相談の森 (ネコノス)

著者 :
  • ネコノス
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本棚登録 : 673
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784991061455

作品紹介・あらすじ

文春オンラインの人気連載「燃え殻さんに聞いてみた。」を待望の書籍化。家族との関係に、職場での振る舞いに、恋に将来に過去の失敗に。生きている限り、人はいつだって悩んでいる。そんな悩みの一つ一つに、自身も迷いながら答える燃え殻の「人生をなんとか乗りこなす方法」を大公開。ずばり解決策が示されるわけじゃないのに、なぜかホッとする回答の数々。61篇のQ&Aを収録予定。

感想・レビュー・書評

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  • 燃え殻さんによる人生相談。61の様々な分野の相談が収められている。燃え殻さんの良い意味でバイアスのかからない視点からの回答は、自分の言葉で語られていて誠実でスッと心に入ってきた。特に印象的だったのは、『大切なことを決める時は「世間」という言葉、「一般的」という言葉、「普通」という言葉を使わずに説明できないと僕はダメだと思っています。もっと簡単にいえばダメになると思っています。無理矢理世間に合わせても後悔しか残りません。後悔から先が長いですよ〜本当に。」というフレーズ。具体的な質問に対する回答だが、汎用性のある内容が多かった。

  • 回答を呼んでいたら「生協の白石さん」を思い出しました。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    カバーや本文に添えられているイラストがほっこりして、とても好きです。
    イラストの燃え殻さん以外の登場キャラクターはみんな動物なので、“森”の中に居るような感じがありました。
    イラストと装丁を眺めているだけで、マイナスイオン、感じましたよ!

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    相談に「正論ならきっとこんな感じ」ということも踏まえた上で、突き離すでもなく、けれど近づきすぎてズブズブな感じでもない燃え殻さんなりの回答が、要所要所で刺さりました。
    「この文章の感じ、答え方、なんだか読み覚えがあるぞ…」と考えてみたら、「生協の白石さん」の本と通じるものがあることに気がつきました。
    (「生協の白石さん」は、生協にお勤めの白石さんが、投書ボックスに入っていたお悩みなどにユーモラスな回答をされていたものをまとめて本にしたものです。こちらもとてもおもしろいです。)
    あの「生協の白石さん」のときに感じたユーモアの要素を、この「相談の森」の文章にも感じました。

    エッセイのような雰囲気もあり、とても読みやすい1冊です。
    悩みを正論で論破されるのに疲れた人は、開いてみられると癒されるでしょう。

  • 吉本ばななさんのように、スパン!スパン!と音がするように相談に答えていく本も好きだけど、燃え殻さんの“できることはないから、せめて夜が明けるまで相談の森中にいることにした”という姿勢も好きだ。

    ストレスは左肩から一旦下ろして、我を忘れる瞬間を楽しむ!そしてまた右肩に乗せる。
    上手いこと言うなぁ、燃え殻さん。

    夢のまた夢かもしれないけど、
    いつか会いたい人と、食べたいものを食べる。
    そんな妄想を心に抱いてるだけで私は生きていけると思った。

    既婚で子ありなのに浮気を繰り返してしまう女性からの相談には、“それはあなたが見つけた上手に全てを回す術なのでは?”と寄り添う姿勢を見せる燃え殻さんに萌えた!
    彼女には江國香織さんの『東京タワー』を、心のモヤモヤに悩む方には中島らもさんの『心が雨漏りする日は』をオススメする辺りも読んでよかったと思うところ、

    就活で自分は何なのかわからなくなってる学生に、“人生を楽しむための音楽を、小説を、店を、友人を探してください”という回答を読んで思い出した。

    私は就活中、aikoに、江國香織さんに、元彼にたくさん助けられた。
    そして今、この本のラスト一文で燃え殻さんから背中をさすってもらった気がした。

  • 様々な相談に独自の切り口で回答していて面白かった。人は生きている以上悩みは尽きないし、人によって内容も様々だなと当たり前のことだが感じた。
    一緒に悩みを共感して寄り添ってくれる感じが良かった。

  • 燃え殻さんの文章にハマり、続けて2冊目。

    プロローグの「だからせめて、相談の森に、朝が来るまで一緒にいることにした」の優しい一言がじゅわっと沁みる。


    ⚫大切なことを決める時は"世間"という言葉、"一般的"という言葉、"普通"という言葉を使わずに説明できないと僕はダメだと思っています。

    この一文が全くもってその通りで、ギクリときた。私は"一般的に"や"世間"を言い訳に使っていないだろうか。"普通"という言葉に逃げていないだろうか。
    思い返せば返す程、心当たりがあり過ぎて耳が痛いや。


    ゆるくて、何となくネガティブで、でも相談者にしっかり寄り添った優しい回答が読んでいてとても心地よかった。

    「バーでぼったくられた」という相談に対して「いままでそんな悪意を一度も経験しなくて済んだ環境に目を向けてみてください。」という回答には、かなりハッとした。
    その発想は私の中には無かったなぁ。

    私も燃え殻さんみたいに、色んな視点や角度から物事を見れるようになりたい。そんな風に思えた1冊。
    すっかり燃え殻さんのファンだ。

  • 優しい言葉たちの群れに会える森だった
    京極さんの本くらい分厚かったら良かったのに
    また元気が無くなったら遊びに来ます

  • "人生を楽しむための音楽を、小説を、店を、友人を探してください。

    あなたがこれからどこかに就職したとしても、日が変わるごとに気持ちは上がったり下がったりだと思います。ここは一つ、人生ってやつはそれがマストなんだと思うのはどうでしょうか。あまり無理めなお願いでしょうか。僕はそんな上がったときに気持ちを鎮静させるための音楽を知っています。下がったときに気持ちを浮上させるための小説があります。どうしてもだめな時、そんな時もあります。そんな時、我を忘れても引かない友人がいます。店があります。

    これからの人生を何とか乗り切るために、楽しむために、就活が1段落したら、そんな諸々を見つける旅に出てください。きっとどうにかなります。"

  • 寄せられた相談を、燃え殻さんがひとつずつ丁寧に答えてくださっている本。
    燃え殻さんの眼差しも、挿絵も、本の作りが全体的に優しくて、相談者の方おひとりおひとりが大切にされていることが伝わってきました。

  • ばななさんおすすめの一冊。
    あー面白かった。
    相談者さんのリアルな内容に答えていく。
    笑ってしまう箇所あり、うんうんと頷く場所あり。
    スパッと明確な答えじゃなくてグラデーションやグレーな解答が私には心地よかったし、
    自分にはどうしても解決できないような問題が一つ二つあってもそれが生きていく”生”になるんじゃないか?という答えにすごく心が暖かくなった。
    白黒つけなくていいんだよな。
    居心地悪い座布団に座ってても座り直しながら生きていっていいんだよな。


  • ふんわりした中にも芯がある解答。
    極端な否定や肯定や言い切りがなく、読んでいて疲れない。このままコツコツ生きていくかと思える感じ。

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著者プロフィール

1973年生まれ。小説家、エッセイスト。
2017年、小説家デビュー作『ボクたちはみんな大人になれなかった』がベストセラーとなり、2021年秋、Netflixで映画化、全世界に配信、劇場公開された。
小説の著書に『これはただの夏』、エッセイ集に『すべて忘れてしまうから』『夢に迷って、タクシーを呼んだ』『相談の森』『断片的回顧録』がある。最新作は『それでも日々はつづくから』(新潮社)。

「2022年 『ココロギミック 異人と同人3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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