ヒロインズ

  • C.I.P. Books
4.50
  • (8)
  • (5)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 260
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784990997106

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ゼルダ・フィッツジェラルドが、大作家スコットの、「可哀想に狂気に陥った妻」と知っていても彼女がものを書いていたとは知らなかった。ヴィヴィアン・エリオットが、ジェイン・ボールズも、「狂気の妻」。その他数知れぬウルフのいった「シェークスピアの妹」。
    才能があり創作しようとしたが、女性だから不在のもの、狂ったものというレッテルを貼られる。「妻」という属性で呼ばれる。男の天才作家がアル中や躁鬱で執筆しようが自分語りをしようが未完の作品を吐き出そうが、創作となる。「多くの作家が、感性が鋭くて才能のある、優秀な侍女を求めているらしい。(中略)その存在こそが創作の源で、題材が引き出される源である」byハードウィック 女性は搾り取られ、精神病の烙印を押され、ドアの後ろに押し込められる。
    映画「天才作家の妻」が連想される。夫のゴーストライターとして書き続けた妻。彼女も同じ仲間の一人だ。「女性作家が売れないなんて設定が古い」という感想(もちろん男性による)を読んだが、現代のケイト・ザンブレノは彼女らに自分を重ねている。
    私自身は創作とは無縁だが、女性の痛みに深く共感する。「自分を消してしまいたいという欲望と、どうか闘って。自分を生贄にすることを拒んで。(中略)あなたの内なる声と社会の決めたタブーに、全力でノーといわなければならない」
    このように優れたフェミニズム本が続いて出版されるのは心強い。

  • 長島 有里枝さんの『こんな大人になりました』に導かれて凄いものに遭遇したことに感謝してます。

著者プロフィール

2009年に作家リディア・ユクナヴィッチの出版社キアスムス・プレスが主催した「Undoing the Novel」コンテストで見出され、0Fallen Angel で小説家デビュー。ほかの主な著作にGreen Girl (2011)、Book of Mutter (2017)など。新作小説や、エッセイと講演を収録した作品集など近刊の予定多数。2018年現在コロンビア大学などで教鞭をとる。ニューヨーク在住。

「2018年 『ヒロインズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西山敦子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
ナオミ・オルダー...
カーソン・マッカ...
レベッカ ソルニ...
ロクサーヌ・ゲイ
グレイソン・ペリ...
クラリッセ・リス...
ジョージ・ソーン...
フランシス・ハー...
ジャッキー・フレ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×