感想・レビュー・書評

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  • 様々な形でポエジィはある。
    今、わたしがいる場所にも。
    それを教えてくれるのは、様々な人々の心から漏れてくる
    素敵な或いは切ないそして、明暗のある物語や短い歌。
    一瞬にポエジィを浮かび上がらせる絵画や写真。
    他の国にも、過去にもポエジィはある。
    ポエジィという一欠片の言葉を集め作られた、居心地のいい場所。
    それが、未明。

  • 『男は鉄砲に弾をこめる/どんぐりのかたちをした金属の、思いがけないあたたかさ/ポケットには体温が 蜜のようにたまって/壊れた覚悟が丘に染みわたる
    』―『言い訳』

    どうしてこの書誌を手にしたのだったか忘れてしまうくらいに放置してあったものに手を染める。ああそうか、蜂飼耳だったと思い出す。十篇ほどの詩が並んでいる。「食うものは食われる夜」の蜂飼耳がそこにいる。ただそれだけで満足する。

    とはいえ500頁程の叢書をそれきりにしてしまうのももったいない。順に頁を繰ってみる。すっと呼び込まれるような作品が幾つもある。北海道という符丁が妙に目につくのはこちらの意識のせいだろうか。見たことは無いのに懐かしさを覚える写真や、ひんやりとした言葉を連ねる人のプロフィールに目が止まる。幾つかの「その2」と題される小品の「その1」が気にかかる。しかしいくら気にかかっても未明01は今のところ手に入らない。03もいつ出版されるのか不明だ。欲が膨らみそうになるのに抗って、冷静になろうと試みる。そもそもこの少し変わった叢書を手にした理由は何だったのか。それ以外のことはあくまで一期一会、偶然の出会い。

    その偶然から一冊の詩集を買い求める。読まれる順番はだいぶ先。そのくらいでちょうどいいとも思う。贅沢な時間であったと振り返る。

  • ボレッタ・シリス-フーの絵画、「たぶんクラゲとは、タブラ・ラサとスヴニールとの重なりあう場所なのだろう」と記小津夜景、松葉末吉の写真、森紀吏子のヴィオラ・ダ・ガンバも登場の音楽エッセイ、森下くるみのオランダ旅、「天のバターが解ける頃」とうたう杉林恭雄、蜂飼耳のハム子先生という短編、村松桂のコラージュの触ってみたくなる見た目、などなど。ボレッタ・シリス-フー作品は心が静かになる。もっと調べてみたいと思った。松葉末吉の写真も心に残る。

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。詩人。1952年、21歳のときに詩集『二十億光年の孤独』を刊行。以来、子どもの本、作詞、シナリオ、翻訳など幅広く活躍。主な著書に、『谷川俊太郎詩集』『みみをすます』『ことばあそびうた』「あかちゃんから絵本」シリーズ、訳書に『スイミー』等がある。

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