花片(それとも毟られた堕天使の羽)に視界を覆われ昏む眩む。反転するイメージによる昏睡の陶酔。
発語を重ね続ける歌人は、夢も架空も幻想も収束する一点、即ち無限遠点へ眼差しを光線のように真っ直ぐ走らせている。ほろほろとくずれる角砂糖みたいな想像のための白い空間のなかで。
《2019.05.01》 -
なんというか,短歌という形に収まりきってない感じがある.
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短歌ではなく、物語だった。
(でもちょっと俺には難しかった)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000419.000012754.html
創刊2号に山尾悠子の名が、、、